SSブログ

■多剤耐性菌で4学会が提言 対策に未承認薬の導入を [健康ダイジェスト]

 帝京大病院を始め全国の医療機関で、複数の抗生剤が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターの院内感染が広がっていることを受け、日本化学療法学会など感染症関連の4学会が21日、国内で未承認の抗生剤を早期導入するよう国に求める提言を発表しました。
 医療施設では個人輸入で備蓄する動きも出ており、日本化学療法学会のアンケートでは7割の施設が治療に未承認薬が必要だと回答しています。
 未承認薬では、「コリスチン」という抗生剤が欧米で多剤耐性菌に効果があるとして注目されてきました。帝京大病院などで院内感染を起こした多剤耐性の細菌アシネトバクターに、コリスチンは効くといいます。抗生剤が効かない酵素「NDM1」の遺伝子を持つ大腸菌にも、効果を示すという報告があります。
 アンケートは昨年末に実施し、752施設が回答しました。501施設が「耐性菌の治療にコリスチンが必要だ」としました。すでに14施設が個人輸入で備蓄し、31施設が備蓄の準備をしています。提言を中心的に取りまとめた二木芳人・昭和大教授(臨床感染症学)は、「(備蓄を検討する病院が)倍増しているようだ」といいます。
 帝京大病院の院内感染が広く知られるようになった9月以降、複数の輸入業者に医療施設から「購入したい」という問い合わせが増えています。
 また、日本化学療法学会、日本感染症学会など4学会の提言は、「多剤耐性菌の検査や院内感染対策はやればやるほど赤字」として、院内感染対策への財政支援を国に求めました。
 「1施設で短期間に2例の感染が確認された場合は、院内感染を考えて対応することが必要」と初期対策の重要性も強調。感染状況把握のための疫学調査には、院内の感染制御部や各診療科の担当医、感染の有無を検査する微生物検査室など横の連携が不可欠としました。さらに、各医療機関に院内感染対策に従事する人材の適正な配置と、その育成を求めました。

 2010年10月22日(金)




nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0