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■肉体の充実こそが根源 [やる気を出す]

■食事は腹八分目くらいにとどめておかないと、大事な仕事に臨んで、しくじることにもなりかねない。■
 ここまで、やる気を鼓舞するための各種の方法を述べてきたが、人間はいくらやる気を出そうとしても、肉体的条件が整っていなければ、意思だけではどうにもならぬことも、忘れないでもらいたい。
 「歯が痛い」、「目が悪い」、「頭痛がする」ような状態では、どうしてもやる気は半減してしまう。それほど、肉体と精神は密接に結び付いている。
 体調の悪い人に「身を入れて仕事をしろ」などと叱っても、それはもう仕事というよりも、難行苦行に近いものだろう。何はともあれ、病気や体の不調は治してしまう以外にないし、日常から自分の体調をよく心得て、肉体を十分に整えておくことも必要。
 どういう状態の時に、心身がすっきりして、仕事や勉強に打ち込めるかをつかんでおくことも、やる気を出す上で大切なのだ。
 悪い例を挙げれば、「腹も身の内」という暴飲暴食を戒める言葉を顧みず、「早飯も芸の内」とばかりに、よく噛みもせずに食事を詰め込むという人は、自分の体調のことを何も考えていない。
 満腹状態というのは、生理的欲求が満たされて、精神の活動が鈍くなっている状態でもあり、とても仕事に向かう瞬発力など生まれてこない。「では空腹がよいか」というと、これまた本能的に食餌(しょくじ)行動の欲求が起こり、集中力は出てこない。
 生理学的には、満腹時から空腹時に移る、程よいおなかのすき具合の時に、思考活動が高まるメカニズムになっている。食事は腹八分目くらいにとどめておかないと、大事な仕事に臨んで、しくじることにもなりかねない。
 そこで、食事の際には、適量の食べ物をよく噛んで食べることが、真に大切。よく噛めば、おのずと腹八分目の限度がわかってくる。腹八分、バランスのとれた物を少しずつ、食べることである。淡白に味をつけた小食をよく噛めば、真にそのものの味が出る。
 よく噛んで食べれば、腹いっぱい食物を押し込まずとも、少なめの量で栄養分が必要なだけ吸収されるものであるし、そのほうが胃に負担にならず無駄もないし、力も出るものである。
 加えて、よく噛んで食べれば、あごの筋肉の伸縮で大脳を刺激する信号が送られ、ストレス解消にも有効なのである。
■体調を整え、心身の健康を保つためには、夜は早く寝るということに理がある。心身が健康であれば、眠りは自然であり、自然な眠りによって健康も促進される。■
 私たち人間の頭脳について、朝起きてから二、三時間後くらいに活発に働き出すのが一般的だといわれるが、人それぞれの個人差もある。
 やる気の出やすいコンディションでいようと思うなら、起きてから何時間たてば、人の話を聞いたり、書類を見た時に正確に反応するかくらいは、自分で確かめておいたほうがいいだろう。
 会社によっては毎朝のように、朝礼があるところもあり、起き抜けで参加するのと、自分が一番いい状態で参加するのとでは、話を消化する量に大変な差が出てしまう。どうしても頭が働かないようなら、朝早く起きて軽い運動してから会社に出る、夜は絶対に十二時前に寝るなど、ライフスタイルを変えていく必要もあろう。
 ともかく、体調を整え、心身の健康を保つためには、夜は早く寝るということに理がある。心身が健康であれば、眠りは自然であり、自然な眠りによって健康も促進される。
 本来、夜は仕事をしないで体を休め、宇宙天地大自然に生かされているという自然の順序に任せて生きれば、誰でも、日が暮れたという宇宙の構造、仕組みからいって、眠気を催すのが当然である。眠気がきたら、その眠気がゆきすぎないうちに、その眠気に乗って眠る。これは、宇宙からのお誘いであると考えなければならない。
 眠りの時間は、生かしてくれるほうの親船である宇宙全体生命の中に融け込めば、一切の精神的な悩みも、肉体的な疲れも、みなこの中でゼロにしてくれる大変な時間なのである。
 人間が自分の努力で、精神的な悩みや苦しみ、沈んだ気持ちを転換しようとしても、簡単に自分で自分の気分を転換することはできない。その時に眠ることができたら、いっぺんに気分は転換する。だから、眠れないという人は、一番気の毒である。
 おなかがすいていれば食べ物がうまいように、眠れない人は昼間、懸命に働くことである。運動をすることである。疲れるまで体を使わなくてはいけない。
 「熟睡できないから」といって、睡眠薬や寝酒に頼っては、自然な眠りは得られない。習慣化すれば、体にも悪い。要するに、眠りの質が問題なのである。
■一カ月の三十日前後を幾日、理想的に眠れたかということで、その人の人生の勝負は決まる。その人のやる気や、価値や、幸福の度合いが決まる。■
 現代の日本では、人々の眠りの質が悪化する一方であり、不眠症の悩みを抱えている人々も多いようである。そこで、いくつか、不眠症の克服法を紹介しよう。
 食事の時間帯と量に、問題はないだろうか。就寝前に食べたり、食べすぎたりするのは、眠りの妨げになる。食事時間を早くするか、夕食を軽めにして朝食の量を増やす配慮が、ぜひ必要である。
 しかし、あまり空腹でも眠れないもの。その時は、温かい牛乳を飲むといい。牛乳には、神経の興奮を静めるカルシウムが豊富で、消化が早く、吸収率が高いという長所がある。牛乳中に含まれるトリプトファンというアミノ酸が、脳睡眠中枢を刺激して、自然に眠りを誘うという働きもある。
 次には、テレビや刺激的な音楽、読書なども、就寝の二時間前には避けるようにする。音楽は静かで、ゆったりした曲で、心が安らぐなら効果的。
 神経が高ぶり、どのように工夫しても眠れない夜には、無理に寝ようとせず、寝床の中で体を休めていればよい。仕事内容が精神労働のほうに片寄っていて、肉体が眠りを必要とせず、精神だけが疲労していると、眠いようで眠れないという現象が起こることもあるのだ。
 この時は、腹式呼吸、丹田呼吸が役立つ。息を腹から出すつもりで、ゆっくり、ゆっくり吐いていると眠れる。静かに瞑想するのも効果的である。
 夜は何を置いても、どんなに忙しくても、眠ることである。一カ月の三十日前後を幾日、理想的に眠れたかということで、その人の人生の勝負は決まる。その人のやる気や、価値や、幸福の度合いが決まる。これは、人生において最も基本的な重大問題である。
 ビジネスマンの場合、「とりわけ日曜日の夜が寝付けない」という調査結果も、見聞するところ。明日からの仕事を考える精神的重圧が災いしてのことであり、家庭で体を休めたはずの翌日、月曜日の集中度が、それほど高くなっていないのである。
 ビジネスマンの一週間の集中度調査によると、火曜日を最高に週末に向けて下がっていき、休みの前日になると少し元気を取り戻すという結果が出ている。
 ならば、仕事で大事な人に会う時のアポイントは、月曜よりも火曜に設定したほうがよいということになる。元気が回復する週末に、会う約束を設定するのもいい。
 では、「集中力や元気が出ない日には、どう対処すればいいのか」というと、歩くという簡単な運動を実行すればいい。先にも述べたように、朝や昼休みを利用して十五分ほど歩くことは、大脳に刺激を与え、全身の細胞を活性化し、気持ちを新鮮にさせるもので、やる気の出やすい肉体的環境を作るのに適している。




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