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■医療用保湿剤「ヒルドイド」、美容目的の処方量制限は見送り 厚労省 [健康ダイジェスト]

 「美容クリーム」としての利用が問題となっていた公的医療保険の対象の医療用保湿剤について、厚生労働省は24日、処方量の上限規制の導入を見送ることを決めました。この医療用保湿剤のような保湿剤が必要ながん患者団体などから反発を受けたためです。
 保湿剤は、アトピー性皮膚炎などの治療に使う「ヒルドイド」とその後発医薬品。保湿効果があり、雑誌やインターネットで美容クリームとして多く紹介されています。医師から処方されれば現役世代なら50グラム1185円が最大3割(約360円)の自己負担ですみ、厚労省の調査で美容目的で大量に処方されている事例も見付かりました。
 健康保険組合連合会は、医療費の無駄遣いにつながるとして、「保険適用外とすべきだ」と提言。このため、厚労省は不適切な医療保険の使い方を減らそうと、医師が1度に処方できる量に上限を設けることなどを検討してきました。
 しかし、抗がん剤による皮膚の乾燥を治すためにヒルドイドなどを使っている乳がんや卵巣がんの患者団体などは、「放射線治療による皮膚障害に保湿剤は欠かせない」として、従来の処方を続けるよう求める要望書を提出。日本皮膚科学会など関連学会も、「保湿剤による治療を必要とする患者に大きな不利益を生じかねない」として、処方量の制限に反対する要望書を提出していました。
 今回、保険適用から外したり、処方量に制限を設けるなどの規制を見送ったことについて、厚労省医療課の担当者は「全身性のアトピーや難病の患者、がんの放射線治療を受けた患者など、本当に保湿剤を大量に必要とする人が、処方量の制限などで不自由な思いをするという声や関連学会からの要望に配慮した。今後は、改めて通知などで医療上の処方を明確化するともに、不適切な処方が出ていないか、診療報酬の審査支払機関と適正な審査を進めていく」 と説明しています。

 2018年1月25日(木)

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■京大iPS細胞研究所で論文不正 助教が図でデータの捏造や改ざん [健康ダイジェスト]

 京都大学(京都市左京区)は22日、iPS細胞研究所の山水康平(やまみず・こうへい)・特定拠点助教(36歳)が昨年2月に発表したヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する論文で、データの捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表しました。
 論文を構成する主要な6つの図のすべてと補足データの5つの図の合わせて11の図に捏造や改ざんがあり、論文の主張に沿うよう有利にデータが操作されていたといいます。京大は論文が掲載されたアメリカの科学誌に撤回を申請しており、今後、関係者の処分を行う予定です。
 他の研究や今後の研究には影響はないとしています。iPS細胞研究所を含め、京大で論文の捏造が認定されたのは、初めてといいます。
 記者会見した山中伸弥所長は、「強い後悔、反省をしている。応援いただいている皆様に心よりおわびを申し上げる」と陳謝しました。山中所長は、所長を辞任するかどうかの質問に「その可能性も含め、しっかり検討したい」と述べました。
 不正が認定されたのは、ヒトのiPS細胞から脳血管内皮細胞を作製し、血液中の薬物や有害物質が脳に入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能を持つ構造体を作製することに成功したとする論文。創薬研究に利用できれば、アルツハイマー病などの治療に役立つ可能性があるとしました。
 山水特定拠点助教は、任期が決まっている非正規雇用の研究者という立場ながら、筆頭・責任著者でした。昨年2月24日にアメリカの科学誌「ステムセル・リポーツ」の電子版に発表され、3月に同じ科学誌に掲載されました。
 iPS細胞から作製した脳血管内皮細胞で、細胞に特有の遺伝子が働いているかどうかを解析し、論文では有意に高いことが示されましたが、研究室に残されたデータではその結果は出ませんでした。また、生体内の血液脳関門と同じようなバリアー機能があるか調べる薬物透過性試験でも、論旨に沿うようにグラフを作成するなどしていました。
 脳血管内皮細胞の作製には成功していなかったとみられますが、京大の聞き取りに対し、山水助教は「私がやりました。論文の見栄えをよくしたかった」と話しているといいます。
 この論文のデータに疑問があるという情報が内部からiPS細胞研究所に寄せられ、研究所が昨年7月に大学に通報。京大は外部委員を加えた調査委員会を設置し、9月から調査を始めていました。
 研究不正に詳しい大阪大学の中村征樹准教授は、「調査では論文のデータの大部分に捏造や改ざんが指摘されており、これまでiPS細胞研究所はデータの管理に厳しいという印象を持っていただけに驚いている」とした上で、「iPS細胞の研究は、日本社会の期待が大きい分野だけに、信頼に応えるためにも不正がなぜ起きたのか、ほかにも不正はないのか、社会が納得するだけの詳細な調査を行う必要がある」と指摘しています。

 2018年1月23日(火)

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■パナソニック、人工肛門を使うオストメイト用の消臭剤を販売へ 潤滑剤により便の処理もスムーズに [健康ダイジェスト]

 パナソニックは、医療・介護向け消臭剤「ニオフ」シリーズに、人工肛門や人工膀胱を使うオストメイト用の消臭潤滑剤「ニオフ消臭潤滑剤」を新たにラインナップし、1月31日より販売します。
 250mlのボトルタイプと、8ml×10袋のミニパックタイプを用意。希望小売価格は順に2600円、1230円(税別)。
 2016年7月に発売した医療・介護向け消臭剤「ニオフ」の技術を活かした、オストメイト用の消臭潤滑剤。人工肛門や人工膀胱を使うオストメイトの人が、便や尿を集めるために付ける「ストーマ袋」に注入して使用します。ストーマ袋に消臭潤滑剤をなじませることで、便臭を抑えられるほか、潤滑剤により便の処理をスムーズにできるといいます。
 オストメイトの人の困りごととして、「排泄処理時のトイレにこもるニオイ」、「ストーマ袋に残る排泄物」などが挙げられるといいます。また、すでに発売されているスプレータイプのニオフを使うオストメイトの人は多く、「ニオフの消臭機能がある潤滑剤を使いたい」という要望も多数あったことから、消臭潤滑剤の開発に至ったとしています。
 消臭メカニズムには、ニオイ分子の組み換えに効果がある「銅イオン」を採用。便臭の主要因である硫化水素の分子構造そのものを組み換え、速やかに消臭する「リコンビネーション消臭」技術により、硫化水素を1分で99%以上消臭できるといます。香りで覆い隠すのではなく、銅イオンがニオイ分子に働き掛けて、構造そのものを組み換えて消臭するため、消したニオイは戻らないとしています。
 潤滑成分には、増粘剤(メトローズ)と界面活性剤を採用。ニオフ消臭潤滑剤がストーマ袋のパウチ内をコーティングすることで、パウチから便を押し出す際に、便と潤滑剤が一緒に押し出されるため、スムーズに処理できます。
 消臭潤滑剤の本体容器は、オストメイトの人の使いやすさを考えて設計。フタは片手で開閉でき、容器はソフトで押しやすく、潤滑剤を出しやすい形状としています。液切れのよいノズル形状のため、液垂れも防止。中身が見えるデザインのため残量が確認しやすく、ボトルタイプには1回分の使用量(約8ml)の目安になる目盛りも備えています。
 ニオフ消臭潤滑剤は、イギリスの医療機器メーカー、コンバテック・グループの日本法人の販売網を使って、全国に拡販します。発売後1年で2万3000本の売り上げを目指します。

 2018年1月23日(火)

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■長期的なストレス、男性のがんリスクを2割高める がん研究センターが調査 [健康ダイジェスト]

 ストレスが高いと長期にわたって感じている男性は、感じていない男性に比べてがんになるリスクが2割高くなるとの調査結果を20日、国立がん研究センターなどの研究チームが発表しました。
 研究チームは、全国10カ所の保健所管内の40~69歳の男女7万9301人を対象に調査を実施。1990年または1993年に、「日常受けるストレスは多いか」という質問に、「少ない」「普通」「多い」の三択で回答してもらい、5年後にも同じ質問をしました。
 対象者のうち平均17・8年後の2012年までに、がんが確認されたのは1万2486人(男性7607人、女性4879人)でした。回答とがんとの関連を分析すると、2回ともストレスが多いと回答した男性グループは、2回ともストレスが少ないとした男性グループに比べ、がんになるリスクが19%高くなっていました。
 2回ともストレスが多いと回答した女性グループでは、がんになるリスクが7%高くなっていただけで、ストレスによるリスク差はほぼみられませんでした。
 また、1回目はストレスが少ないか普通だったのに2回目に多くなっていた男性グループは、2回ともストレスが少ないとした男性グループに比べ、がんになるリスクが20%高くなっていました。
 ストレスが多い男性グループは、特に肝臓がんと前立腺がんで、ストレスによるリスクの増加が強くみられました。
 研究チームによると、ストレスががんになる危険性を高めるとの研究はあるものの、長期にわたる大規模調査を基にした報告は初めて。ストレスによる免疫機能低下などの可能性が考えられるといいます。
 喫煙や飲酒などがんのリスク要因となる生活習慣の影響も排除しきれないことから、国立がん研究センターは「今後、さらなる検討が必要だ」としています。

 2018年1月22日(月)

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