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■ビールの苦味成分に、肥満による認知症の改善効果 キリンが解明 [健康ダイジェスト]

 ビールの醸造過程で原料のホップから出る苦味成分に、肥満でリスクが高まる認知機能低下を改善する効果があることを、飲料大手のキリンホールディングス傘下の健康技術研究所が解明しました。
 7月にロンドンで開催した国際アルツハイマー病学会で、発表しました。
 この成分は「イソα酸」と呼ばれ、ビール1リットルに10~30ミリグラム程度含まれます。コクや苦味が強いビールのほうが多いといい、キリンは将来的に飲料やサプリメントなどの商品化を目指します。
 最近の研究では、肥満によって認知症のリスクが高まるとされています。健康技術研究所では今回、イソα酸入りの高脂肪の餌を与える認知症モデルマウスと、イソα酸なしの認知症モデルマウスに分けて実験。イソα酸入りの餌を食べたマウスには、老廃物の蓄積による脳内炎症や肥満の抑制作用、認知機能の改善が示されたといいます。
 これまでの疫学などの研究では、適度な量の酒類の摂取は認知症の防御因子として報告されています。特に赤ワインのポリフェノールは認知症への効果に関して多く研究報告がありますが、ビールの成分についてはあまり研究が進んでいませんでした。
 健康技術研究所の担当者は、「健康によくないイメージがあるビールだが、逆によい効果があることがわかった」と話しています。

 2017年9月16日(土)

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■2016年度の概算医療費、41兆2865億円 高額薬値下げで14年ぶりに減少 [健康ダイジェスト]

 2016年度に医療機関に支払われた医療費の速報値となる「概算医療費」は前年度より1762億円少ない41兆2865億円で、2002年度以来14年ぶりに減少に転じました。
 国民1人当たりの医療費も、全体の平均が2000円減って32万5000円になりました。75歳未満では21万8000円、75歳以上は93万円となっています。
 前年度に利用が急増した高額薬の価格引き下げなどが要因です。ただし、75歳以上の医療費は伸び続けており、減少は一時的とみられます。
 厚生労働省が15日、公表しました。概算医療費は、医療保険給付と公費、患者の自己負担分の合計。労災や全額自己負担の治療費は含まず、約1年後に確定値として公表する「国民医療費」の約98%に相当します。
 主な要因が薬局調剤医療費の減少で、2015年度はC型肝炎治療薬「ソバルディ」と「ハーボニー」が相次いで公的保険の対象になりました。1錠約6万~8万円と高額で、同年度の薬局調剤医療費は前年度より9・4%伸びました。
 このため政府は、年間販売額が極めて大きい薬の価格を引き下げるルールを適用し、2016年度はこれらの価格が3割ほど下がりました。こうした薬は長期投薬の必要がなく、完治が見込めることもあり、薬局調剤医療費が前年度より4・8%減の7兆5000億円になりました。
 また、厚労省が使用の推進に取り組んでいる価格の安い後発医薬品、いわゆるジェネリックの2016年度の使用割合は、数量ベースで66・8%と、前の年度より6・8ポイント増えました。
 一方、75歳以上の医療費は伸び続け、前年度から1・2%増えました。厚労省の担当者は、「全体の医療費の減少は一時的なもので、高齢化や医療技術の高度化で費用が増える傾向に変わりはない」とみています。
 来年度は、医療の公定価格となる「診療報酬」の2年に1度の改定期を迎えます。改定率は、来年度以降の医療費の増減を大きく左右します。日本医師会など診療側は人件費確保のためプラス改定を求めているのに対して、保険者側は医療保険の持続のためマイナス改定を求めており、政府が改定率を決める年末にかけて議論が激しくなりそうです。改定作業では高額薬に対処するため、費用対効果によって価格を調整する仕組みなども検討されています。

 2017年9月16日(土)

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