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■味に鈍い人は甘み好き、肥満に注意 鳥取県の医師が調査 [健康ダイジェスト]

 基本味の一つ「うま味」に対する感度が低い人は、甘み嗜好が強くて肥満になりやすいことが、鳥取県米子市の山陰労災病院循環器科の水田栄之助医師(37)の調査でわかりました。宇都宮市で10月20日に開かれた日本高血圧学会で発表されました。
 生活習慣病を専門とする水田医師は、糖尿病の患者が作った料理の味付けが濃かったことを切っ掛けに、生活習慣と味覚の関係について興味を持って調査を開始。これまでも、高血圧の原因となる塩分への味覚感度を調べたところ、味覚が鈍い人は知らず知らずのうちに塩分の摂取量を増やしていることを突き止めていました。
 今回は、高血圧を抑えるため食事で減塩を指導する際、一般的にうま味成分を強くするよう指導していることから、うま味に着目。2009~10年、鳥取県内在住の男女48人(平均年齢37・4歳)を対象に調査を実施しました。
 健康診断の受診時に、うま味成分のグルタミン酸ナトリウムを含む調味料を水に溶かして、濃い味から薄味まで濃度を変えて口に入れ、味覚の感度を観察。濃度が0・03パーセントの溶液で味を感じることができた26人と、0・1パーセント以上の濃度にならないと味を感じなかった22人とにグループを分け、それぞれの肥満(体重を身長の2乗で割った指数が25以上)の度合いや病気の有無などを調べました。
 すると、0・03パーセントの濃度で味を感じた26人の肥満度は11・5パーセントだったのに対し、0・1パーセント以上の濃度にならないと味を感じなかった22人では36・4パーセントと高くなりました。
 そこで、それぞれのグループに味の好みを聞き取り調査したところ、0・1パーセント以上のグループは、そうでないグループに比べて甘さに対する嗜好が強い傾向がありました。
 水田医師は、「うま味に対する感度が鈍い人は甘みを好きになる傾向が強く、結果として肥満になる可能性も高い」と分析。さらに、「味覚感度の低下が塩分摂取の増加や肥満を助長させるなど、新たな生活習慣病の危険因子になる可能性がある」として、「患者一人ひとりの味覚を考慮することが、生活習慣病患者の食事療法にも重要になってくる」としています。

 2011年11月13日(日)




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