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■温室効果ガスの平均濃度、過去最高を更新  世界気象機関が発表 [健康ダイジェスト]

 世界気象機関(WMO)は、世界各地で観測された地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスの平均濃度が、昨年も上昇を続け、観測史上最も高かったと発表しました。
 WMOは地球温暖化の監視のために、世界の気象当局や研究機関が観測している二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスのデータを分析し、世界の平均濃度をまとめており、9日、昨年の解析結果を公表しました。
 それによりますと、地球温暖化に大きな影響を与える二酸化炭素の昨年の世界の平均濃度は397・7ppmと、一昨年より1・9ppm高く、世界各地で観測を始めた1984年以降上昇を続け、これまでで最も高くなりました。年間の平均の増加量も、昨年までの10年間ではおよそ2・06ppmと、1990年から1999年までの10年間の平均のおよそ1・5ppmと比べて拡大しています。
 ほかの主要な温室効果ガスも、メタンの平均濃度は1833ppb、一酸化二窒素の平均濃度は327・1ppbと、いずれも昨年を上回り、最も高い値を更新しました。
 WMOのミシェル・ジャロー事務局長は声明で、「我々は恐るべき速度で未知の領域へと進んでいる」と警告しました。今回の結果は、今月30日からフランスで開かれる国連の会議、COP21に提出されるということです。
 気象庁の小出寛全球大気監視調整官は、「二酸化炭素などの削減が叫ばれる中でも大きく増加する傾向が続いており、削減に向けた取り組みが一層求められる」と話しています。
 気象庁によりますと、大気中に放出された二酸化炭素の増加によって、二酸化炭素が海水に溶けることで起きる「海の酸性化」も進行し、今後、海の生態系への影響などが懸念されています。海の表面だけでなく、水深150メートルから800メートルほどの場所でも酸性化が進んでおり、こうした傾向が続けば海洋の生態系への影響などが懸念されるとしています。
 気象庁はこれまで、船による観測データをもとに海の酸性化などを調べていましたが、今回、新たに海外の機関の観測データも加えて北西太平洋の海中の酸性化の状況を解析。それによりますと、これまで指摘されていた海水面近くに加え、水深150メートルから800メートルほどのやや深い場所でも、1990年以降酸性化が進んでいることがわかったということです。
 10年当たりの変化は同じ経度では、北へ行くほど変化の幅が大きいということで、亜熱帯の北部で人が排出した二酸化炭素の量が多いことと一致しているということです。
 気象庁によりますと、このまま海水の酸性化が続くと、将来的にはプランクトンや貝、それにサンゴなどの成長が妨げられるなど、海中の生態系などに影響を及ぼすことが懸念されるということで、今後、さらに監視を続けることにしています。

 2015年11月10日(火)




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