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■新型コロナウイルスはパンデミック WHOが表明 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は11日、世界で感染が広がる新型コロナウイルスについて「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明しました。WHOがパンデミックと認定したのは、2009年に流行した新型インフルエンザ以来11年ぶり。中国以外での感染ペースが加速する現状に強い懸念を示し、各国に対策の強化を促しました。
 記者会見したテドロス事務局長は、「感染の広がりと重大さを深く懸念している」と指摘。パンデミックと表明した根拠について、患者数や対象国が急激に広がっていることや、今後もウイルスの感染拡大が確実視されることを挙げました。
 一般的にパンデミックは、感染症の流行が制御不能になっている状態を指します。各国に何らかの対策を義務付けるわけではなく、パンデミックとの判断は、それまでのウイルスの封じ込めから、影響緩和や症状を和らげる対症療法に軸足を移すべきサインとされます。
 ただ、テドロス事務局長は一つの対策に偏るのではなく、「組み合わせた包括的なアプローチが必要だ」と強調。依然、ウイルスの拡散を制御できるとして、封じ込めを続けるよう訴えました。
 テドロス事務局長は「最も危険なのはウイルスではなく、デマや偏見だ」と繰り返し訴えてきており、SNS(交流サイト)で大量の情報が瞬時に流れる中、安易にパンデミックといえば恐怖心をあおって逆効果になる恐れもあります。
 しかし、依然として対策が不十分な国も目立つことから、対応を促すために、あえてパンデミックと表現しました。WHOはパンデミックという用語をインフルエンザのみに適用してきており、過去にコロナウイルスで使ったことはありません。今回も公式な宣言ではなく、「現状を表す表現」としています。
 新型コロナウイルスの感染は110カ国・地域以上に拡大し、累計の感染者数は12万人を超え、死者は4600人以上に達しました。未知のウイルスは人々の暮らしや企業活動に影を落とし、世界経済への深刻な打撃が懸念されています。製薬企業などは新型コロナウイルスの治療法やワクチンの開発を急いでいるものの、現時点では正式に有効と認められたものはありません。
 当初、中国以外の感染者の割合は全体の約1%でしたが、現在は3割以上に上昇しています。1万2000人を超えたイタリアが最も多く、イラン、韓国が続き、最近はフランスやスペイン、アメリカなど欧米での増加が顕著。衛生が悪く医療態勢が不十分なアフリカの途上国でも患者が増えており、WHOは危機感を募らせています。
 新型コロナウイルスは2019年12月に中国湖北省武漢市で初めて感染が確認され、中国を中心に急速に感染が拡大。WHOは1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言。その約1カ月後の2月28日には、世界全体の危険度を4段階で最高レベルの「非常に高い」に引き上げました。

 2020年3月12日(木)

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