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■心筋梗塞、魚や大豆で予防 マグネシウムでリスク3割低下 [健康ダイジェスト]

 魚や豆類、海藻類などに多く含まれるマグネシウムを多く摂取すると、心筋梗塞(こうそく)のリスクが下がるとの調査結果を国立がん研究センターや国立循環器病研究センターなどの研究チームがまとめ、専門誌に発表しました。
 循環器疾患やがんを発症したことがない岩手や茨城、高知、沖縄など8県に住む45~74歳の男女約8万5000人の食事の内容や量を調べ、摂取したマグネシウムの量を推計。量に応じて5グループにわけて15年間追跡し、期間中に1283人が心筋梗塞を発症しました。
 カルシウムなど他のミネラルの量が与える影響が出ないよう分析すると、男性では最も多く摂取するグループは、最も少ないグループに比べ、心筋梗塞のリスクが34%低くなりました。
 同様に女性も、リスクが29%低くなりました。女性で関連が弱まったのは、心筋梗塞の発症者が少なく、他のミネラルも多く摂取していることが一因とみられるといいます。
 マグネシウムは骨の形成や筋肉の収縮などにかかわり、マグネシウムの不足は血圧上昇や動脈硬化などにつながるとされます。国は成人男性に320~370ミリグラム、成人女性に270~290ミリグラムの摂取を推奨していますが、2015年の調査では平均摂取量は約250ミリグラムでした。
 国立循環器病研究センター予防健診部の小久保喜弘医長は、「心筋梗塞の予防が期待できるので、マグネシウムの多い魚や豆腐、海藻、野菜、果物を積極的に取り入れた食生活を心掛けてほしい」と話しています。

 2017年9月8日(金)

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■世界の水道水の8割、微細なプラスチック繊維を含有 アメリカの研究者ら警告 [健康ダイジェスト]

 マイクロプラスチックの海洋汚染への懸念が世界的に広がっている中、海だけではなく世界の水道水から人の体内に入ってくる微細なプラスチック繊維は、年間3000~4000個に上る恐れがあるとする研究結果が6日、発表されました。14カ国で収集した水道水サンプルに基づく結果だといいます。
 プラスチック繊維を体内に取り込むことによる健康リスクは不明ですが、過去には、害を及ぼす可能性のある化学物質や細菌がプラスチック繊維に吸収、放出される可能性があるとの研究結果も発表されています。
 アメリカのミネソタ大学やニューヨーク州立大学などが参加した研究チームは、「目に見えないもの:人体内のプラスチック」と題した報告書で、対象となった水道水サンプル159のうち、「83%にプラスチック繊維が含まれていることがわかった」と明らかにしています。
 飲料水に含まれる5ミリ以下のプラスチック繊維の大規模な調査は今回の研究が世界で初めてであると、研究チームは主張しています。
 研究チームによる水道水サンプルの収集期間は今年の1~3月で、採取した場所はウガンダのカンパラ、インドのニューデリー、インドネシアのジャカルタ、レバノンのベイルート、エクアドルのキトの各首都およびアメリカとヨーロッパ7カ国の複数の都市。
 すべての水道水サンプルは、アメリカのミネソタ州ミネアポリスにあるミネソタ大学で分析されました。
 分析の結果、見付かったプラスチック繊維の大半は、長さが0・1~5ミリのプラスチック繊維でした。水道水1リットルに含まれる繊維は0~57個で、平均すると1リットル当たり4・34個でした。
 「水道水の単位体積当たりのプラスチック繊維密度が最も高かったのはアメリカで、最も低かったのは、総合的にヨーロッパ7カ国だった」と、研究チームは報告書に記しています。
 国別でみると、アメリカが94%と最も高く、収集した水道水サンプルは、ワシントンの連邦議会ビル、環境保護庁本部ビル、ニューヨークのトランプタワーなど。次いで汚染率が高かったのは、アメリカと同率94%のレバノンのベイルート、82%のインドのニューデリー。
 ヨーロッパ7カ国ではイギリス、ドイツ、フランスなどが水道水サンプル調査の対象となり、平均72%でした。アジアでは日本は対象外なものの、インドのニューデリーのほか、インドネシアのジャカルタで76%でした。
 男性の場合、1日の飲料水摂取量として推奨されている3リットルを基準とし、飲み物をすべて水道水か水道水で作ったものとすると、毎日14個のプラスチック繊維を摂取する可能性があると、報告書は説明しています。女性では、2・2リットルの基準摂取で1日当たり約10個のプラスチック繊維を体内に取り込むことになります。
 「この日々のプラスチック繊維摂取量は、1年間では、男性で4000個以上、女性では3000個以上となる」と、研究チームは報告書に記しています。
 さらに、「これらのプラスチック繊維は、海塩、ビール、シーフード、その他の食品によって摂取される可能性のあるプラスチックに追加される」ことも、指摘しています。
 1月に発表された研究では、ヨーロッパで甲殻類を食べている人の場合、それだけで年間最大1万1000個のマイクロプラスチックを体内に摂取している恐れがあるとされました。
 研究チームは、潜在的な汚染源および汚染経路、そして人の健康リスクなどに関するデータをさらに収集するために、調査を重ねるといいます。
 プラスチック繊維が水道水に含有される経路についてはまだ解明されていませんが、洋服やカーペット類などから大気中に粉塵として舞ったプラスチック繊維や破片が降雨などで落下し、水道水に含まれた可能性が高いと想定されます。また、再生可能エネルギーと見なされているゴミ発電でプラスチック類も合わせて焼却することで、大気中に排出され、それが降下している可能性もあります。
 家庭も発生源で、ヘアドライヤーで髪を乾かす際に、付着したプラスチック粒子を大気中に拡散させていたり、洗濯機では一回当たりの洗濯で70万本ものプラスチック繊維を環境中に放出しているとの調査結果もあります。生活のあらゆる場で、プラスチックを使うと同時に、プラスチックを環境中に放出、拡散していることにもなります。
 世界中で生産されるプラスチックは、年間3億トンに上ります。このうち20%がリサイクルされるか焼却されますが、それ以外の多くは大気中、土壌、海洋などに投棄されています。1950年代から製造されたプラスチックの量は83億トンに達しており、その多くが環境中に拡散され、砕かれ、微細化され、水や空気を介して、自然界を循環していることになります。
 人間の存在が引き起こしている国際的な地球環境問題は、温暖化問題だけではありません。自然界を静かに侵害し続け、やがては自らの健康をもむしばむ可能性のあるプラスチック汚染は、より深刻かもしれません。

 2017年9月8日(金)

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