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■がん遺伝子検査、医療機器として初承認 来春にも保険適用 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省の専門家会議は13日、100種以上の遺伝子を一度に調べてがんの治療法を探る検査法について、医療機器として製造販売を初めて認めることを決めました。遺伝子を元に最適な治療法を選ぶ「がんゲノム医療」の中核となる技術で、約1カ月以内をめどに2種類の検査法を正式に承認します。2019年春にも公的保険の対象となる見通し。
 承認されるのは、シスメックスと中外製薬の検査法。がんにかかわる114~324種類の遺伝子の変化を一括で調べます。がんは遺伝子の変化によって薬の効果が違う場合があり、患者ごとの最適な治療法の選択に役立ちます。
 対象となるのは、胃がんや肺がんといった固形がんにかかり、最適な治療法である「標準治療」をして効果の出なかった患者。確立された治療法のない希少がんや小児がんなども対象になります。
 厚労省の承認後、2社が公的保険の適用を新たに申請すれば、2019年春にも患者は国の保険で検査を受けられるようになります。副作用を抑えつつ効果が高い薬を選べ、患者の生存率の向上や予後の改善につながります。
 これまでこうした検査は、保険診療との併用ができる「先進医療」として国立がん研究センターなど特定の病院で受けることはできました。ただ保険適用されないため、検査費の自己負担は数十万円になっています。
 国はがんゲノム医療を推進しています。普及すれば一時的に医療費は上がるものの、患者を絞り込んで無駄な投薬を防げれば医療費削減につながります。
 現状では、このような遺伝子検査で最適な治療薬が見付かるのは、患者の1割~2割程度といわれます。今後、日本人の遺伝子の変化と薬の効果に関するデータが集まれば、精度向上や役立つ事例が増えると期待されています。

 2018年12月15日(土)

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■ゲノム編集出産で国際基準作成へ WHOが専門委を新設 [健康ダイジェスト]

 中国の研究者が遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」を施した受精卵から双子の女児を誕生させたと主張して国際的な問題となる中、世界保健機関(WHO)は研究を行う上での指針となる国際的な基準をつくる必要があるとして、専門の委員会を新たに設けることになりました。
 中国・南方科技大学の賀建奎准教授は、ゲノム編集の技術で遺伝情報を書き換えて双子の女児が生まれたと主張しており、各国の研究者からは、事実とすれば安全性や生命倫理の点で問題があるという指摘が相次いでいます。
 こうした事態を受けてWHOは14日、ゲノム編集の技術を人の細胞に用いる際の問題点を科学の面だけでなく、倫理や法律、それに社会的な影響といった面でも検討する専門の委員会を設置すると発表しました。
 委員会のメンバーはまだ決まっていませんが、WHOは、検討の対象となる各分野で世界をリードする研究者や専門家を集めたいとしており、委員会がまとめる報告を国際的な基準づくりに生かしたいとしています。
 WHOは、「研究を行う前にリスクなどが十分に検討される体制を整える必要がある」としており、アメリカなど各国の取り組みを参考にしながら基準づくりを進めていく方針です。
 現在、受精卵にゲノム編集を施す基礎研究について、各国の規制はさまざまです。アメリカは、公的機関が受精卵の遺伝子を改変する研究に資金を投入することを法律で禁じています。臨床試験の申請を受けるアメリカ・食品医薬品局(FDA)が受精卵をゲノム編集する臨床試験を通さず、実施できません。イギリスでは、国の専門機関が厳しく審査しますが、過去に基礎研究が認められた例もあります。
 法律で基礎研究から禁止する国もあり、ドイツは受精卵の遺伝情報を改変する研究をした者に対し、罰金などの罰則規定を設けています。フランスも法律で禁止しています。
 また、遺伝子を改変した受精卵を母胎に戻す行為については、いずれの国でも禁止されています。
 日本ではこれまで基礎研究や、それに伴って母胎に戻す行為のどちらも規制する指針がありませんでした。現在策定中の指針で、どちらも対応しようとしています。新指針では、生殖補助医療向けの基礎研究に限り認め、受精卵は受精後14日以内のものに限定し、動物の子宮や母胎に戻すことは禁止します。

 2018年12月15日(土)

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