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■幹細胞でウサギの心筋梗塞が改善 岐阜大・東北大、臨床試験を開始 [健康ダイジェスト]

 岐阜大学大学院の湊口信也教授と東北大学大学院の出澤真理教授らは6日、「Muse(ミューズ)細胞」と呼ばれる幹細胞を使い、急性心筋梗塞のウサギを治療できたと発表しました。病気を起こしたウサギに、別のウサギや人から取り出したMuse細胞を点滴で投与しました。心機能の回復などの効果が、半年以上の長期にわたって確認できたといいます。
 Muse細胞は、出澤教授らが見付けた幹細胞の一種で、体内の骨髄などにわずかに含まれ、体のさまざまな組織の細胞に育つ能力があるとされます。
 実験には、ウサギや人の骨髄から取り出したMuse細胞を使いました。急性心筋梗塞を起こし たウサギに、約30万個のMuse細胞を点滴で投与しました。病気のウサギ自身の細胞だけでなく、別個体のウサギや人のMuse細胞の投与でも、2週間ほどで心臓のポンプ機能を回復させ、心筋梗塞が起きた部位を縮小させる効果が同程度あることがわかったといいます。
 投与したMuse細胞は、心臓の障害が起こった部位に集まり、心筋の一部に育ったとみられました。細胞が壊れた時に膜の一部が変化してできる物質のシグナルを受け取って、Muse細胞が引き寄せられると研究チームは分析しています。
 東北大学の出澤教授は、「体に備わる修復機構を最大限に活用した『修復医療』という考え方を提示していきたい」と話していました。
 この岐阜大学と東北大学の研究チームの成果などを基に、三菱ケミカルホールディングス傘下の生命科学インスティテュート(東京都千代田区)が中心となって、心筋梗塞の治療で臨床試験(治験)を今年1月から始めています。今年中に心筋梗塞の患者6人にMuse細胞を投与するということで、同社は2021年の実用化を目指しています。

 2018年3月9日(金)

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■マダニ媒介の感染症、前年比1・5倍 この5年間で最多 [健康ダイジェスト]

 マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と呼ばれる感染症を発症したとして報告された昨年の全国の患者数は89人と、前の年の約1・5倍となり、この5年間で最も多かったことが、国立感染症研究所のまとめで明らかになりました。
 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つ野外のマダニにかまれることで感染し、6日~14日後に発熱や下痢などの症状が引き起こされます。重症の場合は死に至ることもあり、国内での致死率は約20%に上るとされています。
 国立感染症研究所のまとめによりますと、昨年、SFTSを発症したとして全国から報告された患者の数は89人と、前の年に報告された60人の約1・5倍となり、統計を取っているこの5年間で最も多くなりました。死亡者は7人で、前の年の8人から1人減りました。
 都道府県別では、宮崎県で13人と最も多く、次いで山口県で12人、長崎県と鹿児島県で11人と西日本を中心に20府県から報告されました。
 また、初めて大阪府と福井県で患者が報告されたほか、SFTSが犬や猫から人に感染した例も初めて報告されました。
 国立感染症研究所の西條政幸部長は、「SFTSを疑って診断する医師が増えたことに加え、マダニの活動も活発だった可能性がある。これから登山や農作業などで草むらに入る人が増える季節になるが、長袖と長ズボンを着用するなどマダニにかまれない対策を十分にしてほしい」と話しています。

 2018年3月9日(金)
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■インフルエンザ新治療薬「ゾフルーザ」、14日から保険適用 服用1回で治療が完結 [健康ダイジェスト]

 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は7日、塩野義製薬のインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の14日からの保険適用を承認しました。口から飲む錠剤タイプで、1回の服用で治療できる点に特徴があります。飲み忘れを防ぎ、高齢者などへの身体的負担が軽くなるといった効果が期待できます。
 薬価(薬の公定価格)は10ミリグラムが約1500円、20ミリグラムが約2400円。体重が40キロから60キロの大人の場合、服用量は20ミリグラム錠2錠、12歳未満の体重15キロの子供なら10ミリグラム1錠となります。新薬のため、既存薬のタミフル(大人向け錠剤、5日分約2800円前後)と比べると割高。4800円、1500円のうち患者負担は1〜3割(自治体の子供への補助制度などは考慮しない場合)となります。
 塩野義製薬が販売するインフルエンザ治療薬インフル薬は、2010年に発売した「ラピアクタ」に続いて2品目。タミフルなど既存の治療薬はウイルスの増殖を阻害する効果がないため、1日2回、計5日間は治療を継続する必要があります。一方、ゾフルーザはウイルスが自分を複製するための酵素を阻害します。細胞内で増殖できなくなるので、1回の服用で治療が完結する仕組みとなっています。
 ゾフルーザは、厚労省が2015年に創設した「先駆け審査指定制度」に指定されていました。画期的な医薬品や医療機器を早期に実用化するため審査期間を短くする制度で、医療機器ではノーベルファーマ(東京都中央区)の「チタンブリッジ」が承認されていますが、医薬品ではゾフルーザが第1号となります。

 2018年3月9日(金)

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