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■大腸がん、1滴の血液で早期に発見 神戸大などが成功 [健康ダイジェスト]

 神戸大は13日、同大学院医学研究科の吉田優准教授(消化器内科学)らの研究グループが、1滴の血液で大腸がんを早期に診断できる「バイオマーカー(生物学的指標)」を発見したと発表しました。
 これまで使われている腫瘍マーカーなどは、初期の大腸がん患者への感度が低く、早い段階で正確に診断できませんでした。研究グループでは、「5年以内の実用化を目指したい」としています。
 バイオマーカーは、病気を発症した際や薬を飲んだ際、体内に現れる生物学的変化を定量的に把握するための指標。特定の病気や体の状態に相関して変化する量を測定し、治療の効果を確かめたり、疾患の予防などに活用したりします。
 研究グループでは、混ざり合った複数の成分を分離する高精度の質量分析装置を使い、大腸がん患者60人と健常者60人の各血液中の代謝物質「メタボローム」の解析を実施。アミノ酸の一種「アスパラギン酸」など4種類の物質について、いずれも大腸がん患者のほうが平均2~3倍多いことを発見しました。
 この4種類のバイオマーカーに基づいて大腸がんの診断予測式を作成し、別の大腸がん患者60人と健常者60人で、がんの有無の確率を見ました。その結果、既存の腫瘍マーカーでは診断が困難だった切除可能な早期大腸がんでも、80パーセント以上の確率で大腸がんと診断することができました。1~2時間かかっていた検査時間も、30分に短縮できるといいいます。
 大腸がんは食事の欧米化などに伴って増加傾向で、国内では年間約4万5000人(2010年)が死亡。肺がん、胃がんに続き、がんによる死因の3位となっています。
 吉田准教授は、「従来の血液検査より正確に診断できる。今後、4種類の物質を使ってさらに簡単に診断できる機器を医療メーカーとともに作り、実用化させたい」とし、「必要な代謝物質の組み合わせにより、胃がんや膵臓がん、うつ病や糖尿病などさまざまな疾患の診断に応用できる可能性がある」と話しています。
 検査に必要な血液量は1滴ほどと少量で、患者の負担は軽くなります。費用や診断に必要な時間も、これまでより半分以下に抑えられる見込みです。

 2012年7月13日(金)




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