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■東北大、肥満で血圧上昇の謎解明 肝臓からの神経信号関与 [健康ダイジェスト]

 肥満になると血圧が上昇するメカニズムを、宮城県の東北大大学院医学系研究科の片桐秀樹教授(代謝学)と宇野健司助教(同)らの研究グループがマウスを使った実験で解明しました。肝臓に脂肪がたまった時に生じる神経信号が関与しており、この信号を調整する薬などを開発できれば、肥満や高血圧の治療につながる可能性があるといいます。
 通常は肝臓に脂肪がたまると、交感神経を活性化する神経信号が脳に伝わり、代謝を促進して脂肪を燃焼、肥満を回避しようとします。体にはこうした維持機能が備わっていて、一時的に栄養を取りすぎても体重がすぐに増えることはありません。
 しかし、栄養過剰な状態が続くと、肝臓からの神経信号が出続け、交感神経の過剰な活性化も続き、血圧が上昇するといいます。血圧は交感神経が活性化すると上昇し、肥満の人は交感神経が活性化しがちであることは、同グループのこれまでの研究でわかっていました。
 今回の実験では、肥満のマウスは肝臓に脂肪合成を促す特定のたんぱく質を多く持っており、このたんぱく質を抑制すると、血圧上昇が止まることがわかりました。また、マウスの神経を遮断し、肝臓に脂肪がついた時に生じる神経信号が脳に届かないようにした場合も、通常のマウスと血圧に大きな差が出ないことが判明しました。
 今後、神経信号を出すのに直接かかわる分子が特定できれば、神経信号を調節する薬や機器の開発も可能になるといいます。
 片桐教授は、「神経信号を調節して体の維持機能を活性化させると、肥満を解消できる可能性がある」と話しています。
 成果は9日、欧州循環器学会誌電子版に掲載されました。

 2011年8月11日(木)

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