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■乳がん予防の乳房切除 聖路加とがん研病院が計画 [健康ダイジェスト]

 遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象に、あらかじめ乳房を切除する手術について、東京都にある2つの病院が計画していることが20日わかりました。
 国内で毎年推定6万人に発症する乳がんのうち、およそ10パーセントは特定の遺伝子の変異によって起きるとみられ、この遺伝子の検査結果を基にハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37歳)が乳房の切除手術を受けたことから話題になりました。
 東京都中央区にある聖路加国際病院が、同じ遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象に、がんを発症していない乳房をあらかじめ切除する手術を計画していることがわかりました。
 すでに院内の倫理委員会の承認を受けていて、希望する人が出た場合、出産して授乳する予定がないかどうかなどについて改めて検討し、実施を決めるということです。
 聖路加国際病院によると、遺伝性乳がんの発症リスクを高める「BRCA1」と「BRCA2」の遺伝子検査で陽性になった人を対象に、片方の乳房でがん発症後、がんを発症していないもう片方の乳房を予防的に切除する手術を行った実績が複数あるとしています。
 一方、東京都江東区にあるがん研究会有明病院も、BRCA1とBRCA2の遺伝子検査で陽性になった人を対象に、乳がんの予防を目的に、あらかじめ乳房を切除する手術を導入することを決めました。
 今のところ、手術を希望する人はいませんが、遺伝子検査を受ける人が増えていることから、臨床研究として実施する態勢を整えることにし、来月にも院内の倫理委員会に申請を行う予定だということです。
 がんを予防するため乳房を切除しても、死亡率が下がるかどうか海外でも十分なデータがないことから、国内ではこれまで、遺伝子に変異があると判定された場合は、がん検診の回数を増やすなどして早期発見に重点が置かれていました。
 がん研究会有明病院遺伝子診療部の新井正美部長は、「遺伝子変異のある人すべてに予防の手術が必要になるわけではないが、発症の不安に苦しむ人に選択肢を与えるための態勢を作っておきたい」と話しています。

 2013年5月20日(月)




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