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■塩野義製薬、睡眠障害治療に参入 アメリカのアプニメッドと合弁で経口薬開発 [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬は睡眠障害の治療に参入します。1日、睡眠障害の治療薬を開発するアメリカのスタートアップのアプニメッド社とアメリカに合弁会社を設立し、睡眠時無呼吸症候群の治療薬の開発・販売に取り組むことを発表しました。同時に製薬中堅の持田製薬と提携し、不眠症治療の新薬の販売で提携することも発表しました。
 アメリカのマサチューセッツ州に設立した合弁会社には、アプニメッドと50%ずつ出資します。塩野義製薬が持つ豊富な化合物の情報とアプニメッドの睡眠障害薬の開発に関するノウハウを組み合わせ、経口薬を中心に開発や販売を進めます。
 睡眠時無呼吸症候群は、主に肥満や下顎が小さいことにより睡眠中に気道がふさがるなどし、夜間の酸素レベルが低下して睡眠の質が低下します。慢性疾患につながることや労働生産性を損なうことが示唆されています。機械で鼻から強制的に空気を送り込む治療法が中心なものの、患者の負担が大きいため、より利便性の高い治療薬の開発が求められていました。
 持田製薬と販売で協力する不眠症治療薬はすでに欧米で販売されており、日本では持田製薬とそーせいグループの子会社であるイドルシア・ファーマシューティカルズ・ジャパン(東京都港区)が共同開発してきました。既存薬より翌日の眠気や認知機能低下が少ないとされ、10月31日に厚生労働省に製造販売承認を申請しました。日本での承認が得られ次第、販売に取り組みます。

 2023年11月1日(水)

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■重度訪問介護、22時間余の利用認めるよう命じる初の判決 千葉地裁 [健康ダイジェスト]

 重い障害がある人に自治体が提供する「重度訪問介護」を巡り、難病で寝たきりの千葉県松戸市の男性が、1日当たり24時間の介護サービスを求めた裁判で、千葉地方裁判所は「基本的に24時間に相当する介護支給が認められるべきだ」として、別の医療サービスなどを受けている時間を除く、22時間余りの利用を認めるよう市に命じました。
 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で寝たきりの松戸市に住む男性(62)は、たんの吸引や人工呼吸器の装着などが必要で、費用のほとんどが公費で賄われる「重度訪問介護」のサービスを受けていますが、昨年3月に市が決めた1日当たり18時間余りの利用では不十分だとして、24時間の介護サービスが受けられるよう求めていました。
 10月31日の判決で、千葉地方裁判所の岡山忠広裁判長は「男性の病状は深刻であり、介護がなければ生命を維持するのが困難な状態である。介護を担う妻は子供の育児や家事、仕事を担い負担が集中していて疲れでたんの吸引などができない恐れがある」と指摘しました。
 その上で「市は妻の心身の状況などを十分に考慮すべきで、基本的に1日24時間に相当する介護支給が認められるべきだ」として、別の医療サービスでたんの吸引などを行っている時間を除く、1日22時間余りの利用を認めるよう市に命じる判決を言い渡しました。
 「重度訪問介護」は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの1つです。重度の障害で常に介護を必要とする人に入浴や食事などの介護をするヘルパーを派遣し、その費用のほとんどが公費で賄われます。
 「重度訪問介護」を月に何時間まで利用できるかは市町村が本人や家族、それに医師から話を聞くなどして決めますが、判断基準はそれぞれの自治体が作成していてばらつきがあるのが実情です。
 原告の松戸市に住む男性は、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALSの患者です。
6年前から疲れやすくなったり手足が震えたりするようになり、翌年、56歳の時にALSと診断されました。
 徐々に筋肉が衰えて一昨年から寝たきりになり、昨年からは人工呼吸器を常に装着している上、たんの吸引などのため24時間の介護が必要です。
 男性は妻と5歳の息子の3人暮らしで、妻が男性の介護や育児に加えてアルバイトで家計を支えることで生活を続けてきましたが、疲労やストレスから体調を崩しているということです。
 判決を受けて原告側の藤岡毅弁護士は、「重い障害がある人が家族と同居している場合、
1日3時間程度は家族が介護すべきだとして、『重度訪問介護』の時間を差し引くことが全国の多くの自治体でなされている。今回裁判所が男性の病状や家族の状況から基本的に訪問介護が1日24時間相当必要だと判断したことは、日本の社会保障の在り方に影響するほど大きなインパクトがある」と指摘しました。
 その上で「当事者や家族がつらい思いをしているケースは多く、この判決で解決の方向に向かってほしい」と述べました。

 2023年11月1日(水)

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■平日の寝不足、週末寝だめでは補えず アメリカの研究者、心血管系の数値が悪化 [健康ダイジェスト]

 平日に十分な睡眠を取れなければ、週末に寝だめをすればいいとの考えは、少なくとも心血管系の健康にとっては間違いだとする研究結果を、アメリカのペンシルベニア州立大の研究者が心身医学の専門誌に発表しました。
 心拍数や血圧などの心血管系の健康指標は、睡眠が1日5時間に制限されると1週間で悪化し、週末の睡眠を増やしても正常に戻すには不十分でした。睡眠不足が何日も続くと、回復には週末より長い期間が必要な可能性があるとしています。
 20~35歳の健康な男性15人に入院してもらい、最初の3夜は10時間まで眠れるが次の5夜は睡眠を5時間に制限し、その後2夜、再び10時間までの睡眠を許可しました。この間、安静時心拍数と血圧を2時間ごとに測定して分析しました。
 その結果、入院当初は1分間に69回だった平均心拍数が、日を追うごとに増加。試験終了時には78回まで増えていました。収縮期の血圧も1日当たり約0・5ずつ上昇し、当初の平均116だったのが、終了時には119・5に。寝だめの効果は回復には不十分なことが示されたとしている。
 研究チームは、「今回の研究で、長期的な睡眠障害が心臓血管の健康にダメージをもたらす潜在的なメカニズムが明らかになりました。特に若いうちから十分な睡眠を取れていない人は、年齢を重ねると心臓血管疾患を発症する可能性が高くなります。睡眠が健康を改善する上で焦点となることを、多くの人に知ってほしいと思います」と注意を促しています。

 2023年10月31日(火)

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■脳死下の臓器提供1000例目、長崎大病院で肝臓移植  [健康ダイジェスト]

 長崎大学病院(長崎市)は10月30日、国内1000例目の脳死による臓器提供に伴って肝臓の移植手術を28日に同病院で実施したと公表しました。提供を受けたのは原発性硬化性胆管炎の30歳代男性で、術後の経過は良好といいます。
 日本臓器移植ネットワークによると、1000例目は中国・四国地方の病院に脳出血で入院していた60歳代男性。家族が臓器提供に同意し、10月26日午後7時22分に脳死と判定されました。28日午前5時15分に摘出手術を開始。長崎大学病院では午前9時15分に移植手術を始め、午後1時44分に臓器が到着し、午後8時41分に終了しました。
 肝臓以外の移植手術はいずれも長崎県外で行われ、60歳代男性に心臓、40歳代男性に肺、50歳代女性と40歳代男性に腎臓が提供されたといいます。
 同病院でこれまでに、脳死と判定されて臓器提供者(ドナー)となった事例は15件あるといいます。

 2023年11月1日(水)

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