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■黄砂飛来の翌日、急性心筋梗塞のリスク1・46倍に 熊本大などが調査 [健康ダイジェスト]

 春を中心にアジア大陸の砂が季節風で日本に運ばれてくる黄砂が観測された翌日に、急性心筋梗塞(こうそく)を発症するリスクが高まることが、熊本大学と国立環境研究所などの研究で明らかになりました。研究チームが4日、ヨーロッパの循環器専門誌で発表しました。
 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に酸素を送る冠動脈が詰まり、突然胸などに激しい痛みが起きます。研究チームは、2010年4月から2015年3月末までに熊本県内で発症した急性心筋梗塞の患者3713人のデータと、その間に熊本地方気象台で黄砂を観測した計41日間との関連を調べました。
 その結果、黄砂が観測された日の翌日に急性心筋梗塞を発症した人数は、黄砂がなかった日の翌日に発症した人の数と比べて1・46倍でした。また、急性心筋梗塞を発症しやすい要因と併せてみると、慢性腎臓病が持病の人が黄砂観測の翌日に発症するリスクは2・07倍、糖尿病が持病の人で1・79倍、75歳以上の人で1・71倍でした。
 黄砂が急性心筋梗塞の原因となっているかは不明ですが、発症の引き金になっている可能性があるといいます。
 熊本大の小島淳(すなお)特任准教授は、「黄砂やそれに付着した汚染物質を吸い込むことで、体内で酸化ストレスや炎症を起こすと推定される。もともと心筋梗塞を起こすリスクの高い人は黄砂が発症を引き起こす切っ掛けになっている可能性がある」と話し、今後、黄砂に付着した大気汚染物質による影響などを詳しく調べるといいます。

 2017年9月6日(水)

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■アルツハイマー病、腕から採取した血液で診断 京都府立医大が開発 [健康ダイジェスト]

 認知症の7割を占めるとされるアルツハイマー病を腕から採取した血液を使って診断できる方法を開発したと、京都府立医科大(京都市上京区)の徳田隆彦教授(神経内科学)らの研究チームが発表しました。
 実用化されれば、患者の早期発見につながるといいます。4日付でイギリスの科学誌電子版に掲載されました。
 アルツハイマー病は、脳内の神経細胞に「リン酸化タウ」などのタンパク質が蓄積して、神経細胞を壊していくことで発症するとされます。診断には、脳脊髄液を背中に針を刺して採取する方法などがありますが、患者に大きな負担がかかります。
 今回、研究チームはアメリカで開発された高感度の装置を使い、タンパク質をとらえる免疫物質や試薬の組み合わせを検討することで、微量の血液からタンパク質を検出する方法を開発。この方法で60~80歳代の患者20人と症状が出ていない15人の血液を比較したところ、患者側の血液からタンパク質が平均で4倍程度多く検出する傾向がみられました。
 研究チームでは今後、ほかの大学と共同で大規模な検証を実施する予定。徳田教授は「新手法は体への負担が少なく簡便で、正確、迅速に判別できる。健康診断で患者を早期に見付けたり、数値の変化に基づいて将来の発症を予測したりできる可能性がある」としています。
 東京大学の岩坪威教授(神経病理学)は、「アルツハイマー病は薬や生活習慣の改善で進行を遅らせることが期待できるため、簡単な手法で検査できれば意義は大きい。検証を重ね、診断の精度を上げることが期待される」と話しています。

 2017年9月6日(水)

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