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■美白化粧品、3種類以上併用の試験せず 被害の訴え1万人超 [健康ダイジェスト]

 カネボウ化粧品が販売する「美白効果」をうたった化粧品を使い肌がまだらに白くなるなどの症状が出た問題で、同社は問題の美白成分を含む化粧水や乳液など5種類をシリーズ商品として販売し、併用することを推奨していましたが、販売前の試験で3種類以上を併用する試験を行っていなかったことがわかりました。
 専門家は、「併用する化粧品が多くなれば、問題の美白成分の量も増える。実際の使い方に合った安全性の確認ができていたのか検証すべきだ」と話しています。
 この問題は、カネボウ化粧品の化粧品を使った人の中に、肌がまだらに白くなる白斑などの症状が出たもので、会社にはこれまでに1万人を超える人から症状が出たという連絡がきていて、このうち2424人が白斑が「3カ所以上」「大きさが5センチ以上」などの重い症状であることを確認したということです。
 問題となった化粧品について、カネボウ化粧品は「化粧水」、「乳液」、「ナイトクリーム」、「顔に貼るマスク」、「日焼け止め」の5種類をシリーズ商品として販売し、併用すればより効果が得られると推奨していて、被害が確認された人の中にも、3種類以上を購入して使っていた人が多数いました。
 ところが、カネボウ化粧品は販売前の安全性の試験でこれらの化粧品を併用した場合について、化粧水と乳液を2カ月間併用した試験はしたものの、美白成分の量がより多くなる3種類以上を併用した場合の試験は行っていなかったことがわかりました。
 長年、大手化粧品メーカーで化粧品の開発に携わってきた東京工科大学の前田憲寿教授は、「化粧水やクリーム、マスクなどを併用すれば、当然、皮膚内の美白成分の濃度も高くなる。3種類以上の化粧品を使うことも想定した試験を行って安全性をきちんと確認すべきだった。実際の使用方法を踏まえた配慮が必要だったと思う」と話しています。
 これについてカネボウ化粧品は、「今回の事態を重く受け止め、今後はさらなる自主基準の設定など見直し、強化を図っていく必要があると考えています」と話しています。
 美白成分が含まれる化粧品は、医薬部外品として効果をうたうことが認められている一方、長い期間にわたって毎日使い続けるだけに、副作用がないか事前の試験できちんと確認する必要があります。
 白くきれいな肌を手に入れたいという「美白ブーム」を背景に、メーカーがより強い美白効果を追求していったことが今回の問題につながったと指摘する専門家もいます。国の承認制度やメーカー側の試験の在り方に改善すべき点がないか、さらなる検証が求められます。

 2013年8月16日(金)




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