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■島津製作所、新型の乳房専用検査装置を発売 乳がん検診での負担を大幅に軽減 [健康ダイジェスト]

 精密機器大手の島津製作所(京都市中京区)は、乳がん検査に伴う負担が少なく、精度の高い乳房専用PET装置(乳房専用陽電子断層撮影装置)を4日に発売しました。
 島津製作所は女性をマンモグラフィー(乳房エックス線撮影検査)の痛みから解放する取り組みを続けており、4日に発売した新型の乳房専用PET装置は、女性の乳がん検査の負担を大幅に軽減したのが特徴です。被検者はベッド型の装置の上にうつぶせになり、検出器ホールに片側ずつ乳房を入れて撮影します。マンモグラフィー装置のように乳房を挟まず、圧迫による痛みがありません。
 新型の製品の名称は、「エルマンモ アヴァン クラス」。2014年9月に発売した乳房専用PET装置「エルマンモ」の後継機となります。乳房を入れる検出ホールの周りには小型の検出素子を配置し、近距離から乳がんを検出。全身用PET装置に比べて、約2倍の解像度で撮影できることも強みです。両胸の検査は、15分程度で終わります。
 検出部分を上面に近付けるなど改良を加え、前機種より乳房の根元部分まで正確に検査できるようになったといいます。検査時に顔を乗せる部分のくぼみを深くするなどの工夫もあり、楽な姿勢で検査を受けられるといいます。日本人女性には高濃度乳房が多いといわれ、検査方法によっては乳がんの発見が難しくなることも認知され始めていますが、前機種の「エルマンモ」が高濃度乳房の検査にも有効という報告もあるといいます。
 価格は3億5000万円(税別)からと、システム構成により異なり、発売から3年間で国内の医療機関に50台を販売する目標です。
 島津製作所の医用機器事業部で同製品を担当する高橋宗尊グループ長は、「女性への負担が少ない検査装置で乳がんの検診率を高めて、がんの早期発見に貢献したい」と話しています。
 新型の製品への女性の期待も大きく、東京都港区在住の40歳代の会社員は、「マンモグラフィーの痛みが嫌で、ここ数年は超音波検査ばかりだった。痛みや体の負担の少ない機器があれば検査を受けてみたい」。
 国立がん研究センターによると、女性のがんの罹患(りかん)数の部位別では乳がんが1位、死亡数は5位でした。罹患者は30歳代から増加を始め、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎えます。がんは早期に発見して適切な治療を施せば、死亡率を下げられます。

 2017年9月4日(月)

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■病院の入院患者8人、ベッドでのエコノミークラス症候群で死亡 医療事故調査で判明  [健康ダイジェスト]

 医療死亡事故を再発防止に生かす医療事故調査制度で、今年3月までに原因調査を終えた330件のうち、入院中にベッドで寝ていたことによるエコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓〔そくせん〕症)が原因のものが8件あったことが、第三者機関「日本医療安全調査機構」のまとめで明らかになりました。
 日本医療安全調査機構は、患者自身も予防に努めることが重要として、ベッド上で足首を動かすよう呼び掛ける「患者参加型」の提言をまとめました。
 エコノミークラス症候群は、足などの静脈にできた血の塊(血栓)が肺の血管に詰まり、呼吸困難や動悸(どうき)を起こす病気で、死亡する確率が高いとされています。狭い機内や車内で同じ姿勢を長時間続けると発症することで知られます。
 日本医療安全調査機構の分析部会(部会長=佐藤徹・杏林大学教授)が8件の死亡事故の院内報告書を分析したところ、骨折(整形外科)や脳腫瘍摘出(脳神経外科)、統合失調症(精神科)、肺炎・胸膜炎(循環器内科)など領域が広く、入院中に誰にでも起こり得るとして予防法を探りました。
 医療現場では、足に圧力を加える医療用ストッキングの着用などの予防法がとられています。しかし、今回の調査対象の中には、骨折による痛みで着用できない例がありました。また、初期の症状が「息苦しい」「胸が痛い」など他の病気と区別しにくく、重症化してからや死亡後の解剖で判明することが多いことがわかりました。
 このため分析部会は、医療従事者は発症の可能性を認識するとともに、患者自身もリスクを知り、早い段階で気付くことがポイントだと判断。予防の効果を高めるため、患者自ら足首を動かすことを勧める提言をまとめました。
 日本医療安全調査機構の木村壮介・常務理事は、「これまで突然起きる病気とみられていたが早期の特徴がある。患者は我慢しないで看護師らに伝えてほしい」と呼び掛けています。
 医療事故調査制度は2015年10月に始まり、すべての予期せぬ死亡事故について日本医療安全調査機構への報告と、院内調査を義務付けています。
◆エコノミークラス症候群の特徴と予防法
・入院したベッドで、足の血の流れが悪くなり、血の塊ができやすくなる。その塊が肺の血管に詰まって、突然、呼吸困難などを起こす。
・予防には、足首を前後に動かして、ふくらはぎの血流をよくする。足の筋肉が動き、血の巡りがよくなる。
・息苦しさ、胸痛、動悸、足の痛みなど、いつもと違う症状があった時は、医師や看護師に伝える。

 2017年9月4日(月)

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■心臓ペースメーカー46万5000台、アメリカでリコール セキュリティの脆弱性から患者保護のため [健康ダイジェスト]

 アメリカの食品医薬品局(FDA)は8月29日、医療機器メーカーのアボット(旧セント・ジュード・メディカル)の植え込み型心臓ペースメーカーについて、患者に危害を加えられる恐れもある脆弱(ぜいじゃく)性が見付かったとして、リコールを発表しました。
 機器のファームウェアを更新して、一連の深刻な脆弱性から保護する必要があるとし、心臓ペースメーカーが胸に植え込まれている患者や医師に対し、次回診察の際にファームウェアの更新について相談するよう呼び掛けています。
 影響を受けるのは、アボットのRF(無線)対応植え込み型心臓ペースメーカー、および心臓再同期治療ペースメーカー(CRT-P)で、アメリカ国内で46万5000台が対象になります。日本などアメリカ国外で使われている機器の台数は、不明です。
 一方、植え込み型除細動器(ICD)や両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(CRT-D)は、影響を受けないとしています。
 脆弱性を悪用された場合、他人が市販の機器を使って患者の心臓ペースメーカーに不正アクセスし、バッテリーを急激に消耗させたり、プログラムされた設定を変更したり、機器の心拍数および心拍リズムを不適切に変更したりすれば、患者に危害が及びかねません。
 アボットは、ファームウェアのアップデートでこの脆弱性を修正し、食品医薬品局の承認を8月23日に受けて29日からアメリカで提供を開始しました。8月28日以降に製造された心臓ペースメーカーには、すでに脆弱性を修正したセキュリティパッチが適用されているといいます。
 アップデートは自宅では適用できず、患者が医療機関を受診し、約3分間にわたりバックアップモードにしている間に、ダウンロードとインストールを行う必要があります。ただし、アップデートの適用は、確率は非常に低いもののリスクを伴うことから、食品医薬品局は患者に対し、掛かり付けの医師を受診して、アップデートを適用すべきかどうか相談するよう助言しています。
 セント・ジュード・メディカルの心臓ペースメーカーは、過去にも脆弱性が発覚したことがあります。この時は、自動的に適用されるソフトウェアパッチの配信で対処していました。
 食品医薬品局はペースメーカーなどの医療機器について、「インターネットや病院のネットワーク、ほかの医療機器、スマートフォンなどを経由して相互接続される医療機器が増える中、サイバーセキュリティ脆弱性を悪用されるリスクも増大する」と警鐘を鳴らしています。

 2017年9月3日(日)

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