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■9分で新型コロナウイルスを自動検出 理研や東大が装置開発 [健康ダイジェスト]

 理化学研究所の渡辺力也主任研究員と東京大学の西増弘志教授らの研究チームは、新型コロナウイルスを9分以内に検出できる装置を開発しました。検査コストや感度はPCR検査と同程度で、大規模検査センターなどでの利用に適しています。早ければ2022年度内にも実用化します。
 新型コロナの検査では、PCR検査や抗原検査が利用されています。PCR検査は高精度な反面、検出までに約1時間かかります。抗原検査は特殊な装置を使わずにその場で調べられる反面、精度が低くなります。素早く現場で調べられる技術が求められていました。
 装置に患者の唾液や鼻から採取した検体を入れると、全自動で約9分でウイルスの量がわかります。PCR検査で必要なウイルスの遺伝子を増やす工程がなく、かかる時間を短縮できました。
 新技術では微小な試験管を無数に並べたチップを使用。検体と試薬を入れると、ウイルスのRNA(リボ核酸)と反応して光ります。試験管は直径約7ミリメートルの円の中に約100万個並んでおり、光る試験管の数からウイルス量を把握できます。
 2021年4月に基本となる検出技術を発表した際には、PCR検査よりも感度が低かったものの、試薬の改良や磁気を使って検出しやすくする工夫をして感度を高めました。1回当たりの検査コストは約200円と、PCR検査や抗原検査と同程度です。試験管の部分は簡単に量産できるため検査コストを低減できたといいます。
 実際に患者の検体で性能を確かめたところ、PCR検査で陽性だった50人全員を正しく陽性と判定できました。PCR検査で陰性だった10人は、9人が陰性で、1人が陽性でした。試薬の成分を変えることで、新型コロナの変異型も高精度で見分けられました。
 装置の大きさは幅約1・2メートル、奥行き約0・7メートルあります。大規模検査センターなどでは導入できますが、診療所などへの普及を目指して今後50センチ角に小型化を進めます。実用化する際には、臨床検査機器メーカー「シスメックス」(神戸市)が販売する予定。
 渡辺主任研究員は、「高感度、高精度、迅速、低コストなどの点を網羅した。PCR検査を置き換えることも可能だと考えている」と自信を見せ、新型コロナだけでなくインフルエンザなど多くの感染症の迅速診断への応用も期待できるとしています。

 2022年5月27日(金)




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