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■レジオネラ菌で4人入院 埼玉県日高市の温泉施設 [健康ダイジェスト]

 埼玉県は11日、埼玉種畜牧場・サイボクハムが運営する日高市下大谷沢の入浴施設「サイボク天然温泉 まきばの湯」を利用した男女4人がレジオネラ症を発症し、全員が発熱や肺炎、呼吸困難などの症状で現在も入院中と発表しました。うち1人は重症といいます。
 県によると、4人は東京都の50歳代男性、埼玉県川越市の60歳代男性、埼玉県坂戸市の70歳代女性、大阪市の80歳代女性。先月19~28日、別々に施設を利用し、先月26日~今月5日にかけて発症しました。
 県が今月1日、施設の湯を採取して調べた結果、一部から基準を上回るレジオネラ菌が検出されました。患者の菌と同一かどうか調査を進めています。
 同県の狭山保健所が営業自粛を要請し、運営会社のサイボクハムは今月6日から施設の営業を自粛、11日からは全施設の営業を無期限停止しています。原因が究明されるまで継続する方針。
 県によると、まきばの湯の場合、条例で定められた定期検査を年1回以上行う必要があり、直近では今年9月21日に実施した時点では、レジオネラ菌は不検出だったといいます。
 サイボクハムは「湯は掛け流しで、毎日入れ替えている」と説明。11日に会見した幹部は「患者の方の1日も早い回復をお祈りしています」、「消毒方法や入浴の仕方、施設そのものに問題がないかなど原因を究明したい」と話しています。
 まきばの湯は2004年にオープン、年間約30万人の利用客がいます。泉質にこだわり、一般的な塩素消毒ではなく、銀イオンで消毒していたといいます。
 レジオネラ症は、循環水を利用した風呂に入浴した際などに、レジオネラ・ニューモフィラに代表されるレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(小さな水滴)を、 気道から吸入することで発病する感染症です。劇症型のレジオネラ肺炎と、一過性のポンティアック熱に大別されます。
 レジオネラ属菌はもともと、土の中、河川、湖沼など自然界に広く生息している菌であり、温水タンク、給水塔、冷却塔などの人工環境においても、配水管のバイオフィルム(ぬめり)に生息するアメーバなどの微小生物に寄生し、増殖しています。20~50℃の水温で生育し、最も増殖に適した温度は36℃前後といわれています。
 レジオネラ肺炎は発熱、呼吸困難、筋肉痛、下痢などの症状が出て、発症はまれでも、急激に重症化することが少なくありません。一方、ポンティアック熱は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などの症状が出ますが、一般に数日で自然に治ります。 
 高齢者、乳幼児、糖尿病患者、慢性呼吸器患者、免疫不全者などの抵抗力が低下している人や、健康な人でも疲労などで体力が落ちている人が発病しやすいといわれています。人から人へ感染することはありません。
 国や地方公共団体の調査によると、公衆浴場、旅館などの入浴施設では、衛生管理が徹底していない循環式浴槽、循環浴槽水を利用した気泡発生装置付浴槽・ ジェット噴射装置付浴槽、打たせ湯、足湯、ビルなどの一般施設では、給水塔、冷却塔、給水・給湯設備などが、レジオネラ症の感染源として報告されています。
 家庭においても、エアロゾルを発生させる24時間風呂や加湿器などの衛生管理を徹底しないと、感染源となることがあります。

 2012年12月12日(水)




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