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■小児難病、成人後も推計5万人が治療継続 厚労省の全国調査 [健康ダイジェスト]

 難病などの子供に対し20歳になるまで医療費が助成される「小児慢性特定疾患治療研究事業」の対象患者で、成人後も治療を続けている人は最大で5万人近くいると推計されることが、厚生労働省研究班の全国調査でわかりました。
 患者の6割が20歳を境に医療費の助成を受けておらず、重い自己負担を強いられているケースも多いとみられ、切れ目のない助成制度の在り方が求められそうです。
 事業は1974年に始まり、2005年に児童福祉法に定められました。対象となる病気はがんやぜんそく、血友病、糖尿病など514種類。
 2010年度の総事業費は251億円で、約11万人が給付を受けました。自己負担は所得に応じ、入院の場合は月最大1万1500円、外来では5750円で済みます。
 成人後に国の難病対策の助成対象となる「特定疾患治療研究事業」は56種類。小児の対象の病気と重なるのは15種類しかなく、糖尿病など多くの疾患は支援対象から外れます。
 全国調査は研究班が2011年、全国の1万2678の医療機関に郵送で実施。5640施設(回収率44パーセント)から回答がありました。
 20歳以降も治療を続けている患者がいると報告したのは640施設(回答施設の11パーセント)で、計6356人いました。研究班が患者全体に占める割合などから推計した結果、こういった患者は全国で最大4万7476人に上ると算出されました。
 さらに、969人の患者を対象にした追加調査に、839人(回答率87パーセント)が回答。患者は20歳代が77パーセントと最も多いものの、30歳代も18パーセント、40歳以上も5パーセントおり、治療が長期に及んでいるケースもあることがわかりました。
 研究班の代表を務める浜松医科大学の尾島俊之教授は、「小児難病の患者が安心して療養できるよう年を重ねても切れ目のない医療の提供と支援が必要だ」と話しています。
 20歳を過ぎても多くの慢性特定疾患は治癒するわけではなく、継続的な医療が必要となるため、患者団体からは、「小児慢性特定疾患治療研究事業を20歳以降も対象とする、あるいは継続する疾患を特定疾患治療研究事業の対象とすべきだ」との要望が寄せられています。

 2013年5月7日(火)




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