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■ノロウイルスに変異 全国で大流行の恐れも [健康ダイジェスト]

 感染性胃腸炎の主な原因となるノロウイルスで今年、新しい遺伝子変異のあるものが全国に広がっていることが確認され、専門家は「大きな流行を引き起こす恐れがある」と注意を呼び掛けています。
 感染性胃腸炎の主な原因となるノロウイルスには、さまざまなタイプがありますが、ここ数年は、2006年に全国で大きな流行を引き起こしたものがほとんどを占めてきました。
 ところが、新潟県長岡市の2つの福祉施設で10月に集団発生した感染性胃腸炎で患者から検出されたノロウイルスを分析したところ、これまで確認されていない新しいタイプであることがわかったということです。
 分析に当たった国立医薬品食品衛生研究所は、感染しやすさを決める遺伝子の特定の部分に、これまでのウイルスにない変異が見付かったとしています。
 その後、各地で同じ変異のあるウイルスが次々と見付かり、これまで北海道や東京都、千葉県、新潟県、大阪府、広島県、島根県、大分県、沖縄県など少なくとも9つの都道府県に広がっていることが確認されているということです。2006年の感染性胃腸炎の大流行も、こうした遺伝子変異が切っ掛けとみられています。
 国立医薬品食品衛生研究所の野田衛室長は、「今シーズン、健康な大人でも胃腸炎を発症する例が目立っているのは、新しいタイプのウイルスに対する免疫がないためと考えられる。大きな流行を引き起こす恐れがあり、注意が必要だ」と話しています。
 その新しいタイプのノロウイルスは香港でも8月に検出されており、国立感染症研究所では「世界的にも流行が拡大しているのではないか」と推測しています。
 なお、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行はすでに本格化し、1週間の患者数は去年のピークを上回ってさらに増えるとみられています。
 国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科の医療機関から報告される感染性胃腸炎の患者は6週連続で増加し、先月25日までの1週間で1施設あたり13・02人となりました。これは去年のピークをすでに上回り、この10年では全国的な大流行となった2006年に次ぐ多さです。
 都道府県別では、宮崎県が31・19人と最も多く、鹿児島県が27・15人、福井県が23・32人などとなっていて、九州や北陸を中心に本格的な流行となっています。
 この時期の感染性胃腸炎の大半はノロウイルスが原因で、特に乳幼児や高齢者では激しい下痢や嘔吐を繰り返し、脱水症状が進んで重症化することもあります。
 ノロウイルスはわずか数個でも感染を引き起こすことから、下痢や嘔吐などの症状のある人が出た場合、マスクや手袋をした上で、周囲を塩素系の消毒剤でふき取ることが有効とされています。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「今年は、幼い子供や高齢者が過ごす施設での集団発生で、健康な大人も発症している例が目立っている。流行のピークはこれから年末にかけてとみられ、手洗いなど感染の予防を徹底してほしい」と注意を呼び掛けています。

 2012年12月5日(水)




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