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■人工的に歯を作製、正常に機能 マウス使い初の成功 [健康ダイジェスト]

 高齢化や事故で歯を失った人が、「本物の歯の入れ歯」の移植を受け、自分の歯が再生する―。夢の治療の実現を期待させる基礎技術が、東京理科大と東北大、東京医科歯科大の研究チームによってマウスで初めて開発され、13日付の米科学誌プロスワンの電子版に発表されました。
 東京理科大の辻孝教授(再生医工学)と大島正充助教らのチームは、マウス胎児から上皮細胞と間葉細胞という2種類の細胞を採取し、歯の原型である歯胚の段階まで培養。
 プラスチック製で直径2・5ミリの円柱状の型枠に4、5本並べて入れ、別のマウスの腎臓皮膜下に一時的に移植しました。腎臓皮膜下は血流量が豊富で、放っておくと歯が伸び続けるため、円柱状の型枠に入れることで長さを調整しました。
 2カ月弱かけて大きさがそろい、エナメル質や象牙質、歯髄、歯根膜を備えて歯槽骨でつながった「再生歯ユニット」に成長させてから型枠を外し、マウスの歯を抜いた跡に移植しました。
 移植後40日程度で周囲の組織になじみ、神経や血管もつながって定着。餌をしっかりかめて、かんだ時の刺激や痛みも感じることができるなど、天然の歯と同じように機能することがわかりました。
 人間に応用するには、歯のもとになる細胞を調達する方法や、体に負担をかけない再生歯ユニットの培養方法なども開発する必要があります。
 移植に伴う免疫拒絶反応を避けるには患者自身の細胞が望ましく、少年少女なら親知らずの歯胚、大人なら皮膚細胞に遺伝子群を導入して作るiPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用できる可能性があります。
 人間への応用に課題は残りますが、チームは「新しい歯科再生治療の考え方を示せた。インプラント(人工歯根)が打てない小児などの患者の治療にも生かせるかもしれない」としています。

2011年7月14日(木)




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