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■用語 概日リズム睡眠障害 [用語(か行)]

[夜]夜更かしと朝寝坊のリズムで体内時計が固定されている睡眠障害
 概日リズム睡眠障害とは、夜更かしと朝寝坊のリズムで体内時計がセットされている睡眠障害。睡眠相後退症候群とも呼ばれています。
 毎日の生活習慣の中で、この時間までに眠りたいと望む時間には眠ることができず、そのため、朝は起きなければいけない時間に目覚めることができません。しかし、休日や起きる時間がふだんより遅くてもよい日には、必要な睡眠時間が経過した後に自然と、すっきりと目覚めることができます。
 つまり、体内時計(サーカディアンリズム)が他の人より後ろへずれた状態で固定されて、狂ったまま24時間のリズムを刻んでいるのです。
 体内時計を正常な状態に戻すことが難しくなってしまう病理的な原因は、はっきりしていません。体の中にいくつも存在している体内時計を同調させる機能が正常に働いていないことが、誘因の一つと推測されています。
 パソコンやテレビなど体内時計のリズムを狂わせてしまう強い光を夜遅い時間まで浴びていたり、知らないうちに毎日かなりの量のカフェインを摂取していたり、太陽の光を浴びることのないい生活が長いなど、体内時計の調節機能を阻害する要素が多い生活習慣を送っていることが、誘因になっているとも推測されています。
 正常な人の場合、夏休みなどの長期休暇の間に少しずつ体内時計が遅れてしまっても、数日間、早寝早起きをすることで、苦痛なく体内時計を修正することができます。しかし、概日リズム睡眠障害と見なされる人は、体内時計が遅れた状態が2週間~1カ月以上も続き、修正しようとしても修正できません。
 また、起きなければいけない時間に無理に早起きしても、体内時計は後ろへずれたままなので、頭がボーっとしたり、集中力が続きません。次第に朝起きることができなくなり、学校や会社に遅刻したり、欠席、欠勤するといった状態に陥ってしまうこともあります。
 体内時計のリズムが後ろへずれて固定された状態になっていると、朝起きるのは苦痛だし、日中眠気を感じるしと睡眠不足状態になりがちですが、概日リズム睡眠障害は夜間眠れない不眠症ではありませんので、睡眠導入剤や睡眠薬など眠気を誘う薬では改善することができません。
 さらに、日中の眠気を追い払うために、コーヒーや栄養ドリンクなどカフェインを多く含んでいるものを飲んでいると、眠りを誘うホルモンであるメラトニンの分泌が乱れてしまう結果、体内時計が正常に戻りにくくなります。
[夜]概日リズム睡眠障害の自己治療と医師による治療
 自分でできる対策としては、生活習慣の改善による時間療法が有効です。夜は早く眠るための工夫をし、朝起きた時には太陽の光をしっかりと浴びる習慣をつけます。
 例えば、眠くなるための工夫として、食事は目標とする就寝時間の3時間前までにすませる、入浴は目標時間の1時間~30分前までにすませる、就寝30分前から部屋の明かりを落としてリラックスするなどがあります。目標とする起床時間には、カーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込むように工夫します。
 精神科や神経科、心療内科の医師によって行われる高照度光療法も、概日リズム睡眠障害の治療として有効です。毎日決まった朝の時間帯に太陽の光と同じ効果のある光を照射することで、メラトニンタイマーをリセットさせ、体内時計を早送りして調整する方法です。
 その際には、眠りのパターンやリズムを日誌などに書き留めておくことで眠りの状態を把握し、きちんと決められた期間続けることが必要です。
 眠気を催すメラトニンの分泌量や働きが低下している場合には、メラトニンやギャバ(GABA)、ビタミン剤などといった薬を併用することもあります。
 これらの治療でいったん睡眠時間帯が正常化しても、不規則な生活をすると再び入眠時間が遅れてしまうことが多いので、睡眠時間帯が安定するまで休日に夜更かししないように生活習慣を見直すことも大切となります。




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