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■ペットの血液から有機フッ素化合物を検出 室内汚染が原因か、愛媛大チーム [健康ダイジェスト]

 国内のペットのイヌとネコの血液に、人で健康への影響が懸念される有機フッ素化合物「PFAS」が含まれていることが、愛媛大と北海道大の研究チームによる5月30日までの調査で明らかになりました。汚染された室内のほこりなどを通じて、体内に入ったとみられます。
 研究チームの野見山桂・愛媛大准教授(環境化学)は、「自然環境だけでなく室内でも汚染が進んでいることの表れで、全国で実態調査が必要だ。室内で過ごすことが多い乳幼児にも影響している恐れがある」と指摘しています。
 北海道と大阪府の動物病院を通じ、屋内飼育のイヌとネコ計31匹の血清を採取。34種類のPFASの濃度を調べました。
 PFASは31匹すべてから検出されました。ハウスダストや食べ物などを通じて体内に取り込まれた可能性が高いと考えられます。
 濃度の中央値は、イヌで血清1ミリリットル当たり北海道が1・8ナノグラム(ナノは10億分の1)、大阪府が2・7ナノグラム。ネコは北海道が1・67ナノグラム、大阪府が7・7ナノグラム。人の事例から考えると低くない値で、何らかの健康影響が出る可能性があるといいます。

 2023年6月1日(木)

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■「はしか」 、6都府県の10人感染 同じ空間にいるだけで空気感染も [健康ダイジェスト]

 極めて感染力の強い「はしか(麻疹)」の感染が、国内で広がりつつあります。はしかは感染者と同じ空間にしばらくいるだけで空気感染し、発症すると重症化して命にかかわることもあり、専門家は「侮ってはいけない病気だ」と警戒を呼び掛けています。
 それを端的に示すケースが今年報告されました。切っ掛けは、インドから帰国後の4月27日に感染が確認された茨城県在住の30歳代男性でした。男性は発熱やせきの症状が現れた後、新幹線で新神戸から東京に移動しており、同じ車両に乗っていた東京都内の30歳代の女性と40歳代の男性の感染が後に明らかになりました。さらに、この男女のどちらかと接触した5歳未満の子供2人の感染も確認されました。
 厚生労働省は、患者が公共の場を移動した結果、感染が広がったとみて事態を重大視。5月12日、各都道府県などに対し、保健所や医療機関に注意喚起するよう通知しました。
 国立感染症研究所も、「感染性を有する期間に不特定多数の方と接触があった可能性があり、今後、広域的な感染拡大の可能性が危惧される」として注意を呼び掛けています。
 国立感染症研究所などのデータでは、今年の感染者数は5月21日の時点で10人となりました。21日までの1週間で3人増えました。
 感染者の報告があった地域は、茨城県、東京都、神奈川県、新潟県、大阪府、兵庫県の6都府県となっています。
 はしかの1年間の感染者数は、全数調査が始まった2008年には国内で大規模な流行があり、1万1013人に上りました。
 しかし、2015年には35人にまで抑え込み、すべて海外から入り込んだケースだったため、日本は世界保健機関(WHO)からはしかの「排除状態」にあると認められました。
 2019年にははしかの感染の報告が相次ぎ、1年間で744人が感染したと報告されましたが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降は海外との人の往来が少なくなったこともあって低い水準となり、一昨年は6人、昨年も6人でした。今年は5月の時点ですでに上回っています。
 はしかに警戒が必要な理由は、感染力が極めて強く、重症化したり死亡したりするケースがあることです。
 はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、患者がせきやくしゃみをすることで放出された粒子にウイルスが含まれていて、それを吸い込むことで感染します。
 空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、感染力は極めて強く、免疫がない場合、感染者と同じ空間にいただけでほぼ確実に感染するとされています。
 周囲の人に免疫がなく、対策がとられない場合、患者1人から何人に感染を広げるかを示す「基本再生産数」は「12から18」とされ、「2から3」ほどとされてきた新型コロナウイルスなどより感染力は格段に強いとされています。
 はしかに感染した時に出る主な症状は、発熱やせき、発疹などです。熱は2日ほどでいったん下がった後、再び上がるのが特徴で、40度近くまで上がり、発熱は1週間ほど続くということです。
 また、発疹は症状が出始めてから数日たたないと出ないため、最初のうちは、はしかと判断しにくいこともあるということです。
 さらに、感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされ、重症化するケースもあります。特に脳炎については、約1000人に1人の割合で起き、中には亡くなるケースもあります。
 アメリカの疾病対策センター(CDC)によりますと、はしかに感染した子供1000人中、1人から3人は、呼吸器や神経系の合併症で亡くなるとしています。
 妊娠している女性は、特に注意が必要です。妊婦がはしかに感染すると、合併症のリスクが高いとされ、流産や早産の可能性も指摘されています。
 また、感染を防ぐためのワクチンは、ウイルスの毒性を弱めた「生ワクチン」で、妊娠している場合は接種を受けることが適当ではないとされています。
 はしかを防ぐためには、あらかじめワクチンを接種しておくことが大切です。ただ、妊娠していることに気付かずにワクチンを接種してしまっても、リスクは低いとされています。

 2023年6月1日(木)

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■内臓脂肪による肥満、コロナの重症化リスクに マウス実験では肥満改善で生存率上昇 [健康ダイジェスト]

 内臓脂肪による肥満が新型コロナウイルス感染症の重症化リスクになっていることを人やマウスで確かめたと、東京医科歯科大などのチームが5月25日、発表しました。論文が5月22日、アメリカの「科学アカデミー紀要」に掲載されました。
 内臓脂肪の蓄積はメタボリック症候群の診断基準の一つで、内臓脂肪の過度な蓄積による肥満は、日本などアジアの人に多いとされます。新型コロナに感染すると、肥満のほか、高齢や糖尿病などが重症化リスクになるといわれているものの、詳しいメカニズムはわかっていません。
 チームが、同大学病院に入院した感染者250人の症状を調べると、内臓脂肪の量が一定以上の人は重症化する傾向がみられました。チームは肥満との関連性を確かめようと、遺伝的に内臓脂肪が多いマウスと正常なマウスを約10匹ずつ使い、新型コロナに感染させて症状を比較する実験を行いました。
 その結果、内臓脂肪の多い肥満の個体は7日後にすべて死んだのに対して、正常な個体は10日後もすべて生存していました。内臓脂肪の多い個体でも、食欲を抑えるホルモンを投与して肥満を改善すると生存率が上昇したといいます。
 チームは、内臓脂肪が多い人は体内の免疫細胞が変化し、免疫が暴走する「サイトカインストーム」が悪化しやすいとみています。
 同大の保田晋助教授( 膠原(こうげん)病・リウマチ内科学)は、「高齢者だけでなく、肥満の人も感染対策が必要だ。健康的な生活習慣が、新型コロナ重症化リスクの軽減につながる可能性がある」と話しています。
 白川純・群馬大教授(代謝・内分泌学)は、「これまで不明だった肥満によって重症化するメカニズムの一端を示した重要な成果だ」と評価しています。

 2023年6月1日(木)

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■カナダ政府、たばこ一本一本に健康被害の警告を印刷へ 世界初の取り組み [健康ダイジェスト]

 カナダ政府は世界禁煙デーの5月31日、国内で販売される紙巻きたばこについて、一本一本に健康被害の警告の印刷を義務付ける規制を発表しました。世界でも初めての取り組みといいます。「たばこはがんを引き起こす」「一服ごとに毒」「たばこの煙は子供に有害」などのメッセージが入る予定で、喫煙者が警告を避けられないようにする狙いがあります。
 新しい規制は、紙巻きたばこの種類ごとに、8月1日から段階的に実施する予定で、2025年4月までに店頭に並ぶ見通しです。
 カナダ政府によると、同国は2000年に世界で最初にたばこの製品パッケージに健康
被害を警告する画像表示の導入を決定しました。その後もパッケージの警告表示部分を増やしたり、販売・宣伝を制限したりして、規制を強化していました。
 新しい規制の発表にあたって、キャロリン・ベネットメンタルヘルス・依存症担当相は、「たばこ使用は現在も、年間4万8000人のカナダ人の死亡につながっている」と指摘。「さらに多くのカナダ人が喫煙をやめ、若者がたばこのない、健康な生活を送れるよう、必要な手段を取る」とコメントを発表しました。
 カナダ政府は、たばこ依存症に陥りやすい若者の中には、警告が表示されたパッケージではなく、たばこ1本を渡されたことを切っ掛けに喫煙を始める人もいると指摘。政府は2035年までに、喫煙率を現在の13%から5%(約200万人)に減らす目標を掲げています。

 2023年6月1日(木)

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