■病気 心臓神経症 [病気(さ行)]
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心臓神経症とは、心臓病によくみられる胸痛、動悸(どうき)、息切れ、呼吸困難、めまいなどの循環器症状を示しているにもかかわらず、心臓を検査しても器質的、機能的な異常が何も見付からないものをいいます。
その際、胸痛などの症状のほかに、手足のしびれ、疲れやすい、頭痛、不眠、不安など、多彩な症状を伴うのが普通です。心臓病というよりはむしろ、心の病気というほうが正しいといえます。別名は、神経循環無力症。
なお、心臓に何らかの病変がある場合は、器質的心臓病といいます。相当するのは、心筋梗塞(こうそく)や弁膜症、先天性心臓病など。また、器質的な病変はないが、心臓の働きに異常があって症状が出る場合は、機能的心臓病といいます。相当するのは、多くの不整脈や貧血に由来するものなど。
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心臓神経症の症状として、ほとんどの人が胸痛を訴えます。胸の痛みは一見、狭心症や急性心筋梗塞の症状と似ていますが、よく調べると、多くの点で性質に違いがあることがわかります。
心臓神経症で感じる胸痛は、「ズキズキ」とか「チクチク」と表現されるようなもので、左胸の狭い範囲に痛む部分が限られていて、手で圧迫すると痛みが強くなるという点が特徴です。この痛みは、運動したり、興奮したりしている時ではなく、一人で静かにしている時におおかた現れます。持続時間が長いのも特徴の一つで、長い時は1日中続くこともあります。狭心症で使う硝酸薬も効きません。
心臓神経症で感じる息切れも、心不全の場合と違って、「息が詰まる」、「息が十分に吸えない」、「ため息が出る」などの症状が、運動時よりもむしろ安静時に生じます。
心臓神経症の呼吸症状の中で、過換気症候群を伴う場合もあります。若い女性に多く、浅くて速い過呼吸のために、急性呼吸性アルカローシスを起こして、血液中の炭酸ガス(二酸化炭素)が少なくなるために、しびれやめまい、失神を生じるものです。
感じる動悸は、心臓のリズムが増加する洞性頻脈がほとんどで、不安や心配などの精神的緊張によって起こります。頻脈を強く意識し、心配すると、余計に脈は速くなるという悪循環に陥ります。多少の不整脈(期外収縮)、まれに発作性上室性頻拍を伴った時も、同じことです。
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この心臓神経症は、神経症的な素因や体質を持っている人、とりわけ無力性体質の人に、起こりやすいと見なされています。人間の体は神経系の働きによって、うまく平衡が保たれ、恒常性を維持するとともに、運動、発熱などにうまく対応していますが、無力性体質の人は神経系の働きが十分でなく、わずかな体の変化や周囲の変化についてゆけず、易疲労感や動悸、息切れなどの症状が現れます。
また、子供から手が離れ、暇な時間ができたために自分の体の状態が気になるようになった女性、親しい人を心臓病で亡くして、心臓病や突然死に対して恐れや不安を抱いている人などにも、よく起こります。
発症の原因としては、心臓病に対する極度の不安感、心身の過労、ストレス、精神的葛藤(かっとう)などが考えられます。不安感、過労などは心臓の働きを活発にする交感神経を刺激しますので、心拍数が増え、動悸を強く感じたりします。一度こうした症状を感じると、その不安が徐々に大きくなるにつれて、胸痛、呼吸困難、めまいなど、より大きな症状を感じるようになってしまうのです。
心電図検査で、ささいで意味のない変化や、心配する必要のない不整脈を指摘されたことがきっかけとなる場合も、少なくありません。
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内科、神経内科などの医師による治療においては、まず一般的な心臓病の検査を行い、心臓の病気の有無を判断します。さらに、胸膜の病気や食道けいれんなど胸痛の原因となる病気の有無について調べ、それらが除外されて初めて心臓神経症と診断されます。
胸痛発作を強く訴える人で、狭心症との区別が難しい場合には、ニトログリセリン舌下錠を処方して、胸痛発作が起きた時に服用してもらい、その時の薬の効き具合をみることで診断する場合もあります。
心臓神経症の原因は心の問題なので、症状が起こる仕組みをよく説明して納得してもらうと同時に、症状を引き起こしている原因が何であるのかを調べ、それに対するアドバイスをします。
症状が強い場合には、心臓の働きを抑えるβ(ベータ)遮断薬や精神安定薬が処方されることもあります。
これらの治療を行っても症状が続く場合には、心療内科や精神神経科の医師の診察が必要になります。
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