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■心肺蘇生、心臓マッサ-ジだけに集中で高救命率 日本循環器学会が分析 [健康ダイジェスト]

 突然心臓が止まった人に行う心肺蘇生について、人工呼吸と心臓マッサージを併用するよりも、心臓マッサージだけを行うほうが救命率が高くなるという分析結果を、日本循環器学会がまとめました。
 専門家が作った心肺蘇生のガイドラインでは、胸の真ん中を強く押して、血液の循環を維持する「心臓マッサージ」のほか、可能であれば、口から空気を吹き込む「人工呼吸」を行うことが求められています。しかし、人工呼吸をしている間は心臓マッサージができず、血液の循環が止まります。
 日本循環器学会は効果を検証するため、2005年から2009年までの5年間に、公共の場において居合わせた人の前で倒れて心肺蘇生が行われ、さらに電気ショックで心臓の動きを元に戻すAED(自動体外式除細動器)が使われたケース1376件について、詳しく分析しました。
 心肺蘇生で人工呼吸と心臓マッサージが併用されたケースは63パーセントあり、心臓マッサージだけが行われたケースは37パーセントでした。神経障害を伴わない心停止の1カ月後に社会復帰できた人の割合は、人工呼吸と心臓マッサージが併用されたケースは33パーセントだったのに対し、心臓マッサージだけが行われたケースは41パーセントで、心臓マッサージだけのほうが救命率が高いことがわかりました。
 これについて、分析を行った京都大学健康科学センターの石見拓講師は、「人工呼吸を行わない、心臓マッサージだけの心肺蘇生とAEDの電気ショックという組み合わせが、最も心停止になった人を救える可能性が高い。AEDの設置が進む日本においては、心臓マッサージとAEDを使った措置を行う人が増えれば、救命率はもっと上がると思う」と話しています。
 日本において医療機関外で心臓突然死に陥る人の数は、毎年およそ6万人とされます。2010年の1年間に目撃された心停止に対して公共の場のAEDが使われたケースは667件に上り、その45パーセントが救命されました。しかし、同じ2010年に目撃された心停止の総数は22463件あり、そのうちAEDが使用されたのは3パーセントでした。
 2011年12月現在、日本のAED設置台数は38万3247台。その内訳は医療機関が7万5076台、消防機関が1万1076台で、その他を公共施設など一般市民が使用できるAEDとすると、約29万7000台になります。

 2013年1月1日(火)




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