■用語 ガストリノーマ [用語(か行)]
主に膵臓や十二指腸に発生する細胞の腫瘍で、胃液の分泌を促すガストリンを分泌
ガストリノーマとは、主に膵臓(すいぞう)や十二指腸に発生する細胞の腫瘍(しゅよう)。
ガストリノーマができやすいのは、膵臓の中でも右側の膵頭部という部分と、そこに接した十二指腸の壁の中です。
ガストリノーマができると、ガストリンという胃液の分泌を促すホルモンの分泌が多くなりすぎて、胃液が過剰に分泌されます。胃液の過剰分泌によって、胃や食道の粘膜や細胞が刺激されて腹痛や胸焼けという過酸症状を起こし、さらには胃や十二指腸に消化性潰瘍(かいよう)がたくさんできるために下痢などの症状が出ます。
また、ガストリノーマは膵臓や、十二指腸などの膵臓周囲に多発していることも多く、この場合の約50パーセントはがん性で、ゾリンジャー・エリソン症候群を引き起こすことがあります。
ゾリンジャー・エリソン症候群では、非ベータ細胞と呼ばれる細胞が膵臓にガストリノーマを発生させるほか、胃、十二指腸、胆管にもガストリノーマを発生させ、ガストリンを分泌します。
症状としては、胃酸過多のほか、高ガストリン血症、難治性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍がみられるのが特徴です。潰瘍はしばしば、普通はみられない十二指腸球部や小腸上部に発生し、また穿孔(せんこう)を起こす頻度が高くなります。
そのために腹痛、腰痛、下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、吐血、下血などの症状を生じます。水溶性あるいは脂溶性の下痢は、消化酵素活性が阻害されることに起因するといわれており、これは下部腸管へ多量の胃液が流れ込むことに由来します。
悪性例、多発例が多く、腫瘍であるガストリノーマはがんに変化し、医師の診断時にすでに肝・リンパ節転移を認めることがほとんどです。 多発性内分泌腫瘍症1型という遺伝性症候群を合併することもあります。
ガストリノーマの受診科は、内分泌代謝科、内科、外科です。
ガストリノーマの検査と診断と治療
内分泌代謝科、内科、外科の医師による診断では、早朝の空腹時に採血して血液中のガストリンを測定し、ガストリン値が高いことが指標となります。血液検査によって、胃酸の産生過剰もわかります。
腫瘍であるガストリノーマの位置を確認するためには、CT(コンピュータ断層撮影)検査、超音波内視鏡検査、放射線核種を用いた画像検査などの検査を行います。
内分泌代謝科、内科、外科の医師による治療では、腫瘍であるガストリノーマの外科的切除が第一選択になります。手術による腫瘍の切除により、完全に治癒することもあります。
治癒しない場合でも、切除で腫瘍を小さくできるので胃酸の産生量が低下し、小腸の閉塞(へいそく)など局所の合併症を予防することができます。
腫瘍を切除しても効果がみられなければ、ケースによって胃全体を摘出することもあります。ガストリンは胃粘膜を増殖させる働きを持つため、胃の一部を切除しても残った胃の細胞で壁(へき)細胞数を増やし、これによって再度過剰な胃酸の産生が促進され、潰瘍の再発を招くためです。
胃を切除して胃酸が作られなくなると、鉄分、カルシウム、ビタミンB12などの栄養素の吸収が悪くなるため、これらを絶えずサプリメントなどで補給し、ビタミンB12は月1回注射しなければいけません。
ゾリンジャー・エリソン症候群を引き起こし、悪性腫瘍となってがんが他の部位に転移した場合、過剰な胃酸分泌を薬物によって抑えます。内科的には、胃粘膜からの胃酸分泌を強力に抑えるH2受容体拮抗(きっこう)剤、プロトンポンプ阻害剤(PPI)などの胃酸分泌抑制剤を使用します。
化学療法では、悪性腫瘍でかつ肝臓に転移している場合に、抗がん剤のストレプトゾトシンの投与を適用します。
ガストリノーマとは、主に膵臓(すいぞう)や十二指腸に発生する細胞の腫瘍(しゅよう)。
ガストリノーマができやすいのは、膵臓の中でも右側の膵頭部という部分と、そこに接した十二指腸の壁の中です。
ガストリノーマができると、ガストリンという胃液の分泌を促すホルモンの分泌が多くなりすぎて、胃液が過剰に分泌されます。胃液の過剰分泌によって、胃や食道の粘膜や細胞が刺激されて腹痛や胸焼けという過酸症状を起こし、さらには胃や十二指腸に消化性潰瘍(かいよう)がたくさんできるために下痢などの症状が出ます。
また、ガストリノーマは膵臓や、十二指腸などの膵臓周囲に多発していることも多く、この場合の約50パーセントはがん性で、ゾリンジャー・エリソン症候群を引き起こすことがあります。
ゾリンジャー・エリソン症候群では、非ベータ細胞と呼ばれる細胞が膵臓にガストリノーマを発生させるほか、胃、十二指腸、胆管にもガストリノーマを発生させ、ガストリンを分泌します。
症状としては、胃酸過多のほか、高ガストリン血症、難治性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍がみられるのが特徴です。潰瘍はしばしば、普通はみられない十二指腸球部や小腸上部に発生し、また穿孔(せんこう)を起こす頻度が高くなります。
そのために腹痛、腰痛、下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、吐血、下血などの症状を生じます。水溶性あるいは脂溶性の下痢は、消化酵素活性が阻害されることに起因するといわれており、これは下部腸管へ多量の胃液が流れ込むことに由来します。
悪性例、多発例が多く、腫瘍であるガストリノーマはがんに変化し、医師の診断時にすでに肝・リンパ節転移を認めることがほとんどです。 多発性内分泌腫瘍症1型という遺伝性症候群を合併することもあります。
ガストリノーマの受診科は、内分泌代謝科、内科、外科です。
ガストリノーマの検査と診断と治療
内分泌代謝科、内科、外科の医師による診断では、早朝の空腹時に採血して血液中のガストリンを測定し、ガストリン値が高いことが指標となります。血液検査によって、胃酸の産生過剰もわかります。
腫瘍であるガストリノーマの位置を確認するためには、CT(コンピュータ断層撮影)検査、超音波内視鏡検査、放射線核種を用いた画像検査などの検査を行います。
内分泌代謝科、内科、外科の医師による治療では、腫瘍であるガストリノーマの外科的切除が第一選択になります。手術による腫瘍の切除により、完全に治癒することもあります。
治癒しない場合でも、切除で腫瘍を小さくできるので胃酸の産生量が低下し、小腸の閉塞(へいそく)など局所の合併症を予防することができます。
腫瘍を切除しても効果がみられなければ、ケースによって胃全体を摘出することもあります。ガストリンは胃粘膜を増殖させる働きを持つため、胃の一部を切除しても残った胃の細胞で壁(へき)細胞数を増やし、これによって再度過剰な胃酸の産生が促進され、潰瘍の再発を招くためです。
胃を切除して胃酸が作られなくなると、鉄分、カルシウム、ビタミンB12などの栄養素の吸収が悪くなるため、これらを絶えずサプリメントなどで補給し、ビタミンB12は月1回注射しなければいけません。
ゾリンジャー・エリソン症候群を引き起こし、悪性腫瘍となってがんが他の部位に転移した場合、過剰な胃酸分泌を薬物によって抑えます。内科的には、胃粘膜からの胃酸分泌を強力に抑えるH2受容体拮抗(きっこう)剤、プロトンポンプ阻害剤(PPI)などの胃酸分泌抑制剤を使用します。
化学療法では、悪性腫瘍でかつ肝臓に転移している場合に、抗がん剤のストレプトゾトシンの投与を適用します。
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