■病気 子宮後屈 [病気(さ行)]
通常は前方に傾いている子宮が後方に傾いている状態
子宮後屈とは、通常は前方に傾いている子宮が後方に傾いている状態。子宮の後屈と呼ぶこともあります。
子宮は骨盤のほぼ中央に位置し、通常は前方、すなわち恥骨側に前傾前屈の位置をとっていますが、時として後方に後傾後屈の位置をとる状態が子宮後屈であり、正常女性の約20パーセントに認められるといわれています。
特に障害を伴わない場合は、疾患とは見なしません。かなり以前には病的と考えられて、不妊症や流産、腰痛を起こす原因になるとされ、手術が行われていた時代もありましたが、現在では治療の対象とは考えられていません。
原因には、先天的なものと、子宮内膜症や骨盤内の炎症などの疾患によるものがあります。
症状は、下腹部のだるさ、頻尿、排尿困難など。子宮の位置に問題があっても、特に症状がないことも多く、産婦人科の検査によって指摘され、初めて知るというケースも少なくありません。
子宮内膜症などが原因で、子宮と直腸、あるいは子宮と骨盤腹膜とが癒着し、非可動性の子宮後屈になっている場合には、原因疾患による症状が現れることはあります。
子宮後屈の検査と診断と治療
子宮の位置が後屈であると、妊娠しにくい場合もあるので、不妊の症状があれば婦人科、産婦人科の専門医を受診し、相談するようにします。一般的には、子宮後屈で不妊になることは少なくなっています。
医師の側では、内診や超音波検査により診断します。
特に問題がなければ、治療の必要はありません。後屈は自然に治ったり、妊娠を切っ掛けに治ることもあります。
しかし、後屈が子宮内膜症によって生じた場合は、ホルモン療法や手術を行います。ホルモン療法では、ホルモン剤を内服したり、鼻から噴霧することで治療します。手術は子宮内膜症の原因によって癒着がひどくなったり、卵巣がはれた場合に行われますが、根治手術、準根治手術、保存手術の別があります。
また、出産により周辺の靭帯(じんたい)が緩み、子宮が後屈して軽い症状が見られる場合には、靭帯を鍛える運動を行うことで改善を図ります。
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子宮後屈とは、通常は前方に傾いている子宮が後方に傾いている状態。子宮の後屈と呼ぶこともあります。
子宮は骨盤のほぼ中央に位置し、通常は前方、すなわち恥骨側に前傾前屈の位置をとっていますが、時として後方に後傾後屈の位置をとる状態が子宮後屈であり、正常女性の約20パーセントに認められるといわれています。
特に障害を伴わない場合は、疾患とは見なしません。かなり以前には病的と考えられて、不妊症や流産、腰痛を起こす原因になるとされ、手術が行われていた時代もありましたが、現在では治療の対象とは考えられていません。
原因には、先天的なものと、子宮内膜症や骨盤内の炎症などの疾患によるものがあります。
症状は、下腹部のだるさ、頻尿、排尿困難など。子宮の位置に問題があっても、特に症状がないことも多く、産婦人科の検査によって指摘され、初めて知るというケースも少なくありません。
子宮内膜症などが原因で、子宮と直腸、あるいは子宮と骨盤腹膜とが癒着し、非可動性の子宮後屈になっている場合には、原因疾患による症状が現れることはあります。
子宮後屈の検査と診断と治療
子宮の位置が後屈であると、妊娠しにくい場合もあるので、不妊の症状があれば婦人科、産婦人科の専門医を受診し、相談するようにします。一般的には、子宮後屈で不妊になることは少なくなっています。
医師の側では、内診や超音波検査により診断します。
特に問題がなければ、治療の必要はありません。後屈は自然に治ったり、妊娠を切っ掛けに治ることもあります。
しかし、後屈が子宮内膜症によって生じた場合は、ホルモン療法や手術を行います。ホルモン療法では、ホルモン剤を内服したり、鼻から噴霧することで治療します。手術は子宮内膜症の原因によって癒着がひどくなったり、卵巣がはれた場合に行われますが、根治手術、準根治手術、保存手術の別があります。
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タグ:病気(さ行) 病気 健康創造塾 女性の病気 子宮後屈 ウイルス性いぼ 性病 ワギニスムス 外陰上皮内腫瘍 膣狭窄症 委縮性膣炎 性器結核 女性性器結核 非特異性膣炎 バルトリン腺炎 大前庭腺炎 スキーン腺嚢胞 小前庭腺嚢胞 膣けいれん 膣壁裂傷 膣カンジダ症 先天性膣欠損症 膣中隔 膣欠損症 更年期障害 子宮筋腫 子宮頸がん 子宮内膜症 卵巣腫瘍 卵巣がん 半陰陽 子宮がん 若年性更年期障害 子宮内膜炎 子宮膣部びらん 子宮体がん 子宮頸管炎 月経痛 クラミジア感染症 性感染症(STD) カンジダ膣炎 無月経 単純性疱疹(単純性ヘルペス) 卵巣の形態異常(ターナー症候群) 卵巣嚢腫(嚢胞性腫瘍) 性器ヘルペス症 機能性子宮出血 膣がん 外陰がん 卵管がん 絨毛がん 子宮下垂、子宮脱 尖圭コンジローム 続発性無月経 原発性無月経 外陰炎 ウーマンオンコロジー 老人性膣炎 膣炎 副腎性器症候群 先天性副腎過形成症 性腺機能低下症 膣トリコモナス感染症 ロキタンスキー症候群 膣閉鎖症 鎖陰 性器閉鎖症 処女膜閉鎖症 処女膜強靭症 仮性半陰陽 真性半陰陽 女性仮性半陰陽 メイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群 細菌性膣炎 性器クラミジア感染症
■病気 新生児メレナ [病気(さ行)]
消化管から出血し、血便や吐血を生じる新生児の疾患
新生児メレナとは、主に生後1日から数日に消化管から出血し、血便が出たり血を吐いたりする疾患。
この新生児メレナは従来から、血液を凝固させるために必要なビタミンKの欠乏による出血性疾患と見なされ、現在は予防のために出生当日と退院時、1カ月健診時にビタミンK2シロップを飲ませていますが、消化管からの出血にはさまざまな原因があります。
まず、仮性メレナと真性メレナの2つに分けられます。仮性メレナは、新生児が出産の際に母胎血を飲み込んだり、授乳の際に母親の乳首周辺からの出血を飲み込んで、黒色の血便を排出したり、血液を吐いたりするもの。
一方、真性メレナは、新生児の消化管自体からの出血によるもので、さらに特発性メレナと症候性メレナの2つに分けられます。
特発性メレナは、血液凝固の仕組みが障害されたもので、それ以外に原因となる疾患の発見されないもの。生まれたばかりの新生児では、生理的に凝固因子が減少した状態にあり、腸内細菌の働きが発育して凝固因子の一つであるビタミンKを作れるようになるには数日を要し、母乳に含まれるビタミンKの量も少ないので、凝固因子の減少の程度が強く起こったりすると発症します。
症候性メレナは、胃、腸管などの消化管にはっきりした疾患があって、その部分症状として血便をみるもの。消化管の疾患としては、食道炎、出血性胃炎、胃潰瘍(かいよう)、胃穿孔(せんこう)、十二指腸潰瘍、腸重積症、壊死(えし)性腸炎、細菌性腸炎、ミルクアレルギーなどがあります。
特発性メレナの多くは、生後1〜5日の間に症状が現れます。授乳とは無関係に嘔吐(おうと)が起こり、吐物には、胃液のために黒褐色に変色した血液が混じっています。便も黒いタール様です。
出血が大量の場合には、吐物や便に新鮮な血液が混じり、皮膚の色が貧血のため青白くなることもあります。へそからの出血や、皮下出血を認めることもあります。
生後3週間以降に発症すると、頭骸(とうがい)内出血を引き起こす可能性が高まり、重症だと後遺症が残ることもあります。母乳栄養児で生後2〜3カ月して頭蓋内出血を引き起こす場合は、乳児ビタミンK欠乏症といいます。
新生児メレナの検査と診断と治療
医師による診断では、仮性メレナと真性メレナを区別するアプト試験、貧血や血小板減少の有無を調べる血液検査、肝機能異常の有無を調べる検査、出血傾向の有無を調べる検査、細菌性腸炎の有無を調べる便培養、X線検査、内視鏡などにより総合的に判断し、重症度の評価を行います。
仮性メレナの場合は、治療の必要はありません。特発性メレナでは、減少した凝固因子がビタミンKの作用によって肝臓で合成されるので、治療にはビタミンKが使われます。出血の程度が強く、緊急の止血を要する時は、新鮮凍結血漿(けっしょう)輸血を行います。
そのほか、血小板輸血、胃洗浄や、制酸剤、胃粘膜保護剤、潰瘍の薬であるヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)剤の投与などが行われ、24時間以内に循環血液量の60パーセント以上の出血が続く時には外科的手術が行われます。
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新生児メレナとは、主に生後1日から数日に消化管から出血し、血便が出たり血を吐いたりする疾患。
この新生児メレナは従来から、血液を凝固させるために必要なビタミンKの欠乏による出血性疾患と見なされ、現在は予防のために出生当日と退院時、1カ月健診時にビタミンK2シロップを飲ませていますが、消化管からの出血にはさまざまな原因があります。
まず、仮性メレナと真性メレナの2つに分けられます。仮性メレナは、新生児が出産の際に母胎血を飲み込んだり、授乳の際に母親の乳首周辺からの出血を飲み込んで、黒色の血便を排出したり、血液を吐いたりするもの。
一方、真性メレナは、新生児の消化管自体からの出血によるもので、さらに特発性メレナと症候性メレナの2つに分けられます。
特発性メレナは、血液凝固の仕組みが障害されたもので、それ以外に原因となる疾患の発見されないもの。生まれたばかりの新生児では、生理的に凝固因子が減少した状態にあり、腸内細菌の働きが発育して凝固因子の一つであるビタミンKを作れるようになるには数日を要し、母乳に含まれるビタミンKの量も少ないので、凝固因子の減少の程度が強く起こったりすると発症します。
症候性メレナは、胃、腸管などの消化管にはっきりした疾患があって、その部分症状として血便をみるもの。消化管の疾患としては、食道炎、出血性胃炎、胃潰瘍(かいよう)、胃穿孔(せんこう)、十二指腸潰瘍、腸重積症、壊死(えし)性腸炎、細菌性腸炎、ミルクアレルギーなどがあります。
特発性メレナの多くは、生後1〜5日の間に症状が現れます。授乳とは無関係に嘔吐(おうと)が起こり、吐物には、胃液のために黒褐色に変色した血液が混じっています。便も黒いタール様です。
出血が大量の場合には、吐物や便に新鮮な血液が混じり、皮膚の色が貧血のため青白くなることもあります。へそからの出血や、皮下出血を認めることもあります。
生後3週間以降に発症すると、頭骸(とうがい)内出血を引き起こす可能性が高まり、重症だと後遺症が残ることもあります。母乳栄養児で生後2〜3カ月して頭蓋内出血を引き起こす場合は、乳児ビタミンK欠乏症といいます。
新生児メレナの検査と診断と治療
医師による診断では、仮性メレナと真性メレナを区別するアプト試験、貧血や血小板減少の有無を調べる血液検査、肝機能異常の有無を調べる検査、出血傾向の有無を調べる検査、細菌性腸炎の有無を調べる便培養、X線検査、内視鏡などにより総合的に判断し、重症度の評価を行います。
仮性メレナの場合は、治療の必要はありません。特発性メレナでは、減少した凝固因子がビタミンKの作用によって肝臓で合成されるので、治療にはビタミンKが使われます。出血の程度が強く、緊急の止血を要する時は、新鮮凍結血漿(けっしょう)輸血を行います。
そのほか、血小板輸血、胃洗浄や、制酸剤、胃粘膜保護剤、潰瘍の薬であるヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)剤の投与などが行われ、24時間以内に循環血液量の60パーセント以上の出血が続く時には外科的手術が行われます。
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■病気 膵臓がん [病気(さ行)]
胃の後ろに位置する膵臓に発生する、予後不良のがん
膵臓(すいぞう)がんとは、胃の後ろに位置する消化腺(せん)である膵臓に発生するがん。
膵臓は十二指腸とくっついていて、横に細長くなって脾臓(ひぞう)に接する臓器で、直径15センチ、重さ100グラムほどとサイズこそ小さいものの、外分泌と内分泌という2つのホルモン分泌を行う機能があります。
外分泌機能は、消化液である膵液を分泌して十二指腸へ送り込み、食物の消化、吸収を助けるもの。膵液には、炭水化物を分解するアミラーゼ、蛋白(たんぱく)質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼといった消化酵素が含まれています。
一方、インシュリン(インスリン)やグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血糖値を調節するのが内分泌機能です。インシュリンは血糖値を下げ、グルカゴンは血糖値を高くします。
この膵臓を便宜上、ちょうど3等分して、十二指腸側に接する右側を頭部、中央を体部、脾臓に接する左側を尾部と呼びます。膵臓がんの3分の2以上は、膵頭部に発生します。
また、膵臓がんの90パーセント以上は、十二指腸への膵液の通り道である膵管から発生します。まれには、ホルモンを作るランゲルハンス島(膵島)から発生します。
この膵臓がんは、消化器がんの中で最も予後不良のがんで、近年増加傾向にあります。日本のがんにおける死因としては、平成14年の段階で男性では第5位、女性では第6位。50歳以上の男性に多い傾向にあり、60歳代にピークがあります。
予後不良の原因としては、後腹膜にある臓器であるために早期発見が困難であり、また極めて悪性度が高く、例えば2センチ以下の小さながんであっても、すぐに周囲の血管、胆管、神経への浸潤や、近くのリンパ節への転移、肝臓などへの遠隔転移を伴うことが多いからです。
原因は明らかではありませんが、喫煙、慢性膵炎、糖尿病との関係が報告されています。
食欲不振、体重減少、上腹部痛、腰痛、背部痛などの症状以外に、膵頭部がんでは、目や皮膚が黄色くなる閉塞(へいそく)性黄疸(おうだん)、無胆汁性の灰白色便が特徴のある症状です。
肝臓で作られた胆汁は、胆管を通って十二指腸へ排出されますが、胆管は膵頭部の中を走行するため、膵頭部にがんができると胆管を圧迫したり閉塞したりして、胆汁の通過障害を起こし、閉塞性黄疸が現れます。そこに細菌が感染すると発熱があります。
また、膵管も胆管と同様に閉塞して二次性膵炎を起こし、耐糖能異常すなわち糖尿病の悪化がみられることがあります。さらに進行すると、胃や十二指腸、小腸に浸潤すると、そこから出血して血を吐く吐血、便に血が混じる下血が起こります。胃の出口や、十二指腸が狭くなると食物の通過障害が生じることもあり、食べた物を戻したりします。
一方、膵体部や膵尾部に発生したがんは症状があまり現れず、腹痛が現れるまでにはかなり進行していることが少なくありません。
膵臓がんの検査と診断と治療
早期発見が何よりも大切なので、40歳以上で胃腸や胆道の病変がなく、上腹部のもたれや痛みがある人、体重が減少して腰痛、背部痛のある人、中年以後に糖尿病が現れた人や、糖尿病のコントロールが難しくなった人は、できるだけ早期にスクリーニング(振るい分け)検査を受けます。
従来の血液検査、超音波検査による検診では、有効なスクリーニング検査がなかったため膵蔵がんの検診は不可能でしたが、最新鋭のMDCTと呼ばれるCTを用いて検査をすれば、切除できるくらいの膵蔵がんの診断が可能になっています。
医師による血液検査では、閉塞性黄疸に伴う肝機能異常や、アミラーゼ値の異常、血糖異常が認められることが多くあります。腫瘍マーカーとしては、CA19—9、DUPAN2、SPAN1、CEAなどが高値を示します。しかし、がんがある程度のサイズになるまでは産生量が少ないため、それほど高値にはならず、いずれも早期診断にはあまり役立ちません。
スクリーニング検査としては、腹部超音波(エコー)、CT、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、内視鏡的超音波(EUS)、磁気共鳴画像(MRI、MRCP)、ポジトロン放射断層撮影(PET)などがあります。特に、閉塞性黄疸がある場合は、黄疸を減らす治療のために経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)、内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD)をすることにより、診断も可能です。
区別すべき疾患としては、粘液産生膵腫瘍や、肝炎、胆石症、胆管炎、胆管腫瘍、十二指腸乳頭部がん、腫瘤(しゅりゅう)形成性慢性膵炎など黄疸の出現する疾患が挙げられます。
膵臓がんは難治性がんの代表で早期診断が難しく、外科的切除術以外は有効な治療法が確立されていません。膵頭部のがんは、膵頭十二指腸切除術が行われ、膵臓の半分、胃の半分、十二指腸の3分の2、胆嚢(たんのう)、胆管を切除します。膵体部、膵尾部のがんは、膵臓の半分を切除する膵体尾部切除術と脾臓摘出術が行われます。
発見された時に切除可能なのは40パーセント前後で、切除できても再発することが多く5年生存率は数パーセント程度です。
黄疸の治療には、肝臓から胆管にチューブを通して胆汁を体の外に逃がす必要があります。あるいは、内視鏡的に狭くなった胆管にチューブを留置します。十二指腸が狭くなって食べ物が通らなくなった時には、バイパス手術を行うか、内視鏡を用いて金属のチューブを狭くなった部位に入れて拡張します。
がんの切除が不能な場合、放射線療法と抗がん剤による化学療法が行われます。放射線療法はがんを小さくして痛みをとる効果がありますが、完全に治ることはありません。肝臓や腹膜への転移がなければ、放射線と抗がん剤との併用療法が効果的なことがあります。
2001年よりジェムザールという新しい抗がん剤が使用できるようになり、1年以上生存する発症者も増えてきています。肝臓に転移があれば、肝臓に直接抗がん剤を注入することもあります。
放射線療法や抗がん剤による化学療法では、副作用に注意しなければなりません。骨髄機能が抑制され、白血球や赤血球、血小板が減少したり、肝機能が悪化したり、下痢、発熱、食欲不振、吐き気などがよくみられる副作用で、治療の前には必ず血液検査や問診で副作用を確認する必要があります。
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膵臓(すいぞう)がんとは、胃の後ろに位置する消化腺(せん)である膵臓に発生するがん。
膵臓は十二指腸とくっついていて、横に細長くなって脾臓(ひぞう)に接する臓器で、直径15センチ、重さ100グラムほどとサイズこそ小さいものの、外分泌と内分泌という2つのホルモン分泌を行う機能があります。
外分泌機能は、消化液である膵液を分泌して十二指腸へ送り込み、食物の消化、吸収を助けるもの。膵液には、炭水化物を分解するアミラーゼ、蛋白(たんぱく)質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼといった消化酵素が含まれています。
一方、インシュリン(インスリン)やグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血糖値を調節するのが内分泌機能です。インシュリンは血糖値を下げ、グルカゴンは血糖値を高くします。
この膵臓を便宜上、ちょうど3等分して、十二指腸側に接する右側を頭部、中央を体部、脾臓に接する左側を尾部と呼びます。膵臓がんの3分の2以上は、膵頭部に発生します。
また、膵臓がんの90パーセント以上は、十二指腸への膵液の通り道である膵管から発生します。まれには、ホルモンを作るランゲルハンス島(膵島)から発生します。
この膵臓がんは、消化器がんの中で最も予後不良のがんで、近年増加傾向にあります。日本のがんにおける死因としては、平成14年の段階で男性では第5位、女性では第6位。50歳以上の男性に多い傾向にあり、60歳代にピークがあります。
予後不良の原因としては、後腹膜にある臓器であるために早期発見が困難であり、また極めて悪性度が高く、例えば2センチ以下の小さながんであっても、すぐに周囲の血管、胆管、神経への浸潤や、近くのリンパ節への転移、肝臓などへの遠隔転移を伴うことが多いからです。
原因は明らかではありませんが、喫煙、慢性膵炎、糖尿病との関係が報告されています。
食欲不振、体重減少、上腹部痛、腰痛、背部痛などの症状以外に、膵頭部がんでは、目や皮膚が黄色くなる閉塞(へいそく)性黄疸(おうだん)、無胆汁性の灰白色便が特徴のある症状です。
肝臓で作られた胆汁は、胆管を通って十二指腸へ排出されますが、胆管は膵頭部の中を走行するため、膵頭部にがんができると胆管を圧迫したり閉塞したりして、胆汁の通過障害を起こし、閉塞性黄疸が現れます。そこに細菌が感染すると発熱があります。
また、膵管も胆管と同様に閉塞して二次性膵炎を起こし、耐糖能異常すなわち糖尿病の悪化がみられることがあります。さらに進行すると、胃や十二指腸、小腸に浸潤すると、そこから出血して血を吐く吐血、便に血が混じる下血が起こります。胃の出口や、十二指腸が狭くなると食物の通過障害が生じることもあり、食べた物を戻したりします。
一方、膵体部や膵尾部に発生したがんは症状があまり現れず、腹痛が現れるまでにはかなり進行していることが少なくありません。
膵臓がんの検査と診断と治療
早期発見が何よりも大切なので、40歳以上で胃腸や胆道の病変がなく、上腹部のもたれや痛みがある人、体重が減少して腰痛、背部痛のある人、中年以後に糖尿病が現れた人や、糖尿病のコントロールが難しくなった人は、できるだけ早期にスクリーニング(振るい分け)検査を受けます。
従来の血液検査、超音波検査による検診では、有効なスクリーニング検査がなかったため膵蔵がんの検診は不可能でしたが、最新鋭のMDCTと呼ばれるCTを用いて検査をすれば、切除できるくらいの膵蔵がんの診断が可能になっています。
医師による血液検査では、閉塞性黄疸に伴う肝機能異常や、アミラーゼ値の異常、血糖異常が認められることが多くあります。腫瘍マーカーとしては、CA19—9、DUPAN2、SPAN1、CEAなどが高値を示します。しかし、がんがある程度のサイズになるまでは産生量が少ないため、それほど高値にはならず、いずれも早期診断にはあまり役立ちません。
スクリーニング検査としては、腹部超音波(エコー)、CT、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、内視鏡的超音波(EUS)、磁気共鳴画像(MRI、MRCP)、ポジトロン放射断層撮影(PET)などがあります。特に、閉塞性黄疸がある場合は、黄疸を減らす治療のために経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)、内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD)をすることにより、診断も可能です。
区別すべき疾患としては、粘液産生膵腫瘍や、肝炎、胆石症、胆管炎、胆管腫瘍、十二指腸乳頭部がん、腫瘤(しゅりゅう)形成性慢性膵炎など黄疸の出現する疾患が挙げられます。
膵臓がんは難治性がんの代表で早期診断が難しく、外科的切除術以外は有効な治療法が確立されていません。膵頭部のがんは、膵頭十二指腸切除術が行われ、膵臓の半分、胃の半分、十二指腸の3分の2、胆嚢(たんのう)、胆管を切除します。膵体部、膵尾部のがんは、膵臓の半分を切除する膵体尾部切除術と脾臓摘出術が行われます。
発見された時に切除可能なのは40パーセント前後で、切除できても再発することが多く5年生存率は数パーセント程度です。
黄疸の治療には、肝臓から胆管にチューブを通して胆汁を体の外に逃がす必要があります。あるいは、内視鏡的に狭くなった胆管にチューブを留置します。十二指腸が狭くなって食べ物が通らなくなった時には、バイパス手術を行うか、内視鏡を用いて金属のチューブを狭くなった部位に入れて拡張します。
がんの切除が不能な場合、放射線療法と抗がん剤による化学療法が行われます。放射線療法はがんを小さくして痛みをとる効果がありますが、完全に治ることはありません。肝臓や腹膜への転移がなければ、放射線と抗がん剤との併用療法が効果的なことがあります。
2001年よりジェムザールという新しい抗がん剤が使用できるようになり、1年以上生存する発症者も増えてきています。肝臓に転移があれば、肝臓に直接抗がん剤を注入することもあります。
放射線療法や抗がん剤による化学療法では、副作用に注意しなければなりません。骨髄機能が抑制され、白血球や赤血球、血小板が減少したり、肝機能が悪化したり、下痢、発熱、食欲不振、吐き気などがよくみられる副作用で、治療の前には必ず血液検査や問診で副作用を確認する必要があります。
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タグ:膵臓がん 異所性膵 病気(さ行) がん 病気 健康創造塾 白血病 舌咽神経痛 脂肪肉腫 胃カルチノイド 神経血管圧迫症候群 神経芽細胞腫 乳がん スキルス胃がん メラノーマ 骨髄腫 多発性骨髄腫 肺がん 子宮頸がん 急性白血病 大腸がん 卵巣腫瘍 卵巣がん 胃がん 食道がん 悪性リンパ腫 肝臓がん 腎臓がん 子宮がん 前立腺がん 舌がん 骨肉腫 骨腫瘍 慢性白血病 子宮体がん 喉頭がん カポジ肉腫 ボーエン病 ページェット病 日光角化症(老人性角化腫) 甲状腺がん 老人性角化腫(日光角化症) 卵巣嚢腫(嚢胞性腫瘍) 副鼻腔がん 上咽頭がん 中咽頭がん 軟骨肉腫 下咽頭がん 歯肉がん(歯茎がん) 唾液腺がん 顎骨腫瘍 咽頭がん 軟部肉腫 腎盂がん 腎細胞がん ウイルムス腫瘍 膀胱がん 小腸がん 精巣腫瘍(睾丸腫瘍) 陰茎がん 膣がん 外陰がん 卵管がん 絨毛がん 網膜芽細胞腫 胆道がん カルチノイド 乳房パジェット病 乳房外パジェット病 ウーマンオンコロジー 骨軟骨腫 軟骨性外骨腫 ユーイング肉腫 慢性骨髄性白血病 悪性黒色腫 悪性軟部腫瘍 陰茎腫瘍 ほくろのがん 肺カルチノイド 消化管カルチノイド 大腸カルチノイド 神経内分泌腫瘍 直腸カルチノイド
■病気 神経芽細胞腫 [病気(さ行)]
子供の副腎または交感神経節に発生するがん
神経芽細胞腫(しゅ)とは、子供の副腎(ふくじん)または交感神経節に発生するがん。子供のがんでは、白血病に次いで発生率の高い疾患です。
発生頻度は1万〜1万3000人に1人の割合と推定され、ほとんどが3歳まで、半数以上は2歳以下で発症します。主に腎臓の上にある副腎という三角形の小さな臓器にできますが、縦隔という胸の中や、背骨の横にできることもあります。この神経芽細胞腫は、がん化する遺伝子が増え続ける時に発生するといわれています。
副腎に発生した時には、おなかに硬いしこりを触れることができるので、発見の切っ掛けになります。また、がんが発生した場所によっては、せき、呼吸困難、手足のまひ、頻尿などの症状も出ます。そのほか、初期症状として発熱、手足のはれや痛み、腹痛、不機嫌などがみられますが、この疾患に特有の症状というのは特にありません。
特有の初期症状がない上に、進行が早く肝臓に転移しやすく、さらに上肢や下肢の長管骨や、頭蓋(とうがい)骨にも転移しますので、発見された時にはかなりの進行度であることも少なくありません。
しかし、神経芽細胞腫はアドレナリン系の物質を産生し、尿中に過剰に排出するため、生後6カ月ごろの尿のスクリーニングで早期発見が可能です。1歳未満で発見された場合は、治りやすいことがわかっています。自然に治ることもあります。
生後6カ月あるいは1歳6カ月の乳幼児を対症にした集団スクリーニングによる検査も、全国的に実施されています。市町村から配布された検査用紙に乳幼児の尿を染み込ませ、乾燥させてから郵送すると検査してくれることになっています。
神経芽細胞腫の検査と診断と治療
集団スクリーニングによる検査などで陽性という結果が出たら、小児科の専門医を受診します。集団スクリーニングによる検査は、大勢の乳幼児の中から疑いのあるものを見付ける大まかな検査で、がんができていないのに陽性という結果が出ることも少なくありません。
医師の側では、尿の再検査や血液検査、胸部と腹部の超音波検査、CT検査、MRI検査を行います。転移の可能性を調べるためには、骨のスキャンや骨のX線撮影を行ったり、肝臓、肺、皮膚、骨髄、骨などから組織サンプルを採取して、顕微鏡下で調べる生検を行います。がんがかなり大きくなれば、触診で腹部のしこりを感知できます。
神経芽細胞腫は、早期に発見されれば自然に治ってしまうこともあるので、生検などの検査の結果、様子をみていても問題がないと判明したら、自然治癒を待つこともあります。
治療としては、がんをできるだけ手術で摘出し、必要に応じて抗がん剤による治療や放射線治療を行います。一般に、乳幼児のがんには抗がん剤がよく効くことが多く、きちんと治療を受ければ、半分以上が治ります。年齢が高い子供でがんが転移している場合は、治癒率が低くなります。
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神経芽細胞腫(しゅ)とは、子供の副腎(ふくじん)または交感神経節に発生するがん。子供のがんでは、白血病に次いで発生率の高い疾患です。
発生頻度は1万〜1万3000人に1人の割合と推定され、ほとんどが3歳まで、半数以上は2歳以下で発症します。主に腎臓の上にある副腎という三角形の小さな臓器にできますが、縦隔という胸の中や、背骨の横にできることもあります。この神経芽細胞腫は、がん化する遺伝子が増え続ける時に発生するといわれています。
副腎に発生した時には、おなかに硬いしこりを触れることができるので、発見の切っ掛けになります。また、がんが発生した場所によっては、せき、呼吸困難、手足のまひ、頻尿などの症状も出ます。そのほか、初期症状として発熱、手足のはれや痛み、腹痛、不機嫌などがみられますが、この疾患に特有の症状というのは特にありません。
特有の初期症状がない上に、進行が早く肝臓に転移しやすく、さらに上肢や下肢の長管骨や、頭蓋(とうがい)骨にも転移しますので、発見された時にはかなりの進行度であることも少なくありません。
しかし、神経芽細胞腫はアドレナリン系の物質を産生し、尿中に過剰に排出するため、生後6カ月ごろの尿のスクリーニングで早期発見が可能です。1歳未満で発見された場合は、治りやすいことがわかっています。自然に治ることもあります。
生後6カ月あるいは1歳6カ月の乳幼児を対症にした集団スクリーニングによる検査も、全国的に実施されています。市町村から配布された検査用紙に乳幼児の尿を染み込ませ、乾燥させてから郵送すると検査してくれることになっています。
神経芽細胞腫の検査と診断と治療
集団スクリーニングによる検査などで陽性という結果が出たら、小児科の専門医を受診します。集団スクリーニングによる検査は、大勢の乳幼児の中から疑いのあるものを見付ける大まかな検査で、がんができていないのに陽性という結果が出ることも少なくありません。
医師の側では、尿の再検査や血液検査、胸部と腹部の超音波検査、CT検査、MRI検査を行います。転移の可能性を調べるためには、骨のスキャンや骨のX線撮影を行ったり、肝臓、肺、皮膚、骨髄、骨などから組織サンプルを採取して、顕微鏡下で調べる生検を行います。がんがかなり大きくなれば、触診で腹部のしこりを感知できます。
神経芽細胞腫は、早期に発見されれば自然に治ってしまうこともあるので、生検などの検査の結果、様子をみていても問題がないと判明したら、自然治癒を待つこともあります。
治療としては、がんをできるだけ手術で摘出し、必要に応じて抗がん剤による治療や放射線治療を行います。一般に、乳幼児のがんには抗がん剤がよく効くことが多く、きちんと治療を受ければ、半分以上が治ります。年齢が高い子供でがんが転移している場合は、治癒率が低くなります。
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