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■肝臓疾患への効果を宣伝した記事型広告が薬機法違反 大阪府警、広告会社社長ら6人を逮捕 [健康ダイジェスト]

 インターネット広告で虚偽の体験談を用いて健康食品の効能を宣伝したとして、大阪府警が東京都にある広告会社「KMウェブコンサルティング」と、福岡市にある広告主の健康食品販売会社「ステラ漢方」を摘発しました。個人の体験談を載せるインターネット広告は急増しており、虚偽や誇大な内容も少なくありません。
 2019年9月から2020年3月上旬まで開設していた健康食品販売会社の健康サプリメント「肝パワーEプラス」を宣伝するサイトには、「医者が絶句するほど脂肪肝だった私が1カ月で正常値まで下げた『最強健康法』とは?」「【衝撃】ズタボロだった肝臓が半年で復活…?お酒も食事も我慢しなくてOKな方法がスゴすぎる!」など効果を称賛する文言がずらりと並び、肝臓機能の数値が改善したとする健康診断結果の画像も掲載していました。 
 だが、購入者をかたる第三者の体験談は架空で、健康食品販売会社と契約を結んだ広告会社がでっち上げた話で、同社のホームページのリンクから購入できる仕組みになっていました。
 大阪府警は、医薬品として厚生労働相の承認がない健康食品を、サイトの表現は肝臓機能の改善に効果があるかのように宣伝したと判断。7月に宣伝サイトを作った広告会社や健康食品販売会社など4社の社員ら計6人を医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告禁止)容疑で逮捕。府警は9月に法人4社を同容疑で書類送検し、6人は在宅で捜査中です。
 電通によると、2019年の広告市場でインターネット広告は2兆円超。全体の3割を占め、初めてテレビ広告を上回りました。うち個人の体験談を中心に構成した広告は「記事型広告」と呼ばれ、電通の担当者は「SNS(交流サイト)の台頭に合わせ、ネット通販で記事型広告が増えた」としています。
 記事型広告そのものは違法ではなく、広告業界関係者は「クリック数や商品の購入数などに応じて報酬が支払われる『成功報酬型』が多く、表現が誇大になりがちだ」と問題点を指摘しています。
 今回の事件では宣伝サイトを手掛けた広告会社だけでなく、広告主も摘発の対象となりました。広告主側が同法で摘発されるのは、異例だといいます。
 インターネット広告の業界関係者によると、違法な記事型広告について、広告会社は「個人の体験談を書いただけだ」。広告主は「依頼した広告会社が勝手に作ったもので内容は知らない」と、双方が責任逃れのような主張をするケースが目立ちます。
 大阪府警は今回、関係者の供述やメールを精査し、健康食品販売会社側が架空の体験談による効能を強調することを「容認」していたと判断し、健康食品販売会社側の悪質性が高いとみて摘発を決めました。
 同社は過去に、自社ホームページで別の健康食品の誇大表示をしたとして、消費者庁から行政処分を受けたこともありました。
 成功報酬型の広告には、ほかに、サイトやブログで商品の情報を紹介、読者の購入に応じて広告主から報酬が支払われる「アフィリエイト」などがあります。アフィリエイトの広告はヤフーが2019年6月にポータルサイトに掲載しないようにするなど、広告の審査基準を厳しくする動きも出ています。
 広告業界に詳しい斎藤健一郎弁護士は、「ネット広告が違法な内容と知りつつ放置している広告主は少なくない。今回の事件を機に、悪質広告がまん延しないよう広告主やポータルサイト運営者を含む業界全体でのルール作りが求められる」と話しています。

 2020年10月11日(日)

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