SSブログ

■膵臓の細胞増やして移植、マウスで糖尿病治療に成功 東京大学・医科学研究所 [健康ダイジェスト]

 糖尿病の根治へ向け、インスリンを作る膵臓(すいぞう)の膵島細胞を増やす新たな手法の開発に成功したと、東京大学の医科学研究所が11日発表しました。
 糖尿病は膵臓からのインスリン分泌が不足することで発症しますが、インスリンを作る膵島細胞は生後すぐに増殖が止まってしまうため、インスリン分泌に支障が生じても再生させることができません。
 東大医科学研究所の山田泰広教授(実験病理学)らの研究チームは、マウスを使った実験で、出生前後に膵臓で活発に働くMYCL(ミック・エル)という遺伝子が膵島細胞の増殖にかかわっていることを発見。MYCL遺伝子を働かせることにより、大人のマウスの膵臓の膵島細胞を増やすことに成功しました。
 試験管内で増殖させた膵島細胞をマウスに移植することでも、糖尿病の症状が改善されたということです。
 試験管レベルでは、脳死ドナーから提供された人の膵臓の膵島細胞がMYCL遺伝子により増殖することも確認されたということで、山田教授らは5年後をめどに、増殖させた膵島細胞を糖尿病患者に移植する臨床応用を始めることを目指すとしています。
 脳死ドナーから提供された膵島細胞の移植はすでに保険診療の対象となっていますが、ドナーが少ないため一般的な治療にはなっていません。また、iPS細胞などから膵島細胞を作る研究も行われていますが、十分な治療効果が得られていません。
 今回のMYCL遺伝子を使って膵島細胞を増やす方法では「がん化」のリスクも低いとみられるということで、山田教授は「マウスの実験の段階だが糖尿病の治療を置き換える可能性がある知見だと思う。一日も早く患者の役に立てるよう研究を進めたい」と話しています。
 この内容は科学誌「ネイチャー・メタボリズム」に掲載されました。

 2022年2月11日(金)




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。