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■川崎市、ぜんそく患者への医療費助成廃止へ 関係者が市に抗議、存続求める [健康ダイジェスト]

 川崎市は、高度経済成長期の深刻な大気汚染を切っ掛けに、市内のぜんそく患者に独自に行ってきた医療費の助成制度を廃止する条例案を12日、市議会に提出しました。「ほかのアレルギー疾患との公平性を担保するため」としており、可決されれば、来年3月末で新規の受け付けが打ち切られることになります。
 川崎市は、高度経済成長期の昭和30年代から40年代にかけての深刻な大気汚染を切っ掛けに、国の公害認定の新規受け付けが終了した昭和63年以降も、市内のぜんそく患者を対象に年齢に応じて医療費の一部か全額を独自に助成する制度を続けてきました。
 対象者は今年3月現在、子供を含めて1万2438人で、2023年度当初予算額は約3億6800万円となっています。
 しかし、市がアレルギー疾患への対策を検討してきた結果、ぜんそく患者だけではなくさまざまなアレルギー疾患の患者を対象に医療体制の整備や予防に向けた啓発を総合的に進めていく方針が今月決まりました。
 その上で市は、12日に開かれた市議会で「ほかのアレルギー疾患の患者との公平性を担保するため」として、ぜんそく患者への独自の助成制度を廃止する条例案を提案しました。
 今月29日の市議会の採決で可決されれば、来年3月末で新規の受け付けが打ち切られることになります。2024年4月以降の2年間は経過措置で、現行受給者に助成を続けます。
 助成の廃止案について、市が今年2月から3月にかけて行ったパブリックコメントでは700通を超える市民の意見が寄せられ、ほとんどが廃止への反対や懸念の声だったということです。
 川崎市は「大変重く受け止めるが、市民からは公平性を欠くという声もあり、法律や国の指針に照らしても特定の疾患への助成を続けることは困難だ。今後は医療提供や相談の体制整備や人材育成などを進めていく」としています。
 川崎市のぜんそく患者らでつくる「川崎公害病患者と家族の会」の大場泉太郎事務局長は、「助成制度がなくなれば患者が病院を受診する回数が減る恐れがある。患者の中には通院のために生活費を削らなくてはならないという声もあり、不安が強くなっている。多くの市民が廃止に反対の意思を示しているのになぜ強行するのか」と話しています。

 2023年6月13日(火)

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■はしか4年ぶりに流行懸念、全国で計14人が感染 [健康ダイジェスト]

 感染力が非常に強いはしか(麻疹)の流行が、4年ぶりに懸念されています。新型コロナウイルスの5類感染症への移行で海外との往来が復活する中、感染者の報告が相次いでいます。専門家によると、はしかは潜伏期間が10日~12日と長く、ほかの感染症との区別が難しいため、発見が遅れるケースもあります。
 国立感染症研究所が発表した6月7日までの感染症発生動向調査週報によると、2023年第1週からの累計は東京都で5人のほか、大阪府で3人、兵庫県で2人、千葉県、茨城県、神奈川県、北海道でそれぞれ1人で、合わせて14人が感染しました。
 日本は2015年に土着の麻疹ウイルスの排除に成功したものの、海外からの流入の影響で4年前の2019年には全国で744人が感染しました。百貨店などで集団感染が発生した大阪府は感染者が全国最多の149人となりました。
 はしかは、麻疹ウイルスに感染して起こる感染症で、発熱や発疹などが主な症状となります。免疫をつけるためには、1歳と小学校入学前の計2回の予防接種「麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)」が必要とされます。
 はしかは季節性インフルエンザの10倍ともいわれるほど感染力が強く、空気感染するため、手洗いやマスクのみで予防ができず、予防接種が最も有効な予防法とし、厚生労働省は、海外渡航を計画している成人や、はしかの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は、予防接種を検討するよう呼び掛けています。
 宮城大看護学群の風間逸郎教授(病態生理学)によると、典型的なはしかの経過は、初期が「カタル期」と呼ばれ、鼻水や熱、せきなどの症状が出て、頰粘膜に白い斑点「コプリック斑」が現れることがあります。その後にいったん解熱するものの、「発疹期」になると全身性の発疹や高熱が出現し、カタル期の症状が強くなることもあります。これらの症状は3日程度持続した後、やがて改善し「回復期」に向かうといいます。
 風間教授は、「初期のカタル期は風邪の症状に似ているために見過ごされる可能性がある」と明かし、発疹についてもはしかの場合、発疹同士が融合することが特徴で、1回だけのワクチン接種など、はしかに対する免疫が不完全な人が発症する軽症で典型的な症状が出現しない不全型の「修飾麻疹」の場合には、風疹などとの鑑別が難しくなると指摘しています。
 ほかにも、発疹が出る「りんご病(伝染性紅斑)」や、2歳以下でかかることが多い「突発性発疹」、薬の内服や注射によって起きる「薬疹」などとも間違われやすいといいます。こうしたことから、はしかの見落としを防ぐため、医療機関では麻疹特異的IgM抗体などの血清抗体価の測定や、行政ではPCRなどの遺伝子検査が求められています。
 厚労省は、はしかの疑いがある場合、かかりつけ医または医療機関に電話などで伝え、受診の要否や注意点を確認してから指示に従うことを求めています。また、周囲への感染を広げないため、医療機関に移動する時は、必ずマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り、避けるよう呼び掛けています。

 2023年6月13日(火)

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■中国、ゼロコロナ政策緩和前後の火葬遺体数公表せず 死者急増を指摘され意図的に非公表か [健康ダイジェスト]

 中国政府が公表した統計で、2022年10月から12月までの火葬遺体数を非公表としていたことが、12日までにわかりました。中国国内で新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大し、死者数の急増が指摘されていた時期と重なります。中国政府は非公表の理由について説明していないものの、意図的に公表を控えたか、あるいは集計作業が追い付かなかった可能性がありそうです。
 統計は中国民政省が3カ月ごとに公表する「民政統計データ」。2022年1~9月の統計では火葬された遺体数が477・6万人と記載されていた一方で、9日に公開された2022年1~12月の統計からは火葬遺体数の項目自体が消去されていて、10月から12月までの火葬遺体数は不明のままとなっています。
 中国では新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」を大幅に緩和した昨年12月以降、爆発的に感染が拡大。医療機関は逼迫(ひっぱく)し、葬儀場でも火葬の順番を待つ遺族が列をなしました。当局はゼロコロナ政策撤廃後から約1カ月で約6万人が医療機関で死亡したと発表したものの、市民からは実態とかけ離れていると、当局の発表を疑問視する声も上がっていました。

 2023年6月13日(火)

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