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■8K画像の内視鏡で世界初の大腸がん手術を実施 国立がん研究センターなど [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターとオリンパスなど4者は14日、8K技術を活用した新しい腹腔(ふくくう)鏡システムを開発し、大腸がんを対象にした臨床試験の手術を実施したと発表しました。
 8K技術による人を対象とした臨床試験は世界で初めてで、手術の安全性・根治性向上が期待できます。
 新しい腹腔鏡システムは、従来のハイビジョン(2K)の16倍に当たる3300万画素のスーパーハイビジョンの超高精細映像を活用したもので、8K硬性内視鏡と内視鏡の全体像を見る8Kモニター、拡大像を見る4Kモニターなどで構成しています。85度という広い視野角(2Kは30度)により、患部にカメラが接近する必要がなく、広い手術スペースを確保して機器の干渉防止といった安全性を高められます。
 国立がん研究センター中央病院で実施された臨床試験の手術では、麻酔をかけた大腸がんの女性の腹腔に内視鏡の先端を入れて固定し、医師は2つのモニターに映し出された全体の映像と一部を拡大した映像を見ながら、大腸の腫瘍を切除しました。
 視力で表せば4・27に相当する8Kの内視鏡を使うと、これまでは見えなかった細い血管も見えるため出血を減らせるほか、拡大してもはっきりと見えるため、内視鏡の先端を近付ける必要がなく、メスなどの機器の操作がスムーズになったとしており、手術は無事に終わったということです。
 国立がん研究センターなどでは、この8Kの内視鏡を使った手術を来年度までに25例実施し、安全性と有効性を確認した上で医療機器として国に申請したいとしています。
 執刀した塚本俊輔医師は、「思った以上にきれいに見えて驚いた。手術の安全性を高めるための大きな一歩になったと思う」と話していました。
 新しい腹腔鏡システムの開発には、国立がん研究センター、オリンパスのほか、NHKエンジニアリングシステム、NTTデータ経営研究所が参画しており、2016年度にシステムの開発を始め、試作品での動物実験、安全性検査などを検証してきました。

 2018年3月17日(土)

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