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■耐性菌感染、世界すべての地域で拡大 WHOが報告書 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)は、主要な抗生物質が効かず治療が困難な耐性菌の感染について報告書を発表し、世界のすべての地域で感染が広がっているとして、国際社会が一致して対策を取ることが必要だと強調しました。
 WHOは耐性菌の世界的な感染状況を調べるため、114の加盟国から提供されたデータを基に、黄色ブドウ球菌など7つの細菌について、従来は効果みられた特定の抗生物質が効かなかった例を報告書としてまとめ、30日、発表しました。
 それによりますと、黄色ブドウ球菌の場合、アフリカや南北アメリカの一部の国で、抗生物質のメチシリンを投与しても80パーセントから90パーセントの患者に効かなかったということです。
 また、肺炎などを引き起こす肺炎桿(かん)菌でも、アフリカを中心に多くの国で、50パーセント以上の患者に抗生物質を投与しても効かなかったと報告され、日本やフランス、南アフリカなどの国では、淋病(りんびょう)を引き起こす淋菌で、セファロスポリン系の抗生物質を投与しても効かなかったと報告されるなど、世界中で耐性菌の感染が広がっているとしています。
 報告書は、このままでは将来、抗生物質が役に立たなくなる可能性があると警告した上で、医療従事者らには抗生物質の処方を必要最低限に抑えるように忠告し、一般の患者にも医師が処方した時のみ抗生物質を使用するよう呼び掛けています。
 さらに、感染情報の調査方法を統一して世界全体で情報を共有することや、新たな治療方法の開発に力を入れることなど、国際社会による一致した対応の必要性を提言しています。
 ジュネーブのWHO本部で記者会見したフクダ事務局長補は、「耐性菌の感染は、一部の地域や途上国の問題ではなく世界全体の問題である。極めて深刻な状況だ」と強調しました。

 2014年5月1日(木)




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