■用語 真性多血症 [用語(さ行)]
貧血とは逆に、血液中の赤血球が正常範囲を超えて増加する疾患
真性多血症とは、すべての血液細胞のもとになる造血幹細胞が腫瘍(しゅよう)化して発生し、血液中の赤血球が正常範囲を超えて増加する疾患。真性赤血球増加症とも呼ばれます。
この真性多血症は、慢性骨髄増殖性疾患というグループに属する血液腫瘍疾患の一つで、同じグループには慢性骨髄性白血病、特発性骨髄線維症、本態性血小板血症が属しています。
真性多血症の発症には、JAK2と呼ばれる遺伝子の異常がに深くかかわっていると考えられているものの、いわゆる遺伝性疾患ではなく子孫への影響はありません。慢性骨髄性白血病とは異なって、造血幹細胞を無制限に増殖させるようになるフィラデルフィア染色体の形成は認められません。
症状としては、全身の血管内を流れる赤血球の総数である循環赤血球量が増加すると血液の粘度が増加し、血流障害を起こすことから、顔面紅潮、目の結膜の充血のほか、疲れやすい、頭痛、めまい、耳鳴り、全身の皮膚のかゆみ、高血圧などがあり、皮下出血、寝汗、体重減少が現れる場合もあります。
場合によっては、一過性脳虚血発作、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞、深部静脈血栓症などの血栓症を合併することもあります。脾臓(ひぞう)が大きくはれる脾腫(ひしゅ)があると、腹部の圧迫感、膨満感を生じます。消化性潰瘍(かいよう)を合併することが多いのも、特徴的です。
時には、全く自覚症状がなく、健康診断や病院を受診した際の血液検査の結果、発見されるケースもあります。
真性多血症の検査と診断と治療
内科、血液内科の医師による診断では、血液検査を行うと赤血球が著しく増加しているのが特徴的ですが、白血球および血小板も多くの場合で増加しています。血液中のビタミンB12の量は増加し、腎臓(じんぞう)で産生される造血ホルモンのエリスロポエチンの濃度は低下します。また、脾臓のはれをしばしば認めます。
特徴的な症状と検査所見がそろえば積極的に診断を確定できますが、実際には除外診断によらねばならないことが少なくありません。つまり、まず循環赤血球量を測定して、脱水症になった場合に血液が濃縮して見掛け上、赤血球が増加する相対的多血症と鑑別し、次いで、エリスロポエチンが過剰に分泌されて赤血球が増加する二次性多血症の原因となる基礎的な疾患の有無を詳しく調べて、どれにも該当しなければ真性多血症の診断をすることになります。
内科、血液内科の医師による治療では、真性多血症のための自覚症状が強く、心臓血管系の疾患を合併する可能性がある時は、発症者の静脈から一定量の血液を体外に出す瀉血(しゃけつ)をします。瀉血をすれば症状は改善しますが、すぐに赤血球が増えて元に戻るため、ブスルファン(マブリン)、ハイドロキシウレア(ハイドレア)などの経口抗がん剤を使い、骨髄造血を抑制する措置を講じます。
これらの治療は検査値を見ながら行いますので、必ずしも長期間続けるわけではなく、断続的に繰り返すことがよくあります。
一部の真性多血症では、骨髄が硬くなる骨髄線維化へと変化することがあり、貧血や血小板の減少がみられますので、輸血療法を行うことがあります。
真性多血症は10〜20年と、慢性の経過をたどります。その間、医師の指示通りの療養に努めることが大切となります。治療を怠ると、すぐに赤血球数と血小板数が増加し、脳卒中や心筋梗塞、胃腸出血などを招いて、死に至ることも多くみられます。
日常生活上での注意としては、食事、運動、旅行などについての制限はほとんどありませんが、定期的に血液検査を受けることが必要です。ハイドロキシウレア(ハイドレア)を服用している時には、足の皮膚潰瘍などの副作用に注意します。
真性多血症とは、すべての血液細胞のもとになる造血幹細胞が腫瘍(しゅよう)化して発生し、血液中の赤血球が正常範囲を超えて増加する疾患。真性赤血球増加症とも呼ばれます。
この真性多血症は、慢性骨髄増殖性疾患というグループに属する血液腫瘍疾患の一つで、同じグループには慢性骨髄性白血病、特発性骨髄線維症、本態性血小板血症が属しています。
真性多血症の発症には、JAK2と呼ばれる遺伝子の異常がに深くかかわっていると考えられているものの、いわゆる遺伝性疾患ではなく子孫への影響はありません。慢性骨髄性白血病とは異なって、造血幹細胞を無制限に増殖させるようになるフィラデルフィア染色体の形成は認められません。
症状としては、全身の血管内を流れる赤血球の総数である循環赤血球量が増加すると血液の粘度が増加し、血流障害を起こすことから、顔面紅潮、目の結膜の充血のほか、疲れやすい、頭痛、めまい、耳鳴り、全身の皮膚のかゆみ、高血圧などがあり、皮下出血、寝汗、体重減少が現れる場合もあります。
場合によっては、一過性脳虚血発作、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞、深部静脈血栓症などの血栓症を合併することもあります。脾臓(ひぞう)が大きくはれる脾腫(ひしゅ)があると、腹部の圧迫感、膨満感を生じます。消化性潰瘍(かいよう)を合併することが多いのも、特徴的です。
時には、全く自覚症状がなく、健康診断や病院を受診した際の血液検査の結果、発見されるケースもあります。
真性多血症の検査と診断と治療
内科、血液内科の医師による診断では、血液検査を行うと赤血球が著しく増加しているのが特徴的ですが、白血球および血小板も多くの場合で増加しています。血液中のビタミンB12の量は増加し、腎臓(じんぞう)で産生される造血ホルモンのエリスロポエチンの濃度は低下します。また、脾臓のはれをしばしば認めます。
特徴的な症状と検査所見がそろえば積極的に診断を確定できますが、実際には除外診断によらねばならないことが少なくありません。つまり、まず循環赤血球量を測定して、脱水症になった場合に血液が濃縮して見掛け上、赤血球が増加する相対的多血症と鑑別し、次いで、エリスロポエチンが過剰に分泌されて赤血球が増加する二次性多血症の原因となる基礎的な疾患の有無を詳しく調べて、どれにも該当しなければ真性多血症の診断をすることになります。
内科、血液内科の医師による治療では、真性多血症のための自覚症状が強く、心臓血管系の疾患を合併する可能性がある時は、発症者の静脈から一定量の血液を体外に出す瀉血(しゃけつ)をします。瀉血をすれば症状は改善しますが、すぐに赤血球が増えて元に戻るため、ブスルファン(マブリン)、ハイドロキシウレア(ハイドレア)などの経口抗がん剤を使い、骨髄造血を抑制する措置を講じます。
これらの治療は検査値を見ながら行いますので、必ずしも長期間続けるわけではなく、断続的に繰り返すことがよくあります。
一部の真性多血症では、骨髄が硬くなる骨髄線維化へと変化することがあり、貧血や血小板の減少がみられますので、輸血療法を行うことがあります。
真性多血症は10〜20年と、慢性の経過をたどります。その間、医師の指示通りの療養に努めることが大切となります。治療を怠ると、すぐに赤血球数と血小板数が増加し、脳卒中や心筋梗塞、胃腸出血などを招いて、死に至ることも多くみられます。
日常生活上での注意としては、食事、運動、旅行などについての制限はほとんどありませんが、定期的に血液検査を受けることが必要です。ハイドロキシウレア(ハイドレア)を服用している時には、足の皮膚潰瘍などの副作用に注意します。
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