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■妊婦の栄養不足、子供の脳に影響し高血圧リスクに 東大などが解明 [健康ダイジェスト]

 過度なダイエットや貧困などで妊婦が栄養不足になると、生まれた子供の脳内の血圧調節システムが崩れ、成長しても高血圧になりやすいとの仕組みを、東京大学などの研究チームが動物実験で明らかにしました。日本の若い女性はやせた人が多く、研究チームは、人間でも同様に妊娠中の食事に注意すべきだと指摘しています。
 論文は、アメリカの医学誌電子版に2日、発表されました。
 妊娠後期は、エネルギー代謝にかかわるストレスホルモンが増えます。栄養不足の妊婦は胎盤でストレスホルモンを分解できず、ホルモンが胎児に移行し、生まれた子供は大人になると高血圧になりやすくなります。ただ、ホルモン量は成長すると減るのに高血圧になりやすい理由は不明でした。
 東大の藤田敏郎名誉教授(内科学)らの研究チームは、妊娠中のラットを通常の食事とタンパク質の少ない低栄養の食事を与えるグループに分け、生まれた子供を比べました。低栄養の食事のラットの子供は低体重で生まれ、成長すると肥満になりやすく、塩分が多い食事を与えると血圧が大幅に上昇しました。
 脳の細胞を調べると、低体重の子供は血圧調節システムのバランスが崩れ、血圧上昇の遺伝子が働きやすくなっていました。胎児のころに崩れると、大人になっても続くとみられています。
 別の実験で、低栄養の親から胎児に移るストレスホルモンの働きで、血圧調節システムが崩れることを確認しました。
 国の統計によると、やせ形の女性(BMI18・5未満)は昨年、20歳代21・7%、30歳代13・4%と、上の年代より割合が高くなっています。一方、2500グラム未満で生まれる低出生体重児の昨年の割合は9・4%で、近年はほぼ横ばいです。
 実験結果を踏まえ、藤田教授は「妊婦も産科医も、妊娠中の栄養不足によって胎児の成長後も悪影響が長期に残ることを知ってほしい」と呼び掛けています。

 2018年11月4日(日)

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