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■不正を防止するための臨床研究法、4月1日に施行 研究者側にデータの点検を義務付け [健康ダイジェスト]

 資金提供した製薬企業の医薬品を使った臨床研究などについて、不正を防止するための臨床研究法が1日、施行されました。研究者側にデータの点検を義務付ける一方、製薬企業は資金提供に関する情報を公開しなければなりません。製薬企業と大学との「薬とカネ」を巡る不祥事が相次いだ臨床研究の適正化が期待されます。
 臨床研究法は、医薬品などの臨床研究のうち、製薬企業から提供を受けた資金や、国の未承認薬などを使って行うものを「特定臨床研究」と規定。研究者に対し、データを操作するなど不正が行われないようモニタリングや監査を義務付けました。大学や病院など研究機関に設置した専門家らによる「認定臨床研究審査委員会」に研究計画を提出し、モニタリング方法などが適正か審査を受けなければなりません。データは5年間の保存を義務付けました。
 製薬企業などには、特定臨床研究を行う研究者側に提供した資金に関する情報の公開を義務化。内容は研究資金、寄付金、原稿執筆料や講師謝金などで、毎年度公表し、期間は5年と定めました。違反すると国が企業に勧告し、従わないと企業名が公表されます。
 研究に参加した患者が予期せず死亡したり、障害が発生したりするなど重篤な症状が出た場合、国への報告も義務付けました。国による研究の中止命令に違反した研究者には、懲役3年以下、罰金300万円以下の罰則が科せられます
 医薬品の臨床研究を巡っては、製薬大手ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」(商品名ディオバン)を使った臨床研究でデータ改ざんなどが相次いで発覚。この問題は、ノバルティスファーマの依頼で臨床研究をした大学の研究者が、降圧剤としての効能自体ではなく、高血圧以外の疾病、例えば、心疾患などに対しても効能があるとする論文を発表し、それが医学専門誌等での広告宣伝に使われたことで、他社の同種薬より優れているとの認識を医療関係者に持たせました。ところが、その根拠となった臨床試験のデータが不正に作られていたことが判明し、論文が撤回されたというものです。
 この問題を受け、不正防止のため臨床研究法が、2017年4月に成立しました。

 2018年4月2日(月)

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■2017年の医療事故報告、過去最多の4095件 医療機能評価機構が発表 [健康ダイジェスト]

 日本医療機能評価機構(東京都千代田区)は3月29日、2017年に全国の医療機関から報告があった医療事故は前年比213件増の4095件で、年単位の集計を始めた2005年以降で最多を更新したと発表しました。
 2017年末時点の参加医療機関は全国1049施設で、報告があったのは375施設。医療事故を報告する意識が医療現場で高まっていることが、報告件数の増加の要因とみられます。
 日本医療機能評価機構によると、法令に基づき報告が義務付けられている大学病院や国立病院機構の病院は276施設で、3598件の報告がありました。このほか、任意で773施設から497件の医療事故の報告がありました。
 大学病院などからの報告のうち、死亡事例は261件(7・3%)、患者に障害が残る可能性が高い事例は361件(10・0%)でした。
 事故の内容別では、患者の転倒など「療養上の世話」(41・0%)が最も多く、手術ミスなどの「治療や処置」(26・7%)が続きました。

 2018年4月2日(月)

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■ES細胞で初の治験申請、肝臓病の乳児に移植 成育医療研究センター [健康ダイジェスト]

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は、ES細胞(胚性幹細胞)から作製した肝細胞を、生まれ付き重い肝臓病のある乳児に移植する医師主導の治験(臨床試験)を国に申請しました。申請は3月28日付け。
 体外受精で作成された受精後5~7日の受精卵から一部の細胞を取り出し、培養して作るES細胞を使った国内での人を対象にした研究は初めてで、世界的にも肝臓への移植は初めて。安全性と有効性を検証し、肝臓の再生医療製品の開発につなげる方針です。
 治験対象は、肝臓で特定の酵素が働かないため、毒性のあるアンモニアが分解されずに血液中にたまる「尿素サイクル異常症」の乳児。肝臓移植が根本的な治療ですが、肝臓の大きさから生後3カ月以降でなければ行えず、それまでに亡くなってしまうケースもあります。
 計画では、来年までに5人の乳児を対象に、ES細胞から作製した正常な肝細胞を、肝臓につながる腹部の血管に注入します。体調が安定したら肝臓移植を行います。この時に摘出した肝臓を調べ、移植した肝細胞が定着して機能したか検証します。
 治験責任者の福田晃也・国立成育医療研究センター移植外科医長は、「有効性と安全性を確認できれば、急性肝不全など他の病気の治療に拡大したい」と話しています。

 2018年4月1日(日)

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