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■異常な免疫細胞を制御性細胞に変換する化合物を発見 京都大など [健康ダイジェスト]

 体内の臓器などを誤って攻撃する異常な免疫細胞を、免疫反応にブレーキをかける正反対の免疫細胞に変える化合物を発見したと、京都大学やアステラス製薬(東京都中央区)の研究チームが発表しました。免疫異常で起きる関節リウマチなどの新薬開発につながる可能性があります。
 論文は、国際科学誌「サイエンス・イムノロジー」電子版に掲載されました。
 免疫は、ウイルスや細菌などの異物を攻撃し、体を守る仕組み。しかし、体を攻撃する異常な免疫細胞が作られることがあり、重い皮膚炎や1型糖尿病、関節リウマチなどの自己免疫疾患の原因にもなります。一方、免疫細胞の中には、異常な免疫反応を抑える「制御性T細胞(Tレグ)」もあります。
 Tレグ発見者として知られる京都大ウイルス・再生医科学研究所の坂口志文客員教授らは、アステラス製薬が持つ約5000種類の化合物を調べ、異常な免疫細胞をTレグに変化させる化合物を見付け出しました。
 マウスに化合物を1日1回ずつ約2週間飲ませたところ、何もしなかったマウスより症状が抑えられました。目立った副作用もみられなかったといいます。
 この化合物には、Tレグで働く遺伝子を活性化させる作用があるため、異常な免疫細胞の一部がTレグに変わったとみられます
 坂口客員教授は、「今後は変換効率を高め、副作用が強い免疫抑制剤に代わる薬を開発したい」と話しています。
  吉村昭彦・慶応大教授(免疫学)は、 「体内でTレグを増やす画期的な方法だ。薬として応用するには、化合物の副作用をより慎重に調べる必要がある」と話しています。

 2019年10月28日(月)

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■男性国家公務員に1カ月以上の育休取得を促す 政府方針 [健康ダイジェスト]

 政府は国家公務員の男性職員について、原則として1カ月以上の育児休業の取得を促す方針です。取得をためらわないように職場ごとに仕事の分担などの計画をつくり、課長補佐以上の人事評価に反映して実効性を高める案を軸として、2020年度の実施を目指します。地方自治体や民間企業への波及を見込み、男性と女性がともに子育てをしやすい環境を整えます。
 内閣官房にある内閣人事局を中心に有識者から意見を聞いて検討を進め、年内にも具体的な制度を固める予定。人事院によると、2018年度に育児休業を取った男性の国家公務員(一般職常勤)は、取得が可能だった職員の21・6%。取得率は2017年度より3.5ポイント上がり、育休制度を設けた1992年度以降で最高でした。
 ただし、99・5%が取得した女性との差は大きく、自衛隊員を含む防衛省や国会、裁判所など特別職の国家公務員を含めると、男性の取得率はさらに下がる見込み。期間ごとに見ても、1カ月以内が72・1%と短期の取得が中心になっています。
 国家公務員は性別に関係なく、最長3年の育休制度を利用できます。ただし、休みを取った場合の考課や人事などへの影響を懸念する声は、なお根強くあります。
 取得者が不利にならない制度にする具体策として、育休を1カ月以上取得できるよう各職場の体制を見直し、業務に影響が出ないよう事前に計画をつくらせる方向です。直属の上司となる課長や30歳代が中心の課長補佐級の職員に加え、事務次官や局長ら幹部の人事評価にも直結させて、実効性のある制度を目指します。
 地方の出先機関なども対象とします。58万4000人が働く国家公務員の職場で育休への意識を高めます。国が先に動くことで、地方自治体にも育休取得の体制整備を促します。全国知事会は今夏に男性の育児参画を促進する仕組みや、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりの検討を求める提言をまとめました。
 民間企業への波及も狙います。厚生労働省によると、民間での男性の取得率は2018年度に6・2%にとどまります。期間は5日未満が36%、5日~2週間未満が35%で、2週間未満が7割を超えます。女性でも82%と、ほぼ全員が取得する公務員に比べると見劣りします。
 少子化社会対策白書によると、夫が家事・育児に携わる時間が長い家庭ほど第2子以降の出生の割合が高くなっています。男性が家事・育児に充てる時間もアメリカは1日当たり3時間10分であるのに対し、日本は1時間23分にとどまります。政府内では、進まない少子化対策を前に進める具体案として、公務員の育休取得を広げる施策が浮上しました。
 1人の女性が生涯に産む子供の数に相当する合計特殊出生率は2018年に1・42と、3年続けて下がりました。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の人口は2015年の1億2710万人から50年後には8808万人に減ります。20~64歳の働く世代は、7123万人から4189万人に落ち込みます。

 2019年10月28日(月)

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■風邪患者の30%余に効果がない抗菌薬を処方 医療機関を調査 [健康ダイジェスト]

 風邪で医療機関を受診した患者に対して、実際には効果がない抗生物質などの抗菌薬が30%余りの人に処方され、処方される割合は地域によって20ポイントを超える差があることが、全国健康保険協会の調査で明らかになりました。
 抗菌薬は細菌には効果がある一方で、ウイルスが原因の風邪やインフルエンザなどには効かず、不必要な処方が薬が効かない耐性菌を増やすことにつながっているとして、国は抗菌薬を適正に使用するよう求めています。
 中小企業の健康保険を運営する全国健康保険協会は、約4000万人の加入者の診療報酬明細書を分析し、「急性上気道炎」、いわゆる「風邪」の患者に対してどれだけ抗菌薬が処方されているか調べました。
 その結果、処方された割合は2018度は31・4%と、43・6%だった2015年度よりは12ポイント余り減っていましたが、依然不必要な処方が多いことが明らかになりました。
 また、都道府県別のデータがある2017年度で分析すると、処方の割合が最も低かった福井県は26・6%でしたが、最も高かった奈良県は48・9%で、20ポイントを超える差がありました。
 調査の結果について全国健康保険協会は、「風邪に対して抗菌薬が使われる割合は依然多く、地域によって大きな差があることが明らかになった。耐性菌の出現を減らし健康を守るためにも、抗菌薬の適切な使用を促していきたい」と話しています。

 20190年10月28日(月)

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