☐用語 オクロノーシス [用語(お)]
軟骨組織、線維組織に黒色の色素が沈着する病態
オクロノーシスとは、黒尿(こくにょう)症とも呼ばれるアルカプトン尿症の発病者にみられる病態で、軟骨組織、線維組織に黒色の色素が沈着する症状。組織黒変症とも呼ばれます。
黒尿症とも呼ばれるアルカプトン尿症は、生まれ立ての新生児の汗や尿中にホモゲンチジン酸(アルカプトン)が排出され、放置すると酸素と反応して黒変する疾患で、先天性アミノ酸代謝異常症の一つです。
ホモゲンチジン酸酸化酵素(ホモゲンチジン酸ジオキシゲナーゼ)の欠損によるまれな疾患で、常染色体劣性遺伝の形を取ります。発症頻度は、新生児300万人~500万人に1人。
ホモゲンチジン酸酸化酵素は、必須(ひっす)アミノ酸の一つであるフェニルアラニンや、非必須アミノ酸の一つであるチロシンの中間代謝物であるホモゲンチジン酸を分解して、アセト酢酸やフマル酸を生じます。この肝臓や腎(じん)臓などの臓器にある触媒酵素が欠損すると、ホモゲンチジン酸の重合体がそのまま汗や尿中に排出されます。
放置すると自然酸化によって汗や尿が黒色を示すのが特徴で、新生児のおむつが黒色に変化していることで、アルカプトン尿症に気付くこともあります。
また、ホモゲンチジン酸が軟骨組織やその他の結合組織に長期にわたって沈着することで、成人以降にオクロノーシスや関節症を起こします。
オクロノーシスは組織黒変症とも呼ばれ、30歳以降に現れ始めて、30歳代後半から40歳代に多くみられます。ホモゲンチジン酸の重合体が結合組織に沈着した場合に現れ、初めは目や耳に灰色がかった青い色素の沈着が認められ、年齢が進むと全身の軟骨組織、線維組織に黒色の色素の沈着が及びます。
関節症は、20歳代から現れます。ホモゲンチジン酸の重合体が関節軟骨組織の構成成分である膠原(こうげん)線維に黒く沈着すると、軟骨は正常の弾力を失い、もろい細片となって、関節の退行変性が進行します。関節の滑膜に、この色素を含む軟骨片が沈着して腫瘤(しゅりゅう)を作ることもあります。
30歳代には、脊椎(せきつい)関節の運動制限、時に痛みが現れます。次いで、膝(ひざ)、肩、股関節(こかんせつ)など全身の大きな関節が侵されます。重篤で病期が長い場合には、脊椎が強直化して、寝たきりの生活を余儀なくされる場合もあります。
その他の症状として、大動脈弁や僧帽弁の石灰化や閉鎖不全、大動脈拡張、腎臓結石、前立腺(ぜんりつせん)結石が生じることもあります。
オクロノーシスは、中年期以後に関節症あるいは脊椎症を呈して病院を受診し、偶然に発見されることが多くなっています.
オクロノーシスの検査と診断と治療
小児科の医師による診断では、尿検査を行い、尿中のホモゲンチジン酸(アルカプトン)が高値であることから、アルカプトン尿症と確定します。発病者のホモゲンチジン酸の1日排出量は、通常1~8グラムとなります。
整形外科の医師による成人以降に起こるオクロノーシスや関節症の診断では、X線(レントゲン)検査を行い、関節軟骨の黒色化、脊椎や腰椎、膝関節などの石灰化が認められれば確定できます。肝臓や腎臓の一部を切り取って、顕微鏡で組織検査をする生検を行い、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損を証明することもあります。
循環器科、外科、泌尿器科などの医師による心臓の合併症、泌尿器の合併症の診断では、X線(レントゲン)検査、心エコー検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い、大動脈弁や僧帽弁の石灰化や閉鎖不全、大動脈拡張、腎臓結石、前立腺結石が認められば確定できます。
小児科の医師による治療は、残念ながらアルカプトン尿症の有効な治療法が見付かっていないため、色素の沈着を抑えると考えられているビタミンCを投与します。フェニルアラニン制限食、低チロシン食を摂取する治療法もありますが、長期間厳格に実施することはむしろ危険とされます。
整形外科の医師によるオクロノーシスや関節症の治療では、アルカプトン尿症の若年患者に対して関節症の重症化を避けるため、脊椎や大きな関節に負担となる重労働や衝撃の大きいスポーツなどを回避することを勧めます。関節症による運動制限に対して、外科的な切除術、人工関節置換術を行うこともあります。
循環器科、外科、泌尿器科などの医師による治療では、外科的処置が行われることもあります。
常染色体劣性遺伝の形を取るアルカプトン尿症の唯一の予防策は、血族結婚を避けることです。
オクロノーシスとは、黒尿(こくにょう)症とも呼ばれるアルカプトン尿症の発病者にみられる病態で、軟骨組織、線維組織に黒色の色素が沈着する症状。組織黒変症とも呼ばれます。
黒尿症とも呼ばれるアルカプトン尿症は、生まれ立ての新生児の汗や尿中にホモゲンチジン酸(アルカプトン)が排出され、放置すると酸素と反応して黒変する疾患で、先天性アミノ酸代謝異常症の一つです。
ホモゲンチジン酸酸化酵素(ホモゲンチジン酸ジオキシゲナーゼ)の欠損によるまれな疾患で、常染色体劣性遺伝の形を取ります。発症頻度は、新生児300万人~500万人に1人。
ホモゲンチジン酸酸化酵素は、必須(ひっす)アミノ酸の一つであるフェニルアラニンや、非必須アミノ酸の一つであるチロシンの中間代謝物であるホモゲンチジン酸を分解して、アセト酢酸やフマル酸を生じます。この肝臓や腎(じん)臓などの臓器にある触媒酵素が欠損すると、ホモゲンチジン酸の重合体がそのまま汗や尿中に排出されます。
放置すると自然酸化によって汗や尿が黒色を示すのが特徴で、新生児のおむつが黒色に変化していることで、アルカプトン尿症に気付くこともあります。
また、ホモゲンチジン酸が軟骨組織やその他の結合組織に長期にわたって沈着することで、成人以降にオクロノーシスや関節症を起こします。
オクロノーシスは組織黒変症とも呼ばれ、30歳以降に現れ始めて、30歳代後半から40歳代に多くみられます。ホモゲンチジン酸の重合体が結合組織に沈着した場合に現れ、初めは目や耳に灰色がかった青い色素の沈着が認められ、年齢が進むと全身の軟骨組織、線維組織に黒色の色素の沈着が及びます。
関節症は、20歳代から現れます。ホモゲンチジン酸の重合体が関節軟骨組織の構成成分である膠原(こうげん)線維に黒く沈着すると、軟骨は正常の弾力を失い、もろい細片となって、関節の退行変性が進行します。関節の滑膜に、この色素を含む軟骨片が沈着して腫瘤(しゅりゅう)を作ることもあります。
30歳代には、脊椎(せきつい)関節の運動制限、時に痛みが現れます。次いで、膝(ひざ)、肩、股関節(こかんせつ)など全身の大きな関節が侵されます。重篤で病期が長い場合には、脊椎が強直化して、寝たきりの生活を余儀なくされる場合もあります。
その他の症状として、大動脈弁や僧帽弁の石灰化や閉鎖不全、大動脈拡張、腎臓結石、前立腺(ぜんりつせん)結石が生じることもあります。
オクロノーシスは、中年期以後に関節症あるいは脊椎症を呈して病院を受診し、偶然に発見されることが多くなっています.
オクロノーシスの検査と診断と治療
小児科の医師による診断では、尿検査を行い、尿中のホモゲンチジン酸(アルカプトン)が高値であることから、アルカプトン尿症と確定します。発病者のホモゲンチジン酸の1日排出量は、通常1~8グラムとなります。
整形外科の医師による成人以降に起こるオクロノーシスや関節症の診断では、X線(レントゲン)検査を行い、関節軟骨の黒色化、脊椎や腰椎、膝関節などの石灰化が認められれば確定できます。肝臓や腎臓の一部を切り取って、顕微鏡で組織検査をする生検を行い、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損を証明することもあります。
循環器科、外科、泌尿器科などの医師による心臓の合併症、泌尿器の合併症の診断では、X線(レントゲン)検査、心エコー検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い、大動脈弁や僧帽弁の石灰化や閉鎖不全、大動脈拡張、腎臓結石、前立腺結石が認められば確定できます。
小児科の医師による治療は、残念ながらアルカプトン尿症の有効な治療法が見付かっていないため、色素の沈着を抑えると考えられているビタミンCを投与します。フェニルアラニン制限食、低チロシン食を摂取する治療法もありますが、長期間厳格に実施することはむしろ危険とされます。
整形外科の医師によるオクロノーシスや関節症の治療では、アルカプトン尿症の若年患者に対して関節症の重症化を避けるため、脊椎や大きな関節に負担となる重労働や衝撃の大きいスポーツなどを回避することを勧めます。関節症による運動制限に対して、外科的な切除術、人工関節置換術を行うこともあります。
循環器科、外科、泌尿器科などの医師による治療では、外科的処置が行われることもあります。
常染色体劣性遺伝の形を取るアルカプトン尿症の唯一の予防策は、血族結婚を避けることです。
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