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■ホルムアルデヒドを検出した利根川水系の取水停止、千葉県で断水相次ぐ [健康ダイジェスト]

 利根川水系から取水している浄水場で、処理後の水道水から国の基準値を超える化学物質のホルムアルデヒドが検出された問題で、千葉県内の浄水場が取水を停止したため、千葉県では柏市のすべての世帯を始め、野田、流山、我孫子、八千代の5つの市の、合わせて33万世帯余りが断水しています。
 この問題は、利根川水系から取水している埼玉県、千葉県、群馬県にある6か所の浄水場の処理後の水道水から、18日から19日朝にかけて相次いで国の基準の1リットル当たり0・08ミリグラムを超えるホルムアルデヒドが検出されたものです。
 埼玉県が群馬県と共同で上流の水質を調べたところ、利根川の支流のうち、群馬県内を流れる烏川の水からホルムアルデヒドの元となる化学物質が検出されたということです。ホルムアルデヒドは浄水場の塩素と反応して生成された可能性があり、埼玉県はこの烏川流域に、ホルムアルデヒドの元になる化学物質が流れ出た疑いもあるとみて、引き続き汚染源の特定を急いでいます。
 埼玉県などによりますと、ホルムアルデヒドの基準値は70年間飲み続けても健康に害がないように設定されているため、仮に薄める前の水を飲んでも、健康への影響はないということです。しかし、基準を超えるなどしたことから、各県の浄水場で取水停止が相次ぎました。
 うち千葉県では流山市の北千葉浄水場、野田市の上花輪浄水場、松戸市の栗山浄水場で、基準値を超えたため取水が停止されました。この影響で、野田市では19日午前中から市内のほぼ全域に当たるおよそ4万6000世帯で断水しているほか、柏市では市内すべてのおよそ15万世帯、流山市ではおよそ6万8000世帯、八千代市ではおよそ3万8000世帯、我孫子市ではおよそ3万5000世帯が断水していて、合わせて33万世帯余りに生活への影響が出ています。断水により、千葉県内の自治体は給水所を設けて対応しています。
 その後、取水を停止した浄水場のうち最も大きい北千葉浄水場が午後5時半ごろに取水を再開し、午後6時すぎには断水している5つの市への送水を再開しました。このため、5つの市への水の供給が再開される見通しで、それぞれの市によりますと、家庭で水が使えるようになるのはいずれも早い地域で、流山市と八千代市は午後7時ごろから、柏市が午後11時ごろから、野田市は午前4時ごろになる見通しで、我孫子市は時間を検討しているということです。
 一方、松戸市にある栗山浄水場と、埼玉県行田市にある行田浄水場、それに群馬県千代田町にある群馬県の東部地域水道事務所の浄水場は、基準値を下回ったため19日午前中までに取水を再開しました。
 ホルムアルデヒドは、合成樹脂や防腐剤、農薬など非常に広い用途に使われる化学物質。シックハウス症候群の原因物質の一つで、有害性もあり、吸入すると目や鼻が強く刺激されるほか、濃度が高いと呼吸困難も引き起こします。また、発がん性もあり、使用に当たってはさまざまな規制が行われています。
 国土交通省関東地方整備局は、「これほど広範囲での検出は過去に例がない。各自治体と連携して原因の究明を急ぎたい」としています。

 2012年5月19日(土)




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