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■電子たばこを使っての禁煙、使わない人より成功率が4割低い 国立がん研究センターが調査 [健康ダイジェスト]

 禁煙の補助として電子たばこを使って、紙巻きたばこの禁煙に取り組んだ人は、電子たばこを使わなかった人に比べて禁煙成功率が低いことが、国立がん研究センターによるインターネット調査で明らかになりました。
 担当者は、「禁煙目的で売られているものもあるが、その手段として推奨すべきではない」と指摘しています。
 過去5年間に禁煙に取り組んだとする20~69歳の男女798人を対象に、2015年1~2月、インターネット上で調査しました。禁煙補助剤や禁煙外来など、どの禁煙方法を試したかと禁煙できたかを聞きました。
 その結果、電子たばこを使った159人のうち禁煙に成功したのは39人。喫煙開始年齢や婚姻状況などの影響を差し引いて計算すると、電子たばこを使った人の禁煙成功率は使わなかった人に比べて、37%低くなりました。
 これに対し、禁煙外来でニコチンを含まない治療薬の処方を受けた人は、受けていない人より禁煙成功率が86%高くなりました。また、既婚者と比べ、未婚者は40%、離婚や死別を経験した人は57%禁煙成功率が低くなりました。
 電子たばこは、ニコチンや香料などを含む溶液を加熱し、気化した蒸気を吸うもの。ニコチンの製造・販売は法律で規制されていますが、ニコチン入り溶液は個人輸入されています。禁煙ツールとして人気があるものの、その効果は証明されていません。
 厚生労働省の「たばこ白書」は、電子たばこの一部製品に発がん性物質が含まれるとし、「健康影響に懸念がある」と評価しています。
 国立がん研究センターの吉見逸郎主任研究員は、「電子たばこには禁煙を奨励する側面がある。一方で喫煙者を惑わし、より効果的な禁煙方法から遠ざけるという悪影響を及ぼす可能性もある。自力でたばこをやめられない時は、医師や薬剤師に相談してほしい」と話しています。

 2017年12月19日(火)

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■がん診断に役立つ微小物質をわずかな尿から検出 名古屋大が技術を開発 [健康ダイジェスト]

 名古屋大学の馬場嘉信教授と安井隆雄助教らは、がんなどの診断に役立つ「マイクロRNA(リボ核酸)」と呼ぶ微小物質をわずかな尿から取り出す技術を開発しました。
 1ミリリットの尿から、1000種類のマイクロRNAを検出できました。中には、肺や膵臓(すいぞう)など5種類のがんを見分けられるマイクロRNAもありました。健康診断で採取し余った尿を使って、さまざまな病気を早期発見するのに役立つといいます。
 国立がん研究センターなどとの共同研究の成果で、10年後の実用化を目指します。
 マイクロRNAは、がんや正常な細胞から分泌され、細胞の種類によって特有のものが分泌されます。約2000種類が見付かっており、がんや心臓病、認知症などの診断に生かす研究が活発です。血液から検出する技術が進む一方、尿からは200種類ほどしか見分けられていませんでした。
 研究チームは、長さが2マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの酸化亜鉛でできた微細な針金を樹脂の表面に大量に敷き詰め、尿に含まれるマイクロRNAを静電気で引き寄せて集める装置を開発ました。
 この装置を用いて、肺や膵臓、肝臓、ぼうこう、前立腺のがん患者と健康な人の尿をそれぞれ3人ずつ調べたところ、がんに特有のマイクロRNAを見付けられました。今後、ほかのがんや病気についても調べます。
 研究成果は15日付けで、アメリカの科学誌「サイエンス・アドバンシズ」(電子版)に発表されました。

 2017年12月19日(火)

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