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■無痛分娩、麻酔後30分は医師が確認を 厚労省研究班が安全実施へ提言 [健康ダイジェスト]

 麻酔を使って妊婦の陣痛を和らげる無痛分娩(ぶんべん)について、厚生労働省の研究班は安全に実施するための手順や管理体制などを示した提言をまとめました。
 無痛分娩については、妊婦や新生児の死亡や障害が相次いで発覚した一方で、麻酔を投与した後の管理手順が定められていないなどの課題が指摘されてきました。
 29日、厚労省の研究班は提言を公表し、麻酔による中毒症状などへの対応が遅れないよう、麻酔の投与から30分間は担当医師が妊婦の呼吸や脈拍などを記録し状態を確認することや、産後3時間が経過するまでは、医師が5分程度で駆け付けられる体制を取るよう求めています。
 また、麻酔を担当する医師は2年に1回程度、麻酔についての研修を受け、医療機関のホームページなどで研修の受講歴や無痛分娩の実施件数を公開することも求めています。
 この提言は関連する学会などを通じて、全国の医療機関に周知されることになっています。
 一方、研究班では無痛分娩による事故の発生割合を調べようとしましたが、アンケート調査の回答率が低く十分な調査ができなかったとしたほか、無痛分娩を実施する医師に新たな認定資格の取得を義務付ける案も検討しましたが、すでに実施している医師に参加を促すのは難しいなどとして見送られました。
 研究班の代表で北里大学病院の海野信也病院長は、「無痛分娩は急速に普及しているので、今回の提言を第一歩として引き続き安全体制の構築に努めたい」と話しています。

 2018年3月31日(土)

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■引きこもり、年齢が高くなり期間も長期化 家族調査で過去最高に [健康ダイジェスト]

 引きこもりの人の年齢が高くなり、期間も長期化していることが、親や本人でつくる「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(東京都豊島区)の調査で明らかになりました。
 この調査は、昨年11月〜今年1月、全国の支部の家族らを対象に実施し、約550人が回答しました。
 それによると、引きこもりの本人の平均年齢は34・4歳、引きこもっている平均期間は11年8カ月で、いずれも同連合会の調査では過去最高でした。
 本人が支援機関や病院を利用しているかどうか聞いた質問では、「利用していない」が41・1%と最多でした。次いで、「継続的に利用している」が29・6%、「継続的に利用していない」が28・4%で続きました。支援機関につながらないまま、引きこもりの期間が長期化し、結果として年齢も上がっていることがうかがえました。
 これとは別に、自治体の困窮者相談の窓口に行った調査では、対応したことがある引きこもりの人の年齢は、40歳代が最多でした。
 同連合会の伊藤正俊・共同代表は、「80歳代の親と50歳代の子供が孤立し、ゆき詰まっている。社会の問題として発信していきたい」と話しています。

 2018年3月31日(土)

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■京大、iPS細胞の論文不正で助教を懲戒解雇 所長の山中教授も処分 [健康ダイジェスト]

 京都大学iPS細胞研究所の助教が発表した論文に、捏造(ねつぞう)などの不正があった問題で、京都大学は28日、この助教を懲戒解雇にするとともに、所長の山中伸弥教授も監督責任があるとして処分しました。
 京都大学は今年1月、iPS細胞研究所の山水康平(やまみず・こうへい)・特定拠点助教(36歳)が、昨年2月に発表したiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する論文の11のデータに捏造と改ざんがあったと公表し、関係者の処分を検討していました。
 京都大学は、「論文の根幹をなす部分において有利な方向に操作されていた」とし、山水助教について「大学の信用を傷付ける行為」をしたとして、28日付けで懲戒解雇の処分にしました。
 また、iPS細胞研究所の所長の山中伸弥教授については、監督責任があるとして処分しましたが、京都大学は訓告や厳重注意、注意の処分は公開基準に満たないとして、詳しい内容は明らかにしませんでした。
 不正が認定されたのは、人のiPS細胞から脳血管内皮細胞を作製し、血液中の薬物や有害物質が脳に入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能を持つ構造体を作製することに成功したとする論文。創薬研究に利用できれば、アルツハイマー病などの治療に役立つ可能性があるとしました。山水助教は、任期が決まっている非正規雇用の研究者という立場ながら、筆頭・責任著者でした。昨年2月24日にアメリカの科学誌「ステムセル・リポーツ」の電子版に発表され、3月に同じ科学誌に掲載されました。
 iPS細胞から作製した脳血管内皮細胞で、細胞に特有の遺伝子が働いているかどうかを解析し、論文では有意に高いことが示されましたが、研究室に残されたデータではその結果は出ませんでした。また、生体内の血液脳関門と同じようなバリアー機能があるか調べる薬物透過性試験でも、論旨に沿うようにグラフを作成するなどしていました。
 iPS細胞研究所の山中伸弥教授は、「今回の処分を真摯(しんし)に受け止めるとともに、所長として事態を未然に防ぐことができなかった責任を痛感し、自主的に、当面の給与相当額をiPS細胞研究基金へ寄付します。今後研究倫理への取り組みをより一層強化し、信頼回復に努めて参ります」とコメントしました。

 2018年3月29日(木)

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■日医工、エーザイ子会社買収 後発薬1位の座を固める [健康ダイジェスト]

 後発薬大手の日医工が新たなM&A(合併・買収)に踏み切り、新薬大手のエーザイの子会社エルメッドエーザイ(東京都豊島区)を約170億円で買収すると発表しました。薬価引き下げ圧力が強まり、競争環境が厳しさを増す中、さらなる規模拡大で収益の確保を図ります。
 沢井製薬や東和薬品を引き離して国内後発薬1位の座を固め、将来は世界トップ10入りを目指します。
 日医工の田村友一社長は28日、本社で開いた記者会見で「ジェネリック(後発)医薬品は規模で戦う時代だ」と強調しました。
 同社はまず4月に、エルメッドエーザイの株式の20%を取得。薬の成分となる原薬事業や販売促進の協業の成果を見ながら段階的に株式の取得を進め、2019年4月に完全子会社とする予定です。
 エルメッドエーザイは、高脂血症薬や降圧剤など約190品目の後発薬を扱います。2017年3月期の売上高は、前期比2%減の約280億円。競争が激しく、近年は業績が伸び悩んでいました。
 日医工によると、エルメッドエーザイの買収で国内シェアは約15・8%(2017年9月時点で計算)となり、沢井製薬をかわして1位の座を固めます。2021年3月期までには20%を目指します。両社を合わせると国内シェアが5割を超える品目が11あるため市場優位性が高まり、薬の原材料の共同購買で調達コスト低減も見込みます。
 日医工はこれまでも、後発薬事業を中心にM&Aを繰り返してきました。2004年にマルコ製薬の事業を引き継いだほか、2008年にはテイコクメディックス、2014年にはアステラス製薬子会社の工場を買収。2016年にはアメリカのセージェント・ファーマシューティカルズを買収しました。
 2004年11月期に182億円だった連結売上高は、2017年3月期で1633億円に増え、2018年3月期は2000億円を見込みます。
 規模拡大を急ぐ背景にあるのが、市場環境の変化。政府は後発薬シェアを2020年9月までに80%以上に高める目標を掲げる一方、膨張する医療費を抑えるため、これまで2年に1度だった薬価改定を2021年度から1年に1度へ改める方針です。田村社長はもともと安価な後発薬についても、「価格プレッシャーが増している」と危機感を示しています。
 後発薬事業からの撤退により事業を絞り込み、認知症などの新薬開発へ経営資源を集中させるエーザイとの戦略提携も進めます。2018年10月以降、エーザイが持つ「地域包括ケア」にかかわる医療機関や薬局向けの販路を生かし、日医工ブランドの製剤品を販売します。
 政府は介護から医療まで地域一体で高齢者らを支える地域包括ケア構想を進めており、この領域の需要開拓は製薬会社の共通課題です。田村社長は「他のジェネリックメーカーと違うアプローチができる」と期待しています。国内では珍しいケースとなる新薬大手と後発薬大手の連携効果を引き出します。
 今後の課題は、海外市場の開拓。国内首位の座を固める日医工も、世界の後発薬市場ではトップ10以内に入りません。国内市場の伸びが鈍る動きがみられる中、海外で新たなM&Aに踏み出す可能性もあります。

 2018年3月29日(木)

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