■用語 いびき [用語(い)]
睡眠中、呼吸に合わせて発生する異常音
いびきとは、睡眠中、呼吸に合わせて発生する異常音のこと。異常音には、鼻やのどの空間が狭いため空気が通過する際に起こる摩擦音と、のどちんこともいわれる口蓋垂(こうがいすい)や、咽頭(いんとう)の粘膜などが振動して起こる振動音があります。
目覚めている時の呼吸の音は、近くにいる人でもほとんど聞き取れません。通常、鼻や口から吸い込まれた空気は、スムーズに肺まで達します。ところが、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなっていると、呼吸に合わせて乱気流が起こって摩擦音が出ます。また、空気が口蓋垂や、上あごの奥のほうの軟口蓋(なんこうがい)、咽頭を振動させて、振動音を出すこともあります。さらに、これらの摩擦音と振動音が、のどや鼻で共鳴して大きないびきとなるのです。
気道が狭くなる原因には、舌が大きい、下あごが小さい、首が太くて短い、扁桃腺(へんとうせん)ともいわれる口蓋扁桃が大きい、アデノイドともいわれる咽頭扁桃が大きい、口蓋垂が長い、鼻が詰まっている、口呼吸をしている、口の周りの筋肉である口輪筋が弱いなどが挙げられます。
ほかにも、いびきをかきやすくなる要因が、いくつかあります。子供がいびきをかいている場合には、鼻の病気のために鼻が詰まって口呼吸になっているか、アデノイドが大きいために、のどの気道が狭くなっていることがよくあります。高齢者では、舌やのどの筋肉が弱くなるために、仰向けに寝ていると舌がのどに落ち込んで、気道が狭くなります。肥満していることも、いびきの危険因子です。日本人はもともと、口やのどの体積が小さいので、少し太っただけでものどに脂肪がついてしまい、気道が狭くなりやすいのです。
いびきは男性のものという印象がありますが、女性でも悩んでいる人が結構います。いびきをかく人は男性の約40パーセント、女性の約15パーセントという調査結果もあります。いびきをかく女性は、あごが小さいことが多いようです。
ふだんの睡眠中はいびきをかかないのに、特別な時だけいびきをかくことがあります。肉体的あるいは精神的な疲れがたまってくると、それを回復しようとして深い睡眠が多くなります。舌やのどの筋肉は、深い睡眠の時に最も緊張がなくなるので、舌がのどに落ち込んで気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
酒を飲んだ時にだけ、いびきが出る人もいます。二日酔いの日には顔がむくみやすいように、アルコールは体に水分をためる働きがあります。酔って眠っているうちに、のどもむくんできて気道が狭くなるため、いびきをかいてしまうのです。
また、旅行や出張などでホテルに泊まった時だけ、いびきを指摘される人もいます。ホテルの部屋は湿度が低く、鼻やのどが乾燥しやすくなっています。鼻が乾くと鼻呼吸がしにくくなり、口を開けての口呼吸となります。口を閉めていた間は上あごと下あごに挟まれていた舌が、口を開けることでのどに落ち込みやすくなって、いびきをかいてしまいます。
周囲の迷惑は別にして、本人がグッスリ眠れて、翌日も支障なく過ごせるようないびきを、単純いびき症、あるいは原発性いびきといいます。枕の高さや寝る向きを変えたり、市販の簡単なグッズを使ったりするだけで、いびきが軽くなることがよくあります。
鼻やのどの空気の通りをよくすることで、睡眠中のいびきを改善することができるお手軽なグッズは、インターネットや通販以外でも数多く扱われるようになりました。鼻の上からテープで鼻腔を広げるタイプや、鼻の中に入れて鼻腔を広げるタイプは、鼻炎や花粉症などの人にも有効です。睡眠中の呼吸が楽になるため、熟睡感が得られて体調もよくなるというケースが多いようです。
また、枕の高さも気道確保のためには重要なポイントです。横になった時にあごが上がらず、首が真っすぐになる高さのやや硬めの枕を選ぶようにしましょう。最近では、いびきセンサーが付いている枕も市販されています。
大いびきの後、呼吸がしばらく止まる。ベッドパートナーが心配して見守っていると、再びいびきが始まる。このようなことが毎晩、何回も繰り返されるような時は、要注意です。睡眠時無呼吸症候群という病気の可能性がありますから、早めに医療機関を受診したほうがよいでしょう。
いつもはいびきをかかないのに、急にいびきをかき始めた時にも、大きな病気が隠れていることがあります。脳血管障害などで意識障害を起こすと、舌がのどに落ち込んでいびきをかくことがあります。目覚めている時に発作が起きればわかりやすいのですが、眠っている時に脳卒中などが起きても気付きにくいものです。ベッドパートナーの急ないびきに気付いた時には、体を軽くつねるなどして、痛み刺激で起こしてみましょう。
いびきを起こす他の病気としては、鼻中隔彎曲(びちゅうかくわんきょく)症、鼻中隔穿孔(せんこうしょう)症、肥厚性鼻炎、鼻茸(はなたけ)症、副鼻腔(ふくびくう)炎、口蓋扁桃肥大、アデノイド肥大、小顎(しょうがく)症、巨舌症、甲状腺(こうじょうせん)機能低下症、上気道抵抗症候群、多系統委縮症、睡眠関連うなり(カタスレニア)が挙げられます。
思い当たる節がある人は、早めに睡眠障害の専門医を受診しましょう。睡眠障害の専門医や専門歯科医は、日本睡眠学会のサイトで検索できます。
近くに睡眠障害を専門に診ている医療機関がない場合には、通院可能な呼吸器科、歯科、耳鼻咽喉(いんこう)科、精神科、メンタルクリニックなどで相談してみましょう。
医師による治療法としては、減量、扁桃の手術、鼻の手術、鼻からマスクで空気を流すシーパップ(CPAP)療法、口腔内装具(マウスピース)の装着、呼吸を促進させる薬物療法などがあります。
とりわけ、歯科で作られる口腔内装具は、高い効果が期待できます。装具を上下の歯と唇の間に挟むと、下あごや舌の落ち込みが予防されて、いびきの解消に役立ちます。下あごがやや持ち上がるタイプのものや、自分の歯の形にピッタリと整形できるものもあります。約半数の人でいびきの回数が減り、7割以上の人が効果に満足したという報告もあります。
いびきとは、睡眠中、呼吸に合わせて発生する異常音のこと。異常音には、鼻やのどの空間が狭いため空気が通過する際に起こる摩擦音と、のどちんこともいわれる口蓋垂(こうがいすい)や、咽頭(いんとう)の粘膜などが振動して起こる振動音があります。
目覚めている時の呼吸の音は、近くにいる人でもほとんど聞き取れません。通常、鼻や口から吸い込まれた空気は、スムーズに肺まで達します。ところが、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなっていると、呼吸に合わせて乱気流が起こって摩擦音が出ます。また、空気が口蓋垂や、上あごの奥のほうの軟口蓋(なんこうがい)、咽頭を振動させて、振動音を出すこともあります。さらに、これらの摩擦音と振動音が、のどや鼻で共鳴して大きないびきとなるのです。
気道が狭くなる原因には、舌が大きい、下あごが小さい、首が太くて短い、扁桃腺(へんとうせん)ともいわれる口蓋扁桃が大きい、アデノイドともいわれる咽頭扁桃が大きい、口蓋垂が長い、鼻が詰まっている、口呼吸をしている、口の周りの筋肉である口輪筋が弱いなどが挙げられます。
ほかにも、いびきをかきやすくなる要因が、いくつかあります。子供がいびきをかいている場合には、鼻の病気のために鼻が詰まって口呼吸になっているか、アデノイドが大きいために、のどの気道が狭くなっていることがよくあります。高齢者では、舌やのどの筋肉が弱くなるために、仰向けに寝ていると舌がのどに落ち込んで、気道が狭くなります。肥満していることも、いびきの危険因子です。日本人はもともと、口やのどの体積が小さいので、少し太っただけでものどに脂肪がついてしまい、気道が狭くなりやすいのです。
いびきは男性のものという印象がありますが、女性でも悩んでいる人が結構います。いびきをかく人は男性の約40パーセント、女性の約15パーセントという調査結果もあります。いびきをかく女性は、あごが小さいことが多いようです。
ふだんの睡眠中はいびきをかかないのに、特別な時だけいびきをかくことがあります。肉体的あるいは精神的な疲れがたまってくると、それを回復しようとして深い睡眠が多くなります。舌やのどの筋肉は、深い睡眠の時に最も緊張がなくなるので、舌がのどに落ち込んで気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
酒を飲んだ時にだけ、いびきが出る人もいます。二日酔いの日には顔がむくみやすいように、アルコールは体に水分をためる働きがあります。酔って眠っているうちに、のどもむくんできて気道が狭くなるため、いびきをかいてしまうのです。
また、旅行や出張などでホテルに泊まった時だけ、いびきを指摘される人もいます。ホテルの部屋は湿度が低く、鼻やのどが乾燥しやすくなっています。鼻が乾くと鼻呼吸がしにくくなり、口を開けての口呼吸となります。口を閉めていた間は上あごと下あごに挟まれていた舌が、口を開けることでのどに落ち込みやすくなって、いびきをかいてしまいます。
周囲の迷惑は別にして、本人がグッスリ眠れて、翌日も支障なく過ごせるようないびきを、単純いびき症、あるいは原発性いびきといいます。枕の高さや寝る向きを変えたり、市販の簡単なグッズを使ったりするだけで、いびきが軽くなることがよくあります。
鼻やのどの空気の通りをよくすることで、睡眠中のいびきを改善することができるお手軽なグッズは、インターネットや通販以外でも数多く扱われるようになりました。鼻の上からテープで鼻腔を広げるタイプや、鼻の中に入れて鼻腔を広げるタイプは、鼻炎や花粉症などの人にも有効です。睡眠中の呼吸が楽になるため、熟睡感が得られて体調もよくなるというケースが多いようです。
また、枕の高さも気道確保のためには重要なポイントです。横になった時にあごが上がらず、首が真っすぐになる高さのやや硬めの枕を選ぶようにしましょう。最近では、いびきセンサーが付いている枕も市販されています。
大いびきの後、呼吸がしばらく止まる。ベッドパートナーが心配して見守っていると、再びいびきが始まる。このようなことが毎晩、何回も繰り返されるような時は、要注意です。睡眠時無呼吸症候群という病気の可能性がありますから、早めに医療機関を受診したほうがよいでしょう。
いつもはいびきをかかないのに、急にいびきをかき始めた時にも、大きな病気が隠れていることがあります。脳血管障害などで意識障害を起こすと、舌がのどに落ち込んでいびきをかくことがあります。目覚めている時に発作が起きればわかりやすいのですが、眠っている時に脳卒中などが起きても気付きにくいものです。ベッドパートナーの急ないびきに気付いた時には、体を軽くつねるなどして、痛み刺激で起こしてみましょう。
いびきを起こす他の病気としては、鼻中隔彎曲(びちゅうかくわんきょく)症、鼻中隔穿孔(せんこうしょう)症、肥厚性鼻炎、鼻茸(はなたけ)症、副鼻腔(ふくびくう)炎、口蓋扁桃肥大、アデノイド肥大、小顎(しょうがく)症、巨舌症、甲状腺(こうじょうせん)機能低下症、上気道抵抗症候群、多系統委縮症、睡眠関連うなり(カタスレニア)が挙げられます。
思い当たる節がある人は、早めに睡眠障害の専門医を受診しましょう。睡眠障害の専門医や専門歯科医は、日本睡眠学会のサイトで検索できます。
近くに睡眠障害を専門に診ている医療機関がない場合には、通院可能な呼吸器科、歯科、耳鼻咽喉(いんこう)科、精神科、メンタルクリニックなどで相談してみましょう。
医師による治療法としては、減量、扁桃の手術、鼻の手術、鼻からマスクで空気を流すシーパップ(CPAP)療法、口腔内装具(マウスピース)の装着、呼吸を促進させる薬物療法などがあります。
とりわけ、歯科で作られる口腔内装具は、高い効果が期待できます。装具を上下の歯と唇の間に挟むと、下あごや舌の落ち込みが予防されて、いびきの解消に役立ちます。下あごがやや持ち上がるタイプのものや、自分の歯の形にピッタリと整形できるものもあります。約半数の人でいびきの回数が減り、7割以上の人が効果に満足したという報告もあります。
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