■病気 顕微鏡的多発血管炎 [病気(か行)]
全身の細い血管に炎症が起こる疾患
顕微鏡的多発血管炎とは、全身の毛細血管や細動動脈、細動静脈といった細い血管の血管壁に炎症が起こる疾患。細い血管にのみ血管炎が起こる本症は、中小動脈にのみ血管炎が起こる結節性多発動脈炎から近年、分離されて独立したものです。
男性にやや多く、50歳以上の高齢者に好発します。欧米に比べて比較的頻度が高いようで、日本全国の年間発生数は約1400人と推定され、国の特定疾患(難病)に指定されています。
原因は、結節性多発動脈炎と同じようにいまだ不明です。しかし、ウイルス感染や大気汚染などが誘因として考えられており、好中球細胞質の酵素に対する抗好中球細胞質抗体(自己抗体)が血液検査で認められることから、他の膠原(こうげん)病と同様に、免疫異常が背景に存在すると考えられています。
症状としては、全身の細い血管の血管壁に炎症を起こして、出血したり血栓を形成したりするため、障害が起こった血管の還流臓器や組織が壊死したり、虚血を来したりします。初発症状としては、高熱が出て、関節痛、筋肉痛が起こり、体重減少、全身の消耗などがみられます。
特徴的なのは、腎(じん)臓の機能が急速に悪化する急速進行性の腎炎と、肺に間質性肺炎や肺出血がみられることです。その他、網目状の発疹(はっしん)が出る、紫斑(しはん)が出る、末梢(まっしょう)の神経障害が出るなど血管炎の症状がみられます。高血圧、心不全、脳出血、脳梗塞(こうそく)、腹痛、下血なども認められます。
顕微鏡的多発血管炎の検査と診断と治療
顕微鏡的多発血管炎は結節性多発動脈炎と同様、生命や臓器不全の危険性があるので、専門医の意見を聞いて入院治療を受けることが重要です。早期診断、早期治療が望まれますので、膠原病内科、腎臓内科などを受診します。
診断に重要な検査は、抗好中球細胞質抗体の検索、皮膚・筋肉などの生検、血管造影。区別すべき病気は、他の血管炎および膠原病です。
治療は、結節性多発動脈炎とほぼ同じ治療が行われます。腎臓や肺などの重要臓器に血管炎による障害がみられる場合、入院して、大量の副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)で治療を開始し、以後、血管炎の再燃に配慮しながら薬の量を減らしていきます。同時に免疫抑制剤薬が用いられます。
腎障害が高度に進行してしまった場合は腎不全になり、血液透析が必要となることがあります。治療に反応せず、臓器障害が進行したり、感染症を併発してさらに病状が悪化する危険性もありますので、感染症予防が大切となります。
診断6カ月未満の死亡率が高くなっていて、予後は決してよいとはいえません。感染症、肺出血、腎不全が主な死亡原因です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
顕微鏡的多発血管炎とは、全身の毛細血管や細動動脈、細動静脈といった細い血管の血管壁に炎症が起こる疾患。細い血管にのみ血管炎が起こる本症は、中小動脈にのみ血管炎が起こる結節性多発動脈炎から近年、分離されて独立したものです。
男性にやや多く、50歳以上の高齢者に好発します。欧米に比べて比較的頻度が高いようで、日本全国の年間発生数は約1400人と推定され、国の特定疾患(難病)に指定されています。
原因は、結節性多発動脈炎と同じようにいまだ不明です。しかし、ウイルス感染や大気汚染などが誘因として考えられており、好中球細胞質の酵素に対する抗好中球細胞質抗体(自己抗体)が血液検査で認められることから、他の膠原(こうげん)病と同様に、免疫異常が背景に存在すると考えられています。
症状としては、全身の細い血管の血管壁に炎症を起こして、出血したり血栓を形成したりするため、障害が起こった血管の還流臓器や組織が壊死したり、虚血を来したりします。初発症状としては、高熱が出て、関節痛、筋肉痛が起こり、体重減少、全身の消耗などがみられます。
特徴的なのは、腎(じん)臓の機能が急速に悪化する急速進行性の腎炎と、肺に間質性肺炎や肺出血がみられることです。その他、網目状の発疹(はっしん)が出る、紫斑(しはん)が出る、末梢(まっしょう)の神経障害が出るなど血管炎の症状がみられます。高血圧、心不全、脳出血、脳梗塞(こうそく)、腹痛、下血なども認められます。
顕微鏡的多発血管炎の検査と診断と治療
顕微鏡的多発血管炎は結節性多発動脈炎と同様、生命や臓器不全の危険性があるので、専門医の意見を聞いて入院治療を受けることが重要です。早期診断、早期治療が望まれますので、膠原病内科、腎臓内科などを受診します。
診断に重要な検査は、抗好中球細胞質抗体の検索、皮膚・筋肉などの生検、血管造影。区別すべき病気は、他の血管炎および膠原病です。
治療は、結節性多発動脈炎とほぼ同じ治療が行われます。腎臓や肺などの重要臓器に血管炎による障害がみられる場合、入院して、大量の副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)で治療を開始し、以後、血管炎の再燃に配慮しながら薬の量を減らしていきます。同時に免疫抑制剤薬が用いられます。
腎障害が高度に進行してしまった場合は腎不全になり、血液透析が必要となることがあります。治療に反応せず、臓器障害が進行したり、感染症を併発してさらに病状が悪化する危険性もありますので、感染症予防が大切となります。
診断6カ月未満の死亡率が高くなっていて、予後は決してよいとはいえません。感染症、肺出血、腎不全が主な死亡原因です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:結節性多発動脈炎 顕微鏡的多発血管炎 アレルギー、膠原病 病気(か行) 病気 健康創造塾 解離性大動脈瘤 仮面高血圧 顆粒球減少症 HTLV−1関連脊髄症(HAM) 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎) 過敏性血管炎 早朝高血圧 菌血症 末梢動脈疾患(PAD) 食道静脈瘤 肺塞栓、肺梗塞 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎) ビュルガー病 出血性貧血 失血性貧血 二次性貧血 特発性脱疽(バージャー病) 特発性心筋症 動脈管開存症(ボタロー管開存症) 多血症(赤血球増加症) 大動脈瘤 大動脈縮窄症 大動脈炎症候群 大血管転位症 先天性心臓病 成人T細胞白血病(ATL) 精索静脈瘤 心膜炎 心内膜炎 心臓ぜんそく 心臓神経症 血友病 キャッスルマン病 続発性貧血 赤血球増加症 肺高血圧症 起立性低血圧症 脈なし病 高安病 深部静脈血栓症 ボタロー管開存症(動脈管開存症) 原発性心筋症 旅行者血栓症 慢性リンパ性白血病 二次性赤血球増加症 真性多血症 本態性血小板血症 続発性赤血球増加症 ロングフライト血栓症 血栓性静脈炎
コメント 0