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■米FDA、HIV感染予防薬を世界で初めて承認 [健康ダイジェスト]

 米食品医薬品局(FDA)は16日、抗レトロウイルス薬「ツルバダ」について、エイズウイルス(HIV)感染予防薬として使用することを世界で初めて承認しました。
 FDAは、本薬の処方前に服用者がHIVに感染していないことの確認が必要だと警告するとともに、本薬を他の安全策と組み合わせて使用するように注意を促しています。
 ツルバダは米カリフォルニア州の製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発した医薬品で、2004年にエイズ治療薬としてFDAに承認され、ほかの治療薬と組み合わせて服用されています。同社によると、HIV感染予防薬の承認は世界初。
 エイズの死者は治療薬の普及により減少していますが、米国ではHIV感染者数が年間5万人増加しています。FDAのハンバーグ局長は、「エイズに対する戦いの中で、今日の承認は重要な節目となるものだ」との声明を発表しました。
 ツルバダは日本でもエイズ治療薬として販売されていますが、ギリアド社によると、米国以外で予防薬としての申請はしていません。
 予防効果については、HIV感染者をパートナーに持つ非感染者がツルバダを服用すれば、最大96パーセントの確率で感染を予防できることが大学などの研究で示されていました。FDAによると、片方がHIV感染者の男性同性愛者や異性愛カップルを対象とした調査の結果、非感染者がツルバダを毎日服用した場合に、HIVに感染する危険が4分の1に減りました。
 予防薬としての利用は、パートナーがHIV感染者の場合など、感染リスクの高い人が対象。毎日の服用が必要で、年間約1万4000ドル(約110万円)かかるといいます。
 しかし、エイズ専門家の中には、HIV感染を防ぐためにはツルバダだけでなく、コンドーム使用などの安全策も組み合わせる必要があると強調する人もいます。
 FDAの関係者も、セーフセックス、リスク軽減のカウンセリング、定期的なHIV検査といった他の安全策との組み合わせにより、「エイズやHIVに感染するリスクを低減できる」と語りました。予防薬としての処方に際しては、HIVに感染していないことの確認を求める方針。
 一方、米国のエイズ団体「エイズヘルスケア財団」は今回の決定について、「FDAはHIV検査を実際に求めておらず、検査の必要性を単に警告欄に表示しただけだ」「結果としてこれまでのHIV感染予防の取り組みが台無しになりかねない」と指摘。「新たに感染したり、薬に対する耐性ができたり、深刻な副作用に見舞われる人が大量に発生することになる」と危機感を示しています。

 2012年7月17日(火)




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