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■卵巣がんの消失、新しいタイプの治療薬で確認 京大研究グループ [健康ダイジェスト]

 人の体内にできたがん細胞は、特殊な信号を出して免疫による攻撃を受けないようにしていますが、この信号を遮断する新しいタイプの治療薬を卵巣がんの患者20人に投与したところ、半数近くでがんがなくなったり、進行が止まったりする効果が確認された、と京都大学の研究グループが発表しました。
 この臨床研究は、京都大学の濱西潤三助教や小西郁生教授などのグループが、「抗PD-1抗体薬」という新しいタイプの治療薬「ニボルマブ」(商品名オプジーボ)を使って、行いました。
 人の体内にがんができると免疫細胞が攻撃しようとするものの、がん細胞は特殊な信号を出してこの働きを抑え、増殖を続けることが、最近の研究でわかってきています。ニボルマブは、がん細胞が出すこの特殊な信号を遮断するものです。
 研究グループは、卵巣がんの手術後に再発し、ほかの治療法では効果がみられない患者20人に、2週間に1回のペース1年間投与しました。その結果、2人の患者でがんがなくなったほか、7人でがんが小さくなったり進行が止まったりする効果が確認できたといいます。
 一方、安全性については、患者に甲状腺機能低下症やリンパ球減少、発熱、関節痛といった副作用が現れましたが、ほとんどは軽度だったということです。
 このニボルマブは、小野薬品工業が昨年9月に発売した抗がん剤で、皮膚がんである悪性黒色腫の治療薬としてはすでに国内でも承認され、医療現場で使われています。そのほか、20種類以上のがんについて、世界各地で臨床試験が行われているということです。
 濱西助教は、「高い効果が確認されとても驚いた。予後不良の卵巣がんに対する新たな治療法として期待できる」と話しています。
 卵巣がんは、女性の悪性腫瘍の中で最も予後不良で、その罹患率および死亡率ともに増加傾向にあります。卵巣がんの 50パーセント以上が進行した状態で見付かり、手術療法と化学療法による集学的治療を行いますが、その70パーセント以上は再発します。再発がんで化学療法抵抗性になると有効な治療法がないため、新しい治療法が長年求められてきました。

 2015年9月11日(金)

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