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■東京都民の内部被曝、年間限度下回る 東大、食品摂取で試算 [健康ダイジェスト]

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で東京都に住む人がこの1年間に水や食品の摂取によって受けた内部被曝線量は、一般の人が浴びても差し支えないとされる値のおよそ20分の1だったとする試算を東京大学の研究チームが12日、発表しました。
 東京大学の村上道夫特任講師らの研究チームは、厚生労働省や東京都水道局などが公表している約10万種の食品や水道水の放射性物質濃度を地域、日付、種類別に分類。都内への入荷量や年齢別の平均摂取量などから、1年間に受けた内部被曝線量を求めました。ただし、原発事故があった直後の昨年3月18日から20日の被曝は、詳細なデータがなく考慮されていないといいます。
 その結果、放射性ヨウ素とセシウムによる全身の内部被曝線量は、乳児(粉ミルクを飲んでいる1歳未満)48マイクロシーベルト、幼児(1~6歳)42マイクロシーベルト、成人18マイクロシーベルト。通常の飲食物に含まれる自然放射性物質のカリウム40から受ける推計内部被曝線量(年約130~220マイクロシーベルト)と比べ、数分の1~10分の1程度でした。
 また、放射性ヨウ素による甲状腺の局所的な内部被曝線量は、乳児1140マイクロシーベルト、幼児970マイクロシーベルト、成人280マイクロシーベルト。ヨウ素とセシウムの影響で、生涯に致死性のがんを発症する確率を合わせると、乳児は10万人当たり0・3人、幼児が同0・2人、成人が同0・1人となりました。乳児ががんを発症する確率は、ディーゼル車の排ガスの影響より低いものの、シックハウス症候群の原因物質のホルムアルデヒドや、ダイオキシン類の影響より高くなっています。
 内部被曝線量は水道水の占める割合が大きく、乳児は牛乳・乳製品、成人は野菜や魚介類なども影響しました。
 事故後に厚労省の暫定基準値による出荷制限や、都による乳児へのペットボトル水配布が行われましたが、これらの対策で被曝線量は乳児で44パーセント、幼児で34パーセント、成人で29パーセント減ったと推定しました。
 試算を行った村上特任講師は、「私個人としては安心してもよいレベルだと思う。出荷制限などの対策に一定の効果があったといえる。今回の飲食物による内部被曝線量は、東京・新宿での外部被曝線量の3分の1~10分の1程度でしかない。あまり神経質にならず、今まで通り生活すればいいと思う」と話しています。

 2012年3月13日(火)




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