■用語 ウォルフ・ヒルシュホーン症候群 [用語(あ行)]
4番染色体の短腕の一部分が欠損していることが原因で引き起こされる重度の先天性障害
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群とは、22対ある常染色体のうち、4番染色体の短腕の一部分が欠損していることが原因となって、引き起こされる重度の先天性障害。4p(よんぴー)モノソミー、4p欠失症候群、4pー(まいなす)症候群とも呼ばれます。
常染色体は性染色体以外の染色体のことであり、人間の体細胞には22対、44本の常染色体があります。それぞれの常染色体はX型をしていて、短腕(p)と長腕(q)という部分があり、4番染色体の短腕の一部分が欠損している状態が4pモノソミーに相当し、ウォルフ・ヒルシュホーン症候群を引き起こします。
4pモノソミーは、常染色体の一部分が欠けている常染色体部分モノソミーの一種で、常染色体部分モノソミーが起こった場合は、胎児が生きて生まれても知的障害を含む重い先天性障害を併発します。通常、2本で対をなしている常染色体が1本になる常染色体モノソミーが起こった場合は、胎児が生きて生まれることはできません。
4pモノソミーから引き起こされるウォルフ・ヒルシュホーン症候群の主な原因は、突然変異による4番染色体の変化が原因で、欠損が短腕の約半分に及ぶものから、欠損が微小なものまであります。なぜ突然変異が起こるのか、どの遺伝子がどの症状と関係しているのかまではわかっていません。
まれに、両親からの遺伝が原因で起こります。転座といって、ほかの染色体の一部分が4番染色体の短腕に間違ってくっついていることにより起こり、この場合は両親の片方が染色体異常の保因者であることがあります。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群という疾患名は、ドイツのヒルシュホルンらによる1961年の報告と、同じくドイツのウォルフらによる1965年の報告に由来しています。
従来、5万人に1人程度の新生児にウォルフ・ヒルシュホーン症候群が発症するとされてきましたが、医師に誤診されていたり、認識されていない発症者もいることから、頻度はもっと高いと推測されます。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の新生児は、鼻筋の高く通った幅広い鼻や、弓状の眉毛(まゆげ)、両眼隔離、小さい顎(あご)などを特徴とする顔立ちをしています。
また、子宮内から始まる成長障害、重度精神遅滞、筋緊張低下、難治性てんかん、ほ乳障害、摂食障害を認めます。そのほかにも、骨格異常、先天性心疾患、聴覚障害、視神経異常、唇裂口蓋(こうがい)裂、尿路奇形、脳の構造異常などの症状を示します。
体重の増加もゆっくりで精神と運動の発達遅滞がみられますが、個人差はあっても年齢とともに、食事、着衣、脱衣など日常の家庭内での単純な作業の分担もできるようになります。疾患自体による生命予後は比較的良好で、個々の予後は合併症の重症度によります。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の検査と診断
小児科、遺伝科の医師による診断は、特徴的な顔立ち、成長障害、精神遅滞、てんかん発作により疑いを持ち、染色体検査により4番染色体の短腕欠損を検出することにより確定診断します。
大人になってからウォルフ・ヒルシュホーン症候群と診断されたり、子供のうちに診断される数は増えています。
小児科、遺伝科の医師による治療は、対症療法が基本となります。てんかんのコントロールが最初の重要な治療で、抗けいれん薬(バルプロ酸など)を投与します。嚥下(えんげ)障害があれば、経管栄養や摂食訓練が必要となることもあります。
精神遅滞のためにコミュニケーションが困難ですが、仕草や表情である程度の意思疎通は可能で、運動発達、認知、言語、社会性の能力を伸ばすための訓練を行います。
骨格異常、先天性心疾患、聴力障害、眼科的異常などの合併症に対しては、標準的な対症療法を行います。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群とは、22対ある常染色体のうち、4番染色体の短腕の一部分が欠損していることが原因となって、引き起こされる重度の先天性障害。4p(よんぴー)モノソミー、4p欠失症候群、4pー(まいなす)症候群とも呼ばれます。
常染色体は性染色体以外の染色体のことであり、人間の体細胞には22対、44本の常染色体があります。それぞれの常染色体はX型をしていて、短腕(p)と長腕(q)という部分があり、4番染色体の短腕の一部分が欠損している状態が4pモノソミーに相当し、ウォルフ・ヒルシュホーン症候群を引き起こします。
4pモノソミーは、常染色体の一部分が欠けている常染色体部分モノソミーの一種で、常染色体部分モノソミーが起こった場合は、胎児が生きて生まれても知的障害を含む重い先天性障害を併発します。通常、2本で対をなしている常染色体が1本になる常染色体モノソミーが起こった場合は、胎児が生きて生まれることはできません。
4pモノソミーから引き起こされるウォルフ・ヒルシュホーン症候群の主な原因は、突然変異による4番染色体の変化が原因で、欠損が短腕の約半分に及ぶものから、欠損が微小なものまであります。なぜ突然変異が起こるのか、どの遺伝子がどの症状と関係しているのかまではわかっていません。
まれに、両親からの遺伝が原因で起こります。転座といって、ほかの染色体の一部分が4番染色体の短腕に間違ってくっついていることにより起こり、この場合は両親の片方が染色体異常の保因者であることがあります。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群という疾患名は、ドイツのヒルシュホルンらによる1961年の報告と、同じくドイツのウォルフらによる1965年の報告に由来しています。
従来、5万人に1人程度の新生児にウォルフ・ヒルシュホーン症候群が発症するとされてきましたが、医師に誤診されていたり、認識されていない発症者もいることから、頻度はもっと高いと推測されます。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の新生児は、鼻筋の高く通った幅広い鼻や、弓状の眉毛(まゆげ)、両眼隔離、小さい顎(あご)などを特徴とする顔立ちをしています。
また、子宮内から始まる成長障害、重度精神遅滞、筋緊張低下、難治性てんかん、ほ乳障害、摂食障害を認めます。そのほかにも、骨格異常、先天性心疾患、聴覚障害、視神経異常、唇裂口蓋(こうがい)裂、尿路奇形、脳の構造異常などの症状を示します。
体重の増加もゆっくりで精神と運動の発達遅滞がみられますが、個人差はあっても年齢とともに、食事、着衣、脱衣など日常の家庭内での単純な作業の分担もできるようになります。疾患自体による生命予後は比較的良好で、個々の予後は合併症の重症度によります。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の検査と診断
小児科、遺伝科の医師による診断は、特徴的な顔立ち、成長障害、精神遅滞、てんかん発作により疑いを持ち、染色体検査により4番染色体の短腕欠損を検出することにより確定診断します。
大人になってからウォルフ・ヒルシュホーン症候群と診断されたり、子供のうちに診断される数は増えています。
小児科、遺伝科の医師による治療は、対症療法が基本となります。てんかんのコントロールが最初の重要な治療で、抗けいれん薬(バルプロ酸など)を投与します。嚥下(えんげ)障害があれば、経管栄養や摂食訓練が必要となることもあります。
精神遅滞のためにコミュニケーションが困難ですが、仕草や表情である程度の意思疎通は可能で、運動発達、認知、言語、社会性の能力を伸ばすための訓練を行います。
骨格異常、先天性心疾患、聴力障害、眼科的異常などの合併症に対しては、標準的な対症療法を行います。
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