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■体内時計の周期を簡単に計測する手法を開発 睡眠障害の治療に期待 [健康ダイジェスト]

 人は、いわゆる「体内時計」に基づいて1日周期の生活リズムを作り出していますが、この体内時計の異常を皮膚の細胞を使って簡単に見付ける手法が開発され、睡眠障害などの治療に役立つと期待されています。
 体内時計は1日を正しい周期で送るために必要なもので、この周期が24時間を大幅に超えるなどの異常があると、適切な時間に眠れない睡眠障害などを引き起こします。人の体内時計の周期は平均的な人では、1日よりわずかに長い24時間10分程度で、この周期が長い人ほど睡眠障害になりやすいことがこれまでの研究でわかっています。
 例えば、体内時計の周期が24時間30分程度になると、現代社会では適応に苦労し、単に夜型というのを超えて、自分の生活のリズムが1日の周期と完全にかけ離れてしまう概日リズム睡眠障害にもなりかねないことも知られています。
 従って、体内時計の周期を知ることは睡眠障害の改善にとって極めて重要ではあるものの、これまでは自然光を完全に遮断した部屋で、数週間にわたり特別な計測をしたり、24時間続けて採血したりするなど、大きな負担を強いられてきました。
 こうした中、国立精神・神経医療研究センターのグループは、この体内時計の異常について、体の皮膚の細胞を使って簡単に見付ける手法を開発しました。
 この手法では、皮膚から採った細胞の中のメッセンジャーRNAという物質の量の時間的な変化を調べるだけで、人の体内時計の周期を簡単に測定することができるということです。測定にかかる費用は2万円程度で、皮膚を採ってから3カ月以内に結果が出るということです。
 研究グループでは今後、この新たな測定法を睡眠障害の診断や治療などに役立てていきたいとしています。また、将来的には睡眠障害の患者の皮膚から、その人に合った薬を見付け出す「オーダーメイド医療」の実現も目指したいとしています。
 国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長は、「測定に使う皮膚の採取は数分ですむので、患者への負担が少なく、診断に用いるのに実用性が高い方法だと思う」と話しています。

 2013年7月10日(水)




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