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■うつ病のリスク、魚介類を適度に食べると半減 がん研究センターなどが分析 [健康ダイジェスト]

 青魚などの魚介類を1日に110グラムほど食べると、うつ病のリスクが下がるとの調査結果を国立がん研究センターと慶応大学の研究チームがまとめ、イギリスの科学誌「ネイチャー」の関連誌(電子版)に26日、発表しました。青魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)などの脂肪酸の影響とみられます。
 研究チームは、1990年に長野県佐久市に住んでいた40~59歳の男女約1万2000人を25年間追跡調査し、2014~2015年に実施した「こころの検診」を受けた1181人について、魚介類の摂取量や病歴、生活状況を調べました。1181人のうち、95人(8%)が精神科医にうつ病と診断されていました。
 加工品も含め19種類の魚介類の1日の摂取量に応じて4グループに分けて分析すると、最も少ないグループ(中央値57グラム)に比べ、2番目に多いグループ(中央値111グラム)は、うつ病のリスクが56%低くなりました。統計的に意味のある差は出ませんでしたが、3番目に多いグループ(中央値84グラム)と1番目に多いグループ(中央値153グラム)も、最も少ないグループよりリスクは下がりました。
 エイコサペンタエン酸やドコサペンタエン酸(DPA)といったオメガ3系脂肪酸(n―3系脂肪酸)の摂取量でも同様に分析すると、最も少ないグループ(中央値200ミリグラム)に比べ、2番目に少ないグループ(中央値307ミリグラム)は、うつ病のリスクが46%低くなりました。ただし、ある程度以上の量を摂取するとリスクが上がりました。
 調査を担当した国立がん研究センター・社会と健康研究センター健康支援研究部の松岡豊部長によると、魚介類をたくさん食べる人は野菜を食べる量も多く、揚げたり炒めたりでサラダ油を多く使う傾向があります。サラダ油に含まれるオメガ6系脂肪酸(n―6系脂肪酸)は炎症を起こす作用があり、オメガ3系脂肪酸(n―3系脂肪酸)の効果を打ち消した可能性があるといいます。
 松岡部長は、「心の健康を保つために1日100グラムほどの魚介類を食べてほしい」と話しています。
 一般的にサバの切り身は80グラム程度、イワシは1匹80~100グラムといいます。

 2017年9月27日(水)

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■産婦人科と産科、全国の病院数過去最少 26年連続減、出生数の減少が影響 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は26日、2016年医療施設調査を公表しました。2016年10月1日現在における全国の医療施設総数は18万1052施設で、このうち「休止・1年以上休診中」の施設を除いた「活動中の施設」は17万8911施設で、医療施設総数の98・8%となっています。
 また、産婦人科と産科を掲げていた全国の病院は1332施設(一般病院総数の18・0%)で、前年比21施設減となり、現在の形で統計を取り始めた1972年以降の過去最少を更新しました。26年連続の減少で、内訳は産婦人科が1136施設(一般病院総数の15・4%)、産科が196施設(一般病院総数の2・7%)。
 小児科も前年より24施設少ない2618施設(一般病院総数の35・5%)で、23年連続減となりました。
 厚労省は、「出生数の減少や少子化が影響した。夜間や休日対応が多いなど就業環境の厳しさから医師が不足している状況もある」と分析。産婦人科と産科に関しては、「施術を巡り患者から訴えられる訴訟リスクへの懸念もある」としています。

 2017年9月27日(水)

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■用語 アスリート心臓 [用語(あ行)]

[足]長期にわたり、激しい肉体運動を続けるアスリートなどにみられる心臓の状態
 アスリート心臓とは、長期にわたって激しい肉体運動を続けるマラソン、水泳、ボート、自転車などの持久力を要するアスリート(運動選手、スポーツマン、スポーツ選手)にみられる、心臓が肥大する症状。スポーツ心臓、スポーツ心臓症候群とも呼ばれます。
 1899年、スウェーデンのヘンシェン医師がクロスカントリースキー選手の診察をして、心臓疾患がないのに心臓が大きくなっていることに気付いて、この特異な症状をアスリート心臓と名付けました。
 高血圧や心臓弁膜症などの疾患でも心臓が大きくなりますが、このような病的な心臓とアスリート心臓との最も重要な相違は、病的な心臓では心機能が低下しているのに対して,アスリート心臓では心機能が優れている点です。一般的に、肉体運動を中止すると平常のサイズの心臓に戻ります。
 アスリート心臓の特徴は、心臓自体が球状に大きくなっていくのとともに、不整脈や徐脈など脈拍に変動がみられることが挙げられます。
 一般的な人の場合、安静時の心拍数は1分間に60~80回が正常とされ、安静時の心拍数が50回以下になると、脈拍が遅くなる徐脈性の不整脈である疑いが指摘されます。しかし、アスリート心臓が出現するようなトップアスリートでは、安静時の心拍数が40回を下回ることが少なくなく、中には30回以下という例もあります。一般の人では異常とされる所見も、アスリート心臓の場合には激しい肉体運動によって心臓に構造的、機能的な変化が生じたもので、生理的な適応現象だと考えられています。
 なお、脈拍は徐脈の傾向を示しますが、血圧に関しては、一般の人の血圧とアスリート心臓の人の血圧とには、数値にそれほど大きな違いはみられないとされています。
 アスリート心臓は、いずれの競技種目の選手にもみられるものではなく、種目によって出現しやすさが変わります。比較的多くみられるのは、マラソン、水泳、ボート、自転車、クロスカントリースキー、重量挙げ、柔道などの持久力や耐久力が必要とされる競技種目のアスリートです。
 アスリート心臓の特徴を示すに至るには、アスリート歴が長く、しかもかなりハードなトレーニングを長い期間にわたって続けることが必要になります。ある調査で、1日に10キロほどのジョギングの習慣があり、フルマラソンやトライアスロンのレースにも出場するような市民ランナーを対象に心臓の所見を調べたところ、アスリート心臓の場合と同様に徐脈の傾向はみられたものの、アスリート心臓との所見がみられた例はなかったといいます。
 このことからも、アスリート心臓自体はかなりハードで高度なトレーニングを何年にもわたって続けてきたトップアスリートにのみ出現するものだと考えられています。トップアスリートがアスリート心臓になる確率は、女性が22・5%、男性が7・5%と女性のほうが高くなっています。
 アスリート心臓は競技種目の特性やトレーニングの強度などにより、心肥大型、心拡張型、複合型に分類されます。
 心肥大型は、瞬発力を要するような競技種目のアスリートに多くみられる型です。代表的な競技種目に、重量挙げや柔道、レスリングなどがあります。筋力トレーニングのように、筋肉を急激に縮めるような運動を行うことで心臓にはその圧力の負荷がかかるため、次第に心臓の壁が厚くなっていきます。特に、左心室の壁に筋肉が増えることによる肥厚が顕著となります。また、それに伴って心臓の重さも増します。
 心拡張型は、持久力を要するような競技種目の選手に多くみられる型です。代表的な種目としては、マラソンなどの長距離走や水泳があります。持久性トレーニングのような運動により、運動をしている時には血圧が上昇し、心拍数も増加します。また、1回に心臓から送り出される血液量も増加するため、一度に送り出す血液の容量を増やすという負荷が心臓に加わります。その結果、次第に心臓は容積を増やすように拡張して大きくなります。とりわけ、左心室の内腔に容積の拡大が顕著にみられるという特徴があります。
 複合型は、心肥大型と心拡張型との両方が起こった状態です。代表的な競技種目に、自転車やクロスカントリースキーがあります。競技時間が長く有酸素的な酸素供給量が必要なことと、筋肉が1回当たり出力している時間が他の競技と比べ長いために、心室の壁が厚くなり、かつ心室の容積が増えるタイプの心臓となります。
 心電図にしばしば異常が認められ、不整脈や徐脈など脈拍に変動がみられる場合でも、アスリート心臓と診断される場合には病的なものとはされません。しかし、例えば競技中に突然死する原因の一つとされる肥大型心筋症のように、アスリート心臓と類似した所見を示す疾患が、アスリート心臓と誤診される可能性がないわけではありません。
 定期的に検診やメディカルチェックを受けるようにして、必要な場合にはきちんと治療を受けておくようにすることが大切です。
[足]アスリート心臓の検査と診断と治療
 循環器科、内科循環器科、内科などの医師による診断では、アスリート歴、病歴を問診した上、聴診、心電図検査、胸部X線検査を行います。
 アスリート心臓の特徴である聴診時の心雑音、安静時の心拍数が1分間に40~50回未満の徐脈、胸全体の大きさに対して心臓が占める割合である心胸郭比50%超を認める場合は、アスリート心臓である可能性が高いと判断します。
 過去に心筋症や不整脈がなかったことを確認できない場合は、特発性拡張型心筋症、肥大型心筋症などがアスリートにとっての突然死の原因となり得るため、心エコー検査、24時間ホルター心電図検査、運動負荷心電図検査などを追加して精密検査を行い、重篤な心疾患との鑑別を行います。
 循環器科、内科循環器科、内科などの医師による治療では、一般に経過が良好なため、処置を行いません。アスリート心臓における変化は可逆的なのが特徴で、トレーニングを中止するとアスリート心臓にみられる特徴の多くはみられなくなります。

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■用語 低血糖 [用語(た行)]

[ゴルフ]糖尿病の薬が効きすぎるなどにより、血液に含まれる糖が少なくなりすぎて特有の症状が現れる状態
 低血糖とは、糖尿病の薬が効きすぎるなどにより、血液に含まれる糖(ブドウ糖)が少なくなりすぎて特有の症状が現れる状態。糖尿病を薬で治療している人に高い頻度でみられます。
 血液に含まれる糖は、生きるために欠かせないエネルギー源。糖尿病でない人の血液に含まれる糖の量、すなわち血糖値は約70mg/dLから140mg/dLの間に維持されています。しかし、糖尿病ではこの糖の量を一定に維持することができません。食事から取り入れた糖を体や脳のエネルギーとして消費するという需要と供給のバランスが崩れ、血液中の糖が増えすぎると高血糖、逆に薬が効きすぎるなどして血液中の糖が少なくなりすぎると低血糖になります。
 一般に、血糖値が70mg/dL以下になると、人の体は血糖値を上げようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経が糖不足、すなわちエネルギー不足の状態になります。その時に現れる特有の症状を低血糖症状といいます。
 人によっては、血糖値が70mg/dL以下にならない場合でも、治療などによって血糖値を下げるインスリンの過剰な状態になった時に血糖値が急激に大きく下がることで、低血糖症状が現れることがあります。逆に、血糖値が70mg/dL以下になった場合でも、低血糖症状が現れない人もいます。
 低血糖になる原因は、いくつか考えられます。食事の量や炭水化物の不足、糖尿病の薬を服用した後の食事時間の遅れ、運動の量や時間が多い時の運動中や運動後、空腹での運動、インスリン注射や経口血糖降下剤の量の多すぎ、飲酒、入浴など。
 低血糖の時には、その値に応じて、体にさまざまな低血糖症状が現れます。集中できなかったり、いつもしていることに時間がかかってしまう場合は、低血糖の可能性もあります。
 睡眠中に低血糖が起きていても、気付かない場合が多々あります。日中に起きる低血糖と症状や原因が異なり、寝る前の運動や食事、入浴などのちょっとした行動が原因になることもあります。さらに、夜間低血糖を起こすと、その反動で翌朝、高血糖になることがあり、その高血糖が尾を引くと一日の血糖コントロールに悪影響を及ぼすことも少なくありません。
 血糖値が約70mg/dL以下になると、交感神経症状が現れ、異常な空腹感、発汗、手の震え、動悸(どうき)などの症状が出てきます。さらに血糖値が下がり50mg/dL程度になると、中枢神経症状が現れます。
 ただし、ふだんから低血糖がよく起こる人や、低血糖症状の自覚が少ない人は、空腹感、発汗などの交感神経症状が現れないまま、無自覚性低血糖になることがあります。無自覚性低血糖の状況になると、血糖値を測ると60mg/dL程度まで低下していることに気付いたり、血糖値が50mg/dLより低くなって、突然さらに重い中枢神経症状が現れ、意識障害を示すことがあります。
 そして、血糖値が30mg/dLよりも低くなると、重症低血糖に陥って意識レベルが低下し、昏睡(こんすい)など意識のない危険な状態になってしまうことがあります。これは大変深刻な状態で、死に至ることもあります。
 低血糖になった時は、できるだけ早い段階で速やかに対応をしなければなりません。意識があり経口摂取が可能な時は、砂糖15グラムから20グラムを飲みます。糖分を含む缶ジュース、缶コーヒーでも構いません。10分から15分で回復しない時は、再度同量を摂取します。
 α-グルコシダーゼ阻害剤であるアカルボース(商品名:グルコバイ等)、ボグリボース(商品名:ベイスン等)、ミグリトール(商品名:セイブル)など、消化管の二糖類をブドウ糖に分解する消化酵素の働きを抑えることで血糖の急激な上昇を抑える糖尿病の薬を飲んでいて低血糖を起こした時には、砂糖を飲んでもすぐに吸収されないため、回復に時間がかかることがあります。
 そのため、低血糖時にはブドウ糖、またはブドウ糖を多く含む清涼飲料水を飲むようにします。
 深刻な低血糖で意識障害を来した時には、自身でブドウ糖を飲み込むのが難しいことがあり、家族や周囲の協力が必要になります。その場合は、無理にブドウ糖を飲ませると、誤嚥(ごえん)や窒息の原因になります。周囲の人は、ブドウ糖や砂糖を水で溶かして、口唇と歯肉の間に塗り付けます。
 医療機関の指導を受けた上で、周囲の人が血糖値を上げるためのグルカゴンという注射を行うこともあります。肝臓のグリコーゲンを分解し、ブドウ糖を放出する作用があるグルカゴン注射で回復した後は、軽く経口摂取しておくことが必要です。なお、アルコールの飲みすぎで低血糖になった時は、肝臓内のグリコーゲンが枯渇しており、グルカゴン注射は効きません。
 救急処置でも回復しない時は、すぐに救急車を呼び、医療機関へ搬送しましょう。
 意識がはっきりしない状態にまでなった低血糖は、一時的に血糖値が改善してもその後にまた血糖値が下がり、同じ症状が現れる可能性が高くなります。低血糖が続く場合も、必ず医療機関で診察を受けましょう。
[ゴルフ]低血糖の検査と診断と治療
 内科、内分泌代謝内科などの医師による診断では、低血糖症状があってもなくても、血糖値が70mg/dLより低い場合、血糖値が70mg/dLより高くても、低血糖症状がある場合に、低血糖と判断します。
 意識障害で重症低血糖の患者が搬送されてきた場合には直ちに緊急の処置を行いますが、それでも可能であれば血液検査を行い、血糖値を確認します。
 内科、内分泌代謝内科などの医師による治療では、意識が保持され経口摂取が可能な場合には、ブドウ糖10〜20グラムを経口摂取します。
 低血糖昏睡を起こし経口摂取が不可能な場合には、まず50%のブドウ糖液 20〜40 mlを静注し、その後5%のブドウ糖を点滴し、血糖値を100~200 mg/dlに保ちます。
 特にスルホニル尿素薬(SU薬)を内服している場合には、ブドウ糖液の静注で血糖が上昇したからといって安心せず、数時間後に再発することがあるため、入院の上で十分な管理を行います。
 低血糖に関しては、予防に優る治療はありません。食事を規則正しく摂取する、食前の過激な運動は避ける、運動前に補食するなどの注意が必要です。
 また、自身が糖尿病治療のために使用している薬が、低血糖を起こしやすいか否かを把握することも、必要です。一般に低血糖を起こしやすい薬は、スルホニル尿素薬(SU薬)とインスリンです。ほかのアカルボース、ボグリボース、ミグリトールなどの薬でも起こることがあります。インスリン注射は、正しい手技を身に着けておくことが重要です。
 軽い低血糖症状が現れた時は、できるだけ早い段階で速やかに対処して、重症低血糖を防ぎます。無自覚低血糖を起こすようなケースでは、こまめに血糖を自己測定し、血糖が下がっていれば症状がなくても早めに対処することが必要です。
 低血糖を起こした時、いつ、どこにいてもすぐに対処できるように、ペットシュガーやブドウ糖ゼリーなどを常時携帯しておきます。特に運動療法で外出するような時は忘れずに持っていきます。
 もしもの時に備えて、糖尿病患者であることを示す糖尿病手帳や、携帯用の糖尿病患者用IDカード(緊急連絡用カード)を常に携行しておけば、昏睡で医療機関に搬送された時でもすぐに適切な処置が受けられます。

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