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■子供の体力は回復、65歳以上の体力は向上 10年度文科省調べ [健康ダイジェスト]

 短距離走の速さやボールを投げる力など子供の基礎的な運動能力の回復傾向が鮮明になっていることが、文部科学省が10日の体育の日に合わせて公表した2010年度の体力・運動能力調査でわかりました。中学、高校で運動部に所属していた人はその後も生涯に渡って高い体力を維持していることも、明らかになりました。
 調査は昨年5~10月、全国の6~79歳の男女約7万4000人を対象に実施。約6万8000人の調査票を回収しました。
 「走る、跳ぶ、投げる」の基礎的な運動能力を示す種目について、現行の調査方式になった1998年度以降の数値の推移を分析しました。各年齢層の代表値とする小学生(11歳)、中学生(13歳)、高校生(16歳)は、ほぼ全種目で数値が向上か横ばいになりました。
 09年度は横ばいだった11歳男子の50メートル走、13歳女子の持久走、16歳女子の50メートル走と立ち幅跳びは今回、向上に転じました。各種目を点数化した合計点は、小中高とも98年度以降で最高となりました。
 文科省は00年にスポーツ振興基本計画を策定。体育の授業改善などに力を入れており、近年の向上傾向の一因とみています。調査した順天堂大の内藤久士教授は、「子供の体力低下に危機感を抱いた学校やスポーツ関係者がさまざまな取り組みを進めた成果が出た」と分析しています。
 ただし、子供の体力のピークだった85年の水準には届いていません。筋力を測る種目などで差が目立ち、11歳男女のボール投げは当時に比べて約3メートル短く、16歳男女の握力も2~3キロ弱くなっています。
 また、運動をする子としない子の成績差が大きく、かつ以前より広がっています。運動習慣を「ほとんど毎日」から「しない」までの4階層に分けて分析すると、小学生男子の50メートル走は「ほとんど毎日」の子と「しない」子の差が、85年度の0・32秒から10年度は0・64秒に拡大しました。女子も、差がほぼ倍に広がりました。
 一方、大人については、50歳以上では男女ともに体力が上昇しているのに対し、20歳代から40歳代の働き盛りの年代で体力の低下がみられました。50歳以降は男女とも緩やかに上昇、65~79歳は握力、上体起こし、長座体前屈に加え、開眼片足立ち、10メートル障害物歩行、6分間歩行の6種目のほとんどで上昇しています。
 調査では、中学と高校での運動部活動の経験の有無と体力の関係も分析しました。中高で運動部経験がある人の合計点は、全年代で男女とも未経験者を上回りました。経験者の体力は、5~20歳下の未経験者とほぼ同じでした。
 文科省は、「運動部の経験がその後の運動習慣につながっており、生涯に渡って高い水準の体力を維持するのに重要な役割を果たしている」と指摘しています。

 2011年10月10日(月)




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